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読書日記、ときどき食日記

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ラブちゃん&アルファオメガ 

うはー、レンズがきたーーーーー!

ので、おくつろぎ中の野良ネコ、ラブちゃんにモデルになってもらってパシャリ。
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ラブちゃんはたぶん野良生活5年目くらい。
とても人なっっこくて、通りかかかる人皆に甘えてすり寄ってくる。
「ラ〜ブちゃん」と呼びかけると、「にゃ〜〜〜〜〜」と返事もしてくれる愛想のいいこ。

ただ、なでなでしてもらいたがりなのでモデル向きじゃないな(笑)
「なによ?なでてくれないの?!」とちょっと不満顔。
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ふむふむ、さすがF1.8
ボケもいい感じ

あとは腕だな…





ところで、ようやく『アルファ/オメガ』 を読み終わった。
SFというよりYAかな。表紙はイラストだもんなぁ…
有隣堂で見かけて気になり、なんとな〜くポチってしまった本だが、結局ダラダラしつつも全部読んでしまった。

設定はかなりユニーク。
核による”爆発”から400年後、自然もテクノロジーも破壊された世界では、人間は必ず男女の双子として生まれてくる。双子のうち一人は正常だが、もう一人はどこかしらに異常を抱えて生まれてくるのだ。正常な方は「アルファ」として支配階級を構成し、異常のある方は「オメガ」として額に烙印を押されて隔離される。
「オメガ」は皆、片腕がなかったりと目に見える明らかな異常を抱えていて、生殖能力もない。だが、双子のうちの片方が死ねば、もう片方も死にいたってしまうため「アルファ」は、「オメガ」を生かさず殺さず支配しているのだ。
そんな「オメガ」のなかに、外見上は「アルファ」と何も変わらないが、未来を予知できる特殊な能力を持つ少女が生まれる。
それが本書の主人公キャス(カサンドラ)だ。
そして、彼女はこの歪な世界に変革をもたらそうとするのだが…



YAなのだが、よく書けているせいかワシントン・ポストなどの高級紙の書評にも取り上げられているらしい。
訳者の方は「あとがき」で、ギリシャ神話との関係性を述べているが、「アルファ」が「オメガ」を支配するその世界は、今の世の中に通じるところも多々あるのだ。
ちょっとマイケル・サンデル教授の白熱教室的な面白さを感じる。というか、まさにそのものか。
日本語版の想定は漫画そのものだが、意外に深かったりもする。

ただし、案の定三部作なのだ。それくらいのボリュームが必要な壮大な物語とも言える。
それにしても、三部作って多いなぁ…。

映画化権利は発売前にドリーム・ワークスが獲得したそうで、映画化される予定なのだとか。
ま、かなり予算がかかりそうなので、予定は未定な感じではあるけれども…



アルファ/オメガ (ハヤカワ文庫 SF ヘ 11-1)

フランチェスカ ヘイグ (著), 水越 真麻 (翻訳)
出版社: 早川書房 (2015/9/8)


Kindle版はこちら
アルファ/オメガ (ハヤカワ文庫SF)





ラブちゃん撮影なんかしつつも、実は風邪ひいちゃって微熱もあり(苦笑)
明日は朝はやいし、葛根湯と養命酒飲んで、もう寝ますわ…


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category: SF ファンタジー

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 早川書房  映画化  文庫  SF 
2015/10/30 Fri. 15:14 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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レンズ買っちゃった・・・ 

最近ミラーレス一眼を買い、スーパームーンなど撮って浮かれていた私なのだが、
ついに、ついに、レンズに手を出してしまった。

昨夜どうしても欲しくなってアマゾンでポチってしまい、今こうしてジムにも行かず、ヤマト運輸のおにーさんを待っているというわけです。

しかし、これはひょっとしてレンズ沼への第一歩?
カメラ本体の使い方さえおぼつかないというのに…

買ったのはコレ
私のカメラは白なので、実際買ったのはこれのシルバー



OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 ブラック マイクロフォーサーズ用 単焦点レンズ


17mmと死ぬほど迷ったけど、結局こっちにしちゃった。
価格がリーズナブルだし、レビューにオリンパスPL6に装着して使っている人が実際撮った写真も綺麗だったし。


やっぱり私はバカだよなぁという気持ちと、はやくヤマト運輸こないかなという気持ちと半々。

日経があと2,000円もあがらないと助からないのに、
こんなゼータクしていいのかな?


いけないよなぁ…
しかも3年保証とかまでつけてもーた。メーカーのだけで十分だったような気がする。
ま、バカはバカなんです。ずっと「哀しみのイレーヌ」だと思ってたしさ。買って読んでるくせに。
ブログタイトルは昨夜こそっと修正しましたとさ…。

ところで、
はやく救難隊こないかなぁ!
あべせいけん、頼む!


というわけで、今読んでるのはまるで漫画の『アルファ/オメガ (ハヤカワ文庫 SF ヘ 11-1)』なのですが、はかどらないのです。

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category: 行ってきた&旅行その他

tag: カメラ 
2015/10/28 Wed. 10:50 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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グリシャム「法律事務所」読書会! 

ハロウィンですねぇ・・・

いつからこんなに流行りだしたのか???
ということで便乗して、昨日の読書会はハロウィン・メニューにしてみた。
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じゃ〜〜〜〜〜ん
ハロウィン限定、おばけ付きのハニートースト!!!


横浜読書会では居酒屋で読書会をやっており、最近ずっと使っているお店の名物がこのハニートーストなのだ。
料理にボリュームがあるので、これまでオーダーしたことがなかったのだが、今回初お目見え。
ただ、、、お味はご想像の通りで…


それはさておき、グリシャム読書会なのである。
なんで今更、グリシャムなの?と言われたのだが、えっと、私にもよくわかなくて…
最近トム・クルーズの映画を観たせい?笑 


ところで、本会にあたっては翻訳者の白石朗さんから、メッセージをいただいた。
白石さん、ありがとうございました。本当は会にも来ていただきたかったのだけど、残念ながらスケジュールが合わず。
キング作品をやる時は、是非ともいらしてくださいませ。

またグリシャム作品では、『グレイ・マウンテンズ』が準備中とのことです。
なんでも、「不況でニューヨークの法律事務所をリストラされた若き女性弁護士がヴァージニア州山地での法律ボランティアに赴いて、大自然の美しさと裏腹な醜い陰謀に巻き込まれていく」というストーリーだそうです。楽しみですね!




さて、さて、恒例の採点の結果は、、、平均6.1点
この日の参加者は14名で、得点の分布は下記の通り。
3点・・・1名 
4点・・・1名 
5点・・・3名
6点・・・1名 
7点・・・6名 
8点・・・2名 


ボリュームゾーンは7点で、8点をつけたお二人の年齢はやや高め(←失礼!)


女性陣からクレームが多かったのは、やはり、
犬のハーシーを助けてあげなかったことだった。
あの家、ドッグドアってついていたのかしら???


そしてとにかく、主人公のミッチが不評で、不評で!!!
*俗っぽい。とにかく金、金、金!
*愛せない。感情移入ができなかった。
*したたか。スーパースターすぎる。
*お金のかすめとり方がずるいしイケてない。
*正義の味方というわけでもないが、腹黒いわけでもなく中途半端。


と、まさにボロクソ(笑)
この小説自体、著者にとってまだ2作目の作品だ。書き手としては手慣れておらず、まずストーリーありきで、キャラクターで読ませるタイプのものでもない。どちらかというと、面白みはコン・ゲームみたいなところにあり、文学的な心理描写の書き込みを求める女性陣のウケもよくなかったのかな?

でも、私は実はミッチにはすごく共感できたんだけどなぁ…
今は資本主義が進みすぎ、日本もアメリカも階級が固定化してしまっているきらいがあるが、この時代はギリギリ成り上がることを夢見てもいい時代だった気もする。
日本でも立身出世といえば名誉という時代もあったが、まずはお金。アメリカン・ドリームとは大統領になることだと思っていた人もいたようだが、そうじゃないと思うな。大富豪になることなのだ。
ハーバードのロースクールを優秀な成績ででて、ウォール街に就職するのは、今も昔も野望を果たすための大きな一歩だ。が、彼らの目標は大金を稼ぐだけ稼いで、できるだけはやく引退することだ。そしてあまりある時間を遊んで暮らす。たぶん、そういった生活に飽きることができてはじめて名誉が欲しくなるのだろう。
折しも、妙な髪型の不動産王が大統領戦に出馬し善戦しているそうだが、万が一彼が大統領になったとしたらどうなるのだろう?

話は脱線したが、ミッチが最後にアビーにいった「ありていにいって、僕は弁護士なんかなりたくもなかった」というのは本音だと思うな。

自らも恵まれたとはいえない境遇だったグリシャム自身とミッチは重なったし、そういった彼の渇望とさえいえる欲望もとてもよく理解できたかな。
時代背景もあるのだろうが、
はい、認めます。私は「拝金主義者」です!!!
安倍さん、頑張って日経平均をあと最低2000円あげてくださ〜い!

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不評なミッチに比べ人気だったのが、殺された探偵の秘書で情婦のタミー。
タミーはまさに八面六臂の大活躍だったが、そのモチベーションはどこから?というのも話題になった。
映画では探偵がマフィアに殺されるシーンに立ち会っているので、「復讐」という要素も強調されていたが、小説ではやはり「お金」ではないだろうか。
ミッチがマフィアからせしめたお金は1000万ドル、そのうち100万ドルづつアビーの両親と自分の母親宛に送金し、100万を口座に残して700万ドルをスイスの自分の匿名講座に送金している。彼女は「これで、一生お金に困らない」といっているので、たぶんこの口座に残された分が、タミーの取り分なのだろう。
円高の今換算すれば、100万ドルは命を引き換えにするにふさわしい金額ではないという声もあったが、いやいやいや、その当時にしてみれば大金も大金だし、世界にはわずか数万円のために自分の内臓を差し出す人間も五万といる。
タミーは雇い主であり同時に情夫だった存在のエディを失い、一か八かの賭けにでたと考えても不思議ではないと思うんだけども…。
こうしてみると、どうして私が「法律事務所」が好きなのかよぉ〜くわかるわ(笑)

他には、
*FBIがダメすぎる
*法廷もののほうが好み
*前半は面白いが、後半はダレた
*偶然に頼りすぎている
*結末が予想できてつまらない
*いっそお金をとるのに失敗するとかのほうがよかったかも
*兄のレイがもう少し活躍すればよかった
*スリルを感じない
*話すことはないもないくらいのめりこめなかった

ネガティブな意見が多かった割に、平均6点というのはいかに???
しかし、あっというまに時間は過ぎ、大いに盛り上がった会となったのだった。

おしまい。

次回11月の読書会は、
今年も大本命ルメートルの『悲しみのイレーヌ』 に決定しました!





法律事務所 (小学館文庫)

ジョン グリシャム (著), 白石 朗 (翻訳)
出版社: 小学館 (2003/02)








悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

ピエール・ルメートル (編集), 橘 明美 (翻訳)
出版社: 文藝春秋 (2015/10/9)


Kindle版はこちら
悲しみのイレーヌ (文春文庫)
¥880





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category: 読書会

thread: 本に関すること - janre: 本・雑誌

tag: 読書会  海外ミステリ  映画化 
2015/10/24 Sat. 16:04 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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悲しみのイレーヌ / ピエール・ルメートル 

コメダ珈琲にはじめて入った。
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コメダといえば、シロノワール!
客層は割と高めで、私のジム友くらい。
たぶん、スタバとかでくつろげない層のためのお店なんだろうなぁ…。
わかるわ〜。私もスタバよりルノワールとかのほうが好きです。

今日の本は、おフランスのミステリ「悲しみのイレーヌ」。フレンチミステリなのに、おしゃれなカフェよりもコメダのほうがなんとなく似合うんだな。フラチーペより珈琲!


さて、『悲しみのイレーヌ』は、ピエール・ルメートルのデビュー作だ。そればかりか、『その女アレックス』 で活躍したカミーユ警部シリーズの第一弾でもある。
『その女アレックス 』では、身長145cmの小柄なカミーユ警部が主役というわけではなく、主体はあくまでアレックスだったが、本書では主役といっていい。そしてタイトルのイレーヌは、彼の妻なのだ。

物語は、パリ北西部の郊外、クルブヴォアで残酷で凄惨な事件が起こるところから始まる。現場は人気のない廃墟を改装したロフトで、最悪の光景がひろがっていた。切り落とされた指や、大量の血が目に入り、汚物と血の臭いが鼻をつく。被害者は二人の女性だと思われる。壁には女の頭部が打ち付けられており、血文字で「わたしは戻った」と書かれていた。そして血文字には、指紋のスタンプが押されていたのだ。それは文字通り、指紋ではなく指紋のスタンプだった。
そして、フランス北東部トランブレの未解決事件に、これと同様のスタンプがあったのだ。トランブレの事件もまた、クルブヴォアの事件に引けをとらないくらい残酷で凄惨なものだった。
カミーユは、トランブレの未解決事件についてのある重要な特徴に気づくのだが…
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後半も後半、読者は「あっ!」と言わせられる。さすがにこれに最初から気づく人はいないだろう。
小説ならではの騙しというか、なんというか。かといって、叙述といったありきたりなものでもない。
「アレックス」もガランガランと音を立てて、章立てごとに見える世界が変わったが、本書も負けてはいない。

最近、横浜市大の谷崎潤一郎の講座を受講しているのだが、谷崎は何を書くかというよりも、いかに書くかにこだわった小説家だった。なんだかその谷崎を思い出した。

こんな作品をひっさげてデビューしておいて、その上『その女アレックス』 のようなものを書いたりしたら、この先どうするのだろかと心配になってしまうほどだが、結局のところ、小説とは、その主体がどうなのかよりも、私たちにどう読ませるのか次第なのかもしれない。そして、ルメートルはそれが非常にうまいのだ。

そして、特筆すべきなのは、本書が文学やミステリのようなジャンル小説が人に求められる理由に触れていることだ。
「作家は死を夢見る人々のために死を描き、悲劇を求める人のために悲劇を書いています。しかし人は常に多くを求めます」という言葉のインパクトはどうだろう。
あまりに的を得ており、皮肉られている気分にさえなってしまった。アメリカンサイコが出た当時それは衝撃を受けたものだったが、いまやそれは刺激でさえなくなっている。ルメートル作品は恐ろしく残虐なのは、そのせいなのだろうか。
作家はいかに書くかにこだわるが、読者もいかに読むかということが重要なのだろう。"文学というゆがんだ鏡"に映し出されるのは、自分の真実なのだ。

「その女、アレックス」に登場した癖の強いカミーユの部下、ルイとアルマンも健在。健在というか、本当はこれがスタートなのだけど。
貴族のぼんぼんのルイと、しみったれもここに極まれりのアルマンだが、第一弾だけあって、特にアルマンの吝嗇ぶりは丁寧に描写してある。
作中、カミーユの妻のイレーヌはアルマンがお気に入りだとカミーユは言っているのだが、なんだかそれ、とてもよくわかる!彼のセコセコした吝嗇ぶりが、このシリーズのやるせなさを救ってもいる。
彼は意外に女性票が稼げるキャラだと思うな。




悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

ピエール・ルメートル (編集), 橘 明美 (翻訳)
出版社: 文藝春秋 (2015/10/9)



Kindle版はこちら
悲しみのイレーヌ (文春文庫)


Kindle版には、杉江松恋さんの解説がついていません…
でも、Kindleがでてれば、Kindleのほうを買っちゃうんのよね。
「アレックス」「イレーヌ」とくれば、やはり「死のドレスを花婿に」と「天国でまた会おう」も読みたいなぁ…





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category: ミステリ/エンタメ(海外)

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  このミス    フランス  文春  文庫 
2015/10/23 Fri. 00:02 [edit]   TB: 0 | CM: 4

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グリシャム「法律事務所」と「The Firm」 

週末の読書会の課題本は、ジョン・グリシャムの『法律事務所』なのだ。
カオスな本棚から探し当ててみると、これが結構分厚い(私が持っているのは小学館文庫)週末に一生懸命読んで、ついでに映画も観た。
たぶん、読書会では半分以上映画の話になるのじゃないかなと思って。

the firm tom cruise
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映画を観て思ったのは、
トッム、若っ!!!!

20年前の映画なので、若いは若いのだが、実はトム・クルーズは今も若い。なにせMIPの最新作でもアクション全開、離陸する飛行機にしがみついちゃうくらいなのだ。
だが、今ほど垢抜けてないトム・クルーズがとてもいい。背が高くないため、ロングコートが似合ってないのさえいい(笑)
トム・クルーズ作品で好きなのは悪役に挑戦した「コラテラル」だが、こういう役も意外といいなぁと思う。



ところで、小説と映画はストーリーが変えてあり、主にその結末が大きく異なっている。
小説はその長さも手伝って、明後日の読書会ではおそらく「冗長すぎる!」と言われるのだろうなと思うが、私は小説の結末こそが、グリシャムなのだと思う。
映画では、ミッチとアビー(と犬のハーシー)は、FBIからせしめた75万ドルはすべて兄のレイに譲り、二人と一匹でボストンで再出発を決意して終わっている。FBIとベンディニ事務所の双方を騙し、マフィアに自分を手だしさせないようにして、ミッチは弁護士であり続ける。そしてボストンでささやかな法律事務所を開くために旅立つのだ。
ところが、小説ではFBIから100万ドル、ベンディニ事務所からは1000万ドルを盗み、事務所の連中をFBIに逮捕させ、自分たち夫婦とレイはケイマン諸島へと逃避行するのだ。
せしめる金額の多寡もさることながら、決定的に違うのは、小説ではミッチが「弁護士なんてこりごりさ」と言っていることだろう。
裕福ではない家庭に育ち、低賃金のアルバイトをし、ハイスクールでクォーターバックとして活躍したという若き日のグリシャムは、ミッチそのものだ。そして、そんなグリシャムには映画のミッチにみられる「清貧さ」は似合わない(笑)
「ありていにいって、僕は弁護士なんかなりたくもなかった」というのも、グリシャム自身の声のような気がする。
ただ、ミッチとは違い、グリシャムは小さな事務所で、貧しい依頼人のための公費弁護士としてのキャリアを積んでいて、そのときの経験が以降の小説のネタになっているのだそうだ。
映画もとてもよく出来ているとは思うが、私は小説にみられる「実直な現金さ」のほうを買いたいかな。

ただ、唯一小説にもの申したいのは、「犬のハーシーはどうなったんだ?!」ということである。
置いてけぼりは仕方ないにしても、犬好きとしては、せめて隣のおじさんが飼うことになったとかの一文が欲しかったなぁ…
ハーシーの件もそうだが、映画ではレイとタミーの間にも幸福が訪れそうな予感があり、全体としてハッピーエンドで締めくくられている。


また、本書はいわゆるリーガルミステリ、リーガルサスペンスとは全くその趣が異なっている。
何が違うって、法廷シーンが全くないのだ。そのかわりに、法律事務所という世界の内幕や、弁護士という人種の拝金主義的傾向が重点をおかれて描かれている。おまけにアクションシーンも満載、タミーとアビーがケイマン諸島の事務所のコンドミニアムで、エイヴァリーが眠っている隙に書類をコピーするシーンなどは、スパイもののようなスリルもある。
しかし、本書で特筆すべきはやはり「拝金主義」、主人公のハングリーさといったものだろう。バブルのころはまだ躊躇もあっただろうが、日本も90年代はじめのこのころは、もう大手を振って「清貧より金儲け」と言える時代になっていたと思う。だから、いい子ぶらない正直なミッチに人は共感したのではないか。
そうした意味でも、時代にマッチした小説だったのだろうなぁと思うのだった。
 2015102001

余談だが、映画でミッチが就職を決めた夜のお祝いのディナーに、彼は中華料理と「高級ワイン」を用意している。
この「高級ワイン」は、ケンウッドで、たぶんブリュットだと思う。
ケンウッドといっても、音響メーカーではない。カリフォルニアのソノマ・ヴァレーの老舗ワイナリーだ。「高級」とはいえ、白なら2,000円程度のワインなので、買ってみようと思って探したのだが(←懲りてない!)、高島屋さんでも楽天でも買えなかった。
もともと、日本にはそう多く入ってこないらしいが、10年くらい前にペルノに買収されてしまったのだという。
これをやりながら、もう一回「ザ・ファーム」を観たかったなぁ!


法律事務所 (小学館文庫)


ジョン グリシャム (著), 白石 朗 (翻訳)
文庫: 856ページ
出版社: 小学館 (2003/02)







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category: クライム・警察・探偵・リーガル

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  映画化  リーガル  グリシャム  トム・クルーズ   
2015/10/21 Wed. 09:18 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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