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読書日記、ときどき食日記

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魔女の目覚め / デボラ・ハークネス 

これ、ハリポタやトワイライトにはまった女性は間違いなく好きだろうなーというミステリファンタジー。
何しろ、タイトルにある通り魔女はもちろんのことヴァンパイア、デーモンまで登場するのだから。
そして、ヴァンパイアといえば容姿端麗がお約束。そして、ロマンスもたっぷり。
とはいえ、ただのファンタジー&ハーレクインではない。
もしそうならば、世界35カ国で翻訳されるほど売れはしないだろう。
著者のデボラ・ハークネスは南カリフォルニア大学で教鞭をとる現役の大学教授にしてワインのブロガー。専門は16~18世紀の魔法と科学の歴史である。
本書にはその専門的な知識と蘊蓄がたっぷり。これが一番の魅力だと思う。

さて主人公は著者と同じ錬金術のアメリカ人歴史学者ダイアナ・ビショップ。いうなれば、ダイアナはもう一人の著者でもある。
彼女は17世紀にアメリカで行われた最初の魔女裁判で処刑されたブリジッド・ビショップの直系の子孫。魔女の家系としては皆が一目置く名門の家系に生まれた。
幼い頃、不可解な死を遂げた両親にショックを受けたダイアナは、魔法の便利さと引き換えにそれがもたらすものを怖れ、魔女としての自らを否定し、普通の人間として努力し今の地位をつかんだ。魔法によってではなく自分の力で。
あるとき彼女は論文を書くために訪れていたオックスフォードのボドリアン図書館で、『アシュモール782』と呼ばれる一冊の写本に出逢う。
写本は不自然に重く黴と麝香のまざった香りで彼女を誘い、彼女は即座にこの本には何か呪文がかけられているとさとるのだが、何もせず、そのまま書庫に返却してしまうのだった。
その日からダイアナの周囲に魔女、ヴァンパイア、デーモンが異常に集まり始める。
この世界を人間と分かち合っているのは魔女だけではない。
他にも、ヴァンパイアとデーモンと呼ばれる狂気と天才のはざまで綱渡りをしているクリーチャーがいる。
ダイアナの叔母サラはデーモンのことを「ロックスターと連続殺人犯」と表現する。独創的で美的感覚に秀でているのだ。
実は『アシュモール782』は一世紀もの永きにわたり、クリーチャーたちが探し求めていた本だったのだ。
その本は、クリーチャーたちの重大な秘密について触れられていると伝えられていた。
強力な魔法によって一世紀にもわたりその姿を現すことのなかったその写本を、なぜダイアナが手にすることができたのか。
写本には何が隠されているのか。
クリーチャーたちはその理由求めようとダイアナの周囲をうろつき始める。
その中に、黒髪で長身のヴァンパイア、マシュー・クレアモントがいた。オックスフォードの教授にして、天才科学者と名高いヴァンパイア。
彼もまた、アシュモール782を探していたのだった。
ヴァンパイアは美しき捕食者だ。すぐ手にかけなくても、殺す前に獲物を虜にする。
当初はマシューに恐怖し警戒していたダイアナだったが、次第に魔女とヴァンパイアは惹かれ合っていく。
だが、魔女とヴァンパイアとデーモンは決して交わってはいけない。必要以上に人間の関心を引いてしまうからだ。これはクリーチャーの世界の掟だった...。

写本に隠された謎、ロミオとジュリエットのような恋の障壁、彼らは写本を狙う追っ手から逃れるために、マシューの故郷フランスの古城へと旅立つ。
そこで待っていたのは、マシューのヴァンパイアとしての母親イザボーだった...。

写本の謎は?ダイアナとマシューの関係は?それにどうダイアナの両親の死が絡んでくるのか?とページを捲る手は止まらない。
私が一番この本に惹かれたのは、イケメンのヴァンパイアが出てくるだけではなく、これが歴史的読み物であると同時に「種の起源」やミトコンドリアDNAなどのサイエンスをも盛り込んだエンターテイメントである点だ。
ヴァンパイアであるマシューは、外見上は30代後半にしかみえないが、もう1500年も生きている。
写本の謎は、ヴァンパイアの起源にも及ぶのだ。
コルネリウス・ドレベル、アンドレアス・リバヴィウス、アイザック・ニュートンは皆、マシューの友人だった。
この本の主人公はいうまでもなく、魔女でイエール大学教授のダイアナだが、著者は明らかにヴァンパイアのマシューに「肩入」している。このあたりは女性らしいというか、なんというか。
とりわけマシューの食生活は興味深かった。
もし、ヴァンパイアを家に招くようなことがあれば、なるべく火を使わない料理、生のサーモンと極上のワインを用意するとよい。それからマッシュルームのスープを忘れずに(笑)
ワインに関する描写はさすがといったところ。著者は自身のワインブログで賞を得ているという。
まぁ、マシューが口にするようなヴィンテージワインを用意するのは不可能だろうけれど。
畳み掛けるミステリは壮大で、謎は本書だけでは語り尽くすことはできない。ハリーポッターがそうであったように。本書は三部作構成とのことだ。つまりこれは第一作目ということ。
この第一作目のラストからすると、第二作目は前作以上にスリリングなものになりそう。

まぁ女性向けだとは思います。夏休みの旅行のお供に。。。

魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス)魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス)
(2011/07/20)
デボラ・ハークネス

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魔女の目覚め 下 (ヴィレッジブックス)魔女の目覚め 下 (ヴィレッジブックス)
(2011/07/20)
デボラ・ハークネス

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ちなみに著者のサイト(注意!音がでます)にはもし本書を映画化するとしたら、マシュー役(ヴァンパイア)は誰がいいと思う?という投票が行われていたりもします。
今、人気なのはボーン・アイデンティティやザ・バンクなどのClive Owen、ターミネーター4のChristian Bale、スウェーデン出身の俳優Alexander Skarsgard、XメンのHugh Jackman
えー、なんか皆ヴァンパイアという感じではないような気が...。


読んでいただき、ありがとうございます。
 
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category: SF ファンタジー

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: ファンタジー  魔女  ヴァンパイア  映画化  写本   
2011/08/01 Mon. 22:35 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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