Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

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チャイナタウン / S J ローザン 

金曜に横浜で行われるとある読書会に参加する予定。
その課題図書が本書、『チャイナタウン』
読書会の開催場所も横浜中華街という洒落た趣向。
本自体は随分前に購入していたのだけど、読むのは後回しになってしまっていて、ようやく昨日読み終えた。
ギリギリセーフ。
読書会ってはじめてなんだけど、どういうことをするのだろう?

さて、主人公リディアは28歳の中国系アメリカ人。職業は私立探偵。相棒は巨漢の中年白人ビル・スミス。
一緒に住んでいる母親は、リディアのこの職業と相棒のことを毛嫌いしている。育ちのよい中国系アメリカ人の娘にはあるまじき職業だからだ。
ある日、リディアの住むチャイナタウンの美術館から陶器が盗まれる。盗まれた陶器は、美術館に寄贈されてまもない品で、さる上流婦人の亡き夫のコレクションの一部だった。まだ目録も作られておらず、保険にも入っていない。
リディアの古くからの友人であり、美術館の理事であるノーラは、この窃盗事件の調査をリディアに依頼する。警察に届けなかったのは、美術館の評判を気にしてのことだった。
早速リディアは相棒のビルとともに、チャイナタウンを縄張りにするギャング、美術品売買にかかわる人々の調査を始めるのだが、なんとその過程で二人は殺人事件に遭遇してしまう...。

本書の魅力はなんといってもアメリカ系中国人のリディアのキャラと彼女の周囲の人々、彼女が根を下ろしているチャイナタウンの雰囲気だろう。
28歳の本人曰く育ちのよい中国娘。兄は弁護士をしていて、母親はできるだけ早く兄のような男性と結婚をしてもらいたいと望んでいる。なのに、娘ときたら、汚い白人の男と一緒に探偵などという危険きわまりない仕事をして...彼女の職業とビルはとかく母娘の争いの元になる。
この母親、ちょい役としてしか登場しないのだが、訳者があとがきで指摘しているように、実にいい味出しているのだ。ほのぼのとしたホームドラマみたいな雰囲気作りに貢献している。

そして、なんといってもリディアと相棒のビルとの関係。
年齢も離れており、人種も違う二人は、恋人というわけでもなく、しかしまた単なる相棒というだけの関係でもない。ビルはリディアのことが好きだと公言して憚らないが、リディアにはそれを受け入れる準備がない。
彼女は彼に仕事上の相棒でいてほしい。彼はそれ以上のものを望んでいて軽口を叩くが、決して強要はしない。微妙な関係だが、二人がいいチームであることは間違いない。
しかし、この巨漢の中年白人は、そのゴツい見かけからは想像できないほど味のある男である。ピアノは玄人はだしだし、美術品にも造詣が深く顔も広い。探偵としてのカンと手腕はなかなかのものだ。
このリディアとビルの物語はシリーズ化されており、本書を入れるとすでに10作目
シリーズが進むにつれて、二人の仲も何らかの進展があるに違いないけど、10作もあるということはもしかしてこのまま?

また、舞台はチャイナタウンであるからにして、当然のごとく美味しそうなものもたくさん登場する。
母親が朝食に作る焼売や、屋台で売られているターニップケーキ(大根餅のようなもの)、テイクアウトの海鮮やきそばすらも美味しそう。
そして、ビルがリディアに差し入れするカノーリ!
このお菓子、日本では殆ど見かけないんだけど、なんとクックパッドにはレシピがあった!クックパッド恐るべし。

    cannoli.jpg

それに、非コーヒー派のリディアが、物語の時々に触れて飲んでいる、紅茶、ジャスミンティー、カモミールティーに菊茶なんかも、読んでいると、あーマンダリンオリエンタルのアフタヌーンティーに行きたいという気持ちにさせられる(笑)
それにしても、リディアは全然コーヒーを飲まないのだけど、中華系の人ってそうなんだろうか?

まぁ、完全に女性好みの設定。版元のカテゴリーはハードボイルドなんだけど、これってどちらかというとコージーなんじゃないの?という軽快さ。
原題は「Chaina Trade」
なぜTradeなのかという所に、ミステリのヒントがあります。

少しヘヴィーな本を読んだあとなんかには、気分転換にぴったりかも。



チャイナタウン (創元推理文庫)チャイナタウン (創元推理文庫)
(1997/11)
S・J・ローザン

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割と古い本なので、図書館でも待たずに借りられると思います。
図書館検索 カーリルはこちら→ http://calil.jp/local/


↓ これ、原書版の表紙なんだけど、すごい...よね。日米の差、歴然。
    白人からみる中国人ってやっぱりこういうイメージ? ぷぷっ、どうみても「おばはん」
    ちょっと受けました(笑)

               

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追記
読書会情報によると、リディアママが事件を解決する短編もあり。
残念ながら日本語訳はなし。しかもKindle Editionもなし。。。

Damn Near Dead 2: Live Noir or Die TryingDamn Near Dead 2: Live Noir or Die Trying
(2010/11/30)
不明

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いつも有り難うございます。

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category: コージー・男女もの

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ    読書会  課題  コージー  チャイナタウン 
2011/10/05 Wed. 13:28 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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