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読書日記、ときどき食日記

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疎開騒ぎとダイナミックフィギュア 

3.11の震災から早3週間...。ご無沙汰しております。

首都圏は計画停電が実施されているものの、23区同様、我が家の地域もまだ一度も停電は未経験。それどころか、知らないうちに除外地域になっていたらしい。近所の方の話によると、東京電力の社長のお宅が町内にあるそうで、絶対ここらは大丈夫だという。ま、それは関係ないにしても、浦安などは、液状化現象で大変なことになっているにもかかわらず、何度も停電しているそうで、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱい。

近所のスパもスポーツジムも、すでにに営業を再開し、お米もトイレットペーパーも自身直後こそ手に入らなかったけれど、今は手に入る。
自主節電はしているものの、割と普通に生活できはいるけど、薄暗いスーパー行くと気が正直気が滅入る…。

そんな節電生活のなか、「困ってるから一度家に来てくれないか」と父から電話が。
私の実家は都内なので、計画停電の影響はない。多分夏場も停電することはないと思う。
とりあえず、電車を乗り継いで実家に戻ってみると、あるわ、あるわ、トイレットペーパーの山が。

母よ…買い占めたのね。

父に聞くと、原発騒動からここ毎日、それはもう大騒ぎだったという。
それでもしばらくは落ち着いていたのだが、先日東京の水道水から放射能が検出されたと聞いて、
「もう、怖くて東京には住めない。皆で避難しましょうよ!」と騒ぎだしたらしい。

でも、我が家の係累は皆関東在住。父には仕事もあるんだよ。
どこに疎開するちゅーねん。水道水はもう安全だって石原さんも言ってるじゃないの。
しかもそもそも水道水なんて飲まないでしょ。ミネラルウォーターだって沸かして飲んでるくせに。

とりあえず、東京は安全で、大丈夫だってといいくるめて帰ってきた。

まぁしかし、母のような心配性の人にいくら説明しても、糠に釘。
連日、池上さんも懇切丁寧に解説してくれてるけど、どれほどの効果があるんだろうか?
結局「人は自分の信じたいことを信じる」んだなぁと実感した。

お金と時間のある人は、海外にでも避難すればいいと思うけど、そもそもフツーの人は無理だし。

福島産のほうれん草とか原乳なんかも廃棄してるみたいだけど、もったいないなぁと思ってしまう。
放射能には時とともに少なくなるので、冷凍しといて後で食べればいいと専門家が言ってたけど、ダメなんだろうなぁ。
一方で、この出荷制限が原因で、福島の農家の方が自殺するという不幸なことも起こっているという。



そんな地震後の節電生活中読んでいるのが、

ダイナミックフィギュア〈上〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)ダイナミックフィギュア〈上〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
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三島 浩司

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ダイナミックフィギュア〈下〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)ダイナミックフィギュア〈下〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
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三島 浩司

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今、上巻をようやく読み終わったところで、宇宙からの突然の渡来体に襲われた近未来SFです。
キッカイという謎の生物と、人類の生来を賭けた二足歩行型特別攻撃機ダイナミックフィギュアの闘いを描いたもので、限りなく漫画チック。限りなく、エヴァ臭い。

「エヴァンゲリオン」はテレ東でやってたヴァージョンをDVD飛ばし気味に一気観したのだけど、ラストはかなりがっかりした。
結局、使徒ってエヴァってシンジの統合失調症の妄想だったとか!!!!
シンジのウジさ加減も、イラっとしっぱなしだった。

これはそういうイライラがない分マシなんだけど、エヴァとは比べ物にならないくらい細密に作り込んでる世界観も評価できるんだけど…ラストまで読んでも満足できるものだといいなぁ。

あー、あと二冊で3780円か、って思うでしょ?
でも二段組み、上下合わせて790ページの大作なので、ボリュームからするとコスパ的には妥当かな?
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2011/03/30 Wed. 13:33 [edit]   TB: 1 | CM: 6

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計画停電、買い占め 

まず最初に。

あまりに痛ましい今回の東北太平洋沖地震でお亡くなりになられた方々に、ご冥福をお祈り申し上げます。また、被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。


皆様もご存知のとおり、首都圏では輪番停電が行われ首都圏は大パニック。しかし、被害にあわなかった我々には何ができるかといえば、募金や寄付をすること、節電することだけ。
わたくしも、微力ながら募金と節電に協力中。しばらくの間、読書日記もお休みします。

東京電力が13日遅い時間に発表した輪番停電のグループ分けには、私の住む地域の住所は存在しなかったのだが、とにかく停電中の明かりを確保せねば、というので昨日は乾電池探しに奔走した。
(そもそも買い置きもないなんてどんだけ駄目主婦なのか?)

近所のコンビニを10件以上まわっても乾電池は売り切れ。特に懐中電灯用の単1はおろか、単2すらない。駅前のヨドバシカメラにはさすがにあるだろうと思ったが、ここでも売り切れで入荷の予定はないという。
あーあ、これで夜の停電になってしまったら、我が家はそれこそ飛行機の読書灯程度のLEDライトで凌がねばならない。夫よ、ふがいない妻ですまんね。

横浜西口の地下街はシャッターが下り、開いている店はひとつもなかった。その割にぶらぶらと出歩いている人が多かった。会社も休みのところは多かったのだろう。

駄目主婦ぶりは乾電池だけに留まらず、スーパーでも露呈した。
スーパー、ものの見事になぁ~~~~~~んにもない!
もしもに備えて皆が買い溜めしていったんだそうな。そういえば、地震直後に妹と電話が繋がったとき、「冷凍食品買い込んどいた」っていってたっけ。仕方ないのでワインと、辛うじて残っていたトマト缶だけ買って、昨日はトマトソースのパスタで済ませた。

今日はさすがに買い物しなきゃな、と思ってスーパーの開店時間少し過ぎたころを見計らっていくと、入り口付近からぐるっと一周、人が行列をなしている。
ここはソビエトですかね?
しかも、もう開店時間を過ぎているはずなんだけど…
最後尾に並び前に並んでいる人に聞くと、営業は11時からとのことで、列に並んで待つこと、小一時間。
その間、”お友達同士”でお買い物にいらしているおばあさん達のおしゃべりが聞こえてくる。

「あたしは昨日3万円分買ったから食べるものはあるし買うものもないんだけど、家にいたってニュースばかりでしょ?○○さんだって、毎日何万円も買い物してるのよ。云々かんぬん...」

・・・・・・・!!!!

突っ込みどころ、あり過ぎなんですがーーーー

言っておくが、ここはグレープフルーツ一個900円の高級スーパーではない。
超~~~~庶民派のスーパーで3万って、どんだけ買ったんだ?

そして、「買うものないのに、なぜ来るの?」
喉元まで出かかりましたが、自制した。
その後のオシャベリでこのご婦人は一人暮らしらしいことも判明し、ますます意味不明。
腐らせるな、絶対…

要するに、テレビも面白くないし退屈でやることがないから、わざわざ混雑するスーパーにやってきたというわけ。
そして"スーパーに悪い"から、必要もないのにまた何かしら買って帰ると。

消費することが悪いとは言わない。安全な地域にいる方は、可能な限り平常通りに過ごして欲しいとも思う。
そうしないと、景気がますます悪くなっちゃうからね。

しかし、横浜のお年寄りのああいった消費は倫理的にいかがなものなんだろうか。
ニュースは面白くないから観てないんだろうが、物資が不足してる被災地では一日おにぎり2個とかのところもあるって言ってたよ...

こういう方々が少数派であることは、理解はしているのです。
でも、もうこの際、民放はニュースはNHKに任せて、とりあえずヨンさまでも昔の時代劇でもたれ流しといたらどうですか。
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2011/03/15 Tue. 15:07 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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地震 

横浜中心部は震度5でした。

私は朝から熱が下がらず寝ていたのですが、恐ろしいほど揺れました。
震度3くらいの地震はちょくちょくあるのですが、3と5の差は大きかった。
ついに首都圏直下型がきたのかとさえ思いました。
幸い我が家にはこれといった被害はなく、一番怖れていた書斎のデカ本棚も無事でした。あれが倒れて壁にぶつかったりしたら、考えるだけで恐ろしい...

その後、テレビをつけると、東北太平洋沖を震源地としたマグニチュード8.8という規模ということ。
津波は仙台港を既に呑み込まんとし、千葉の石油コンビナートでは火柱があがり、地獄絵図さながら。
言葉を失ってしまいます。

都内の両親と妹夫婦、都心にいる夫と連絡をとろうにも、携帯はおろか固定電話も通じません。
メールも込み合っていたようでした。
その後固定電話が通じるようになったのは21時近くになってから。
おかげさまで、家族も皆無事でした。

首都圏のJR、私鉄、地下鉄は全て不通となっているため、多くの人が会社などで不安な一夜を超すことになりました。明け方近くまで余震は続いた気がします。

皆さん自身、ご家族、ご親族の皆様、ご友人、皆様無事でいらっしゃいますでしょうか。
今回の東北地方太平洋沖地震の被害にあわれた方々には心からお見舞い申し上げます。
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2011/03/12 Sat. 08:18 [edit]   TB: 0 | CM: 3

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エアーズ家の没落 / サラ・ウォーターズ 

本書は、昨年末「このミス」入りしたサラ・ウォーターズの最新刊である。12月からの積読本になっていたのだが、やっと読めた〜。

好き嫌いはあるだろうが、さすがはウォーターズで鬱々としてるくせにエレガントなのだ。今回はお得意の"百合"は封印だが、こういう世界を書かせて、サラ・ウォーターズに敵う人っているのだろうか?
私は割とサラ・ウォーターズ好きです。ハイ。

さて、舞台は第二次世界大戦の痛手冷めやらぬ英国だ。時は労働党政権下で、かつては興隆を極めていたエアーズ家も、時代の趨勢とともに没落の一途をたどっていた。
物語は、終始ファラデー医師の一人称で語られていく。ファラデー医師は、当家のたった一人の住み込みメイドのベティを往診に訪れたのだ。
実は、彼の母親は、エアーズ家華やかりし頃に当家で下働きをしていた。そのため、彼自身も幼い頃にこの館を訪れたことがあり、その華麗さと壮大さに憧れを抱いていたのだった。だが、30年ぶりに訪れた館の凋落ぶりに彼は愕然とする。
エアーズ家の人々は、明らかに経済的に困窮していた。
大勢いた使用人は今はもうベティしかおらず、もしも彼女に去られたら、もうメイドは見つからないだろう。だから一家は、無理をしてベティのために彼に往診を頼んだのだ。しかし、ファラデーが診察してみると、ベティは仮病だったのだ。そして「このお屋敷は気持ちが悪い。何かがいる。家に帰りたい。」と言い出す。
医師はエアーズ家の人々の窮状に同情し、ベティに道理を諭すのだが、館は説明不可能な奇妙な現象に悩まされ始めるのだった…

これがミステリといえるか否か解釈は微妙で、多くの方はゴシックホラーとして読むのではないか。ラストに向けて、館はその不気味さを増していき、物語は怪奇ホラーの色を強く帯びていく。
最後に全ての辻褄のあうようなミステリーがお好きな方の好みではないかも。

邦題の『エアーズ家の没落』として""読むならば、これは滅びの物語だが、原題の「The Little Stranger」を意識して読むならば、少し様相は変わってくる。そもそも、ファラデー医師のいうことを読者は全部信用してよいものなのか。確かに、ファラデー医師にはどこか「ひっかかる」ところがあるのだ。本当に彼はいい人なのだろうか?
著者はその「ひっかかり」を明らかにはしない。なので、字面だけを追っていっても一体何が真相なのかはわからない。読む人それぞれが、深読みをし物語に欠けているものを補って読む作品なのかもしれない。



エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)
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category: ノワール・ホラー・サスペンス

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: サラ・ウォーターズ    海外ミステリ  英国 
2011/03/10 Thu. 10:33 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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不道徳教育 ~擁護できないものを擁護する / W・ブロック 橘玲訳 

おっ、三島か?と一瞬勘違いしてここに来ちゃった方にはごめんなさい。

本書は経済学の思想のお話である。最近文庫化もされたらしいが、文庫に際しては、タイトルの「不道徳教育」は、「不道徳な経済学」と改題されている。

不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/02/22)
ウォルター・ブロック

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本書で語られるのはリバタリアンの思想である。
リバタリズム?リバタリアン
オバタリアンの親戚?でもハイレグでもありませんから…。

結構古くて、70年代のアメリカのベストセラーらしいが、なんといっても橘玲氏による”超訳”がなされている。
著者の思想はそのままに、現代日本用にカスタマイズされているという。
私は、かなり以前に『マネーロンダリング』 読んだときからの橘玲氏のファンなのだ。最近は小説は書いていないみたいで、残念なんだけども…。

最近の橘さんはリバタリアンなるものを公言しているが、リバタリアンとは何ぞや?
簡単にいえば、”市場原理主義に基づいて自由に生きることはよいことだ”という経済学的思想のことである。
ドーキンスらがダーウィンを信じているがごとく、彼らはアダム・スミスの「見えざる手」の力を信じている。
この哲学の基本は「誰の権利も侵害していない者に対する権利の侵害を正当化しない」ということで、つまりは、リバタリアンの思想とは「人をいきなり殴りつけるような行為のみを批判する」ことだといっていい。
その思想のもとでは、売春婦やポン引き、覚せい剤の売人、女性差別主義者から闇金融、ホリエモン、子供を働かせる資本家に至るまで、一般に不道徳といわれる人々は、一転ヒーローとなるという。
ホリエモンはともかく、売春婦に覚せい剤の売人、女性差別主義者は、どう考えたってヒーローなんかになりえないだろう、と思うでしょ?ところが、どっこい。コメルニクス的なリバタリズム・マジックによれば、悪は善になってしまうのだ。論理的には、最後には「まいったな。あんたが正しいよ」に変えさせられる。
この見事な展開の魔法が読みどころでもある。
かのハイエクが序文で述べているとおり、リバタリアンの思想は劇薬であり、この”劇薬”は非常によく効き、その効果は爽快ですらある。
経済を本当に理解するためには、様々な偏見や幻想から自由でなければならないのだ。

ところで、リバタリアンが理想とするのは、極限まで最小化した政府による国家だ。なぜなら国家こそがリバタリアンのいうところの「悪」の定義にあてはまるのだから。
リバタリアンにいわせれば、徴税は善良な市民に対する国家による暴力的な行為に他ならず、国家は保護とか規制といった形でその国の市場をゆがめている。

例えば、リバタリアンによれば、「アフリカの貧しい人々に救助の手を差し伸べるのは、アフリカをより貧困化させる」という。
飢饉が起こりアフリカの子供たちが飢えに苦しむと、世界中から援助というかたちで膨大な量のトウモロコシがアフリカに送られてくる。だが、この善意のトウモロコシは役人にネコババされて、トウモロコシ市場に横流しされるのだ。元手がタダのネコババ役人は価格が安くても儲かるが、トウモロコシ市場は暴落し破壊される。それは、すなわち人々が経済的に自立する手段を奪うということを意味する。儲からないのであれば、トウモロコシを作ろうという人はいなくなるからだ。自力で市場が形成されなければ、経済は成り立たない。挙げ句、役人は援助物資のピンハネがやめられなくなり、アフリカは乞食に成り下がるというわけである。善意は、かくして不道徳なことに変わってしまう。
これが単なる屁理屈でないことは、何十年にもわたって世界中がアフリカを支援し続けても、アフリカの現状が全く変わっていないことからもわかる。経済的にみるならば、慈善は悪であり、慈善団体に寄付しない冷血漢はヒーローなのだ。

だが、もしあなたがアフリカを旅していて、今にも死にそうなほど痩せ衰えた飢えた子供が道端に座り込んでいたとしたら、バッグにあるチョコバーをその子に差し出さずにはいられないではないか?
日本にいて、アフリカのガリガリに痩せ衰えた今にも死にそうな子供の写真をみせられれば、それと同じ効果が生じるだろう。多くの人善意からなんらかの援助がしたいと申し出るに違いないと思う。
リバタリアンの思想は経済的に中長期的に考えれば全く正しいが、短期的にみるならば、その子たちは死んでしまうだろう。
経済の外にあるこの種の問題を超えられない限り、リバタリズムは前に進めないのではないかとも思ってしまう。
著者は異なる見地でダーウィンのnatural select 適者生存を説明に用いているが、残酷な面で通じるものあるのは興味深い。

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category: 宗教・思想

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: リバタリアン  橘玲 
2011/03/07 Mon. 08:49 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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