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読書日記、ときどき食日記

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特捜部Q キジ殺し / ユッシ・エーズラ・オールスン 

あのデンマーク発の全欧ヒットミステリ『檻の中の女』に続く「特捜部Q」の第二弾。

特捜部Qは未可決の重大事件のための専門部署だ。といってもメンバーは二人きり。責任者のカールと、シリア系の雑用係アサドのみ。しかし、チームにはローセという新たなメンバーが加えられることになった。実際には他の部署から押し付けられたのだが。
そんな特捜部Qの今回の事件は、20年前に起こった17歳と16歳の兄妹の暴行殺人事件。誰かがどさくさにまぎれてカールの元にこの兄妹の暴行殺害事件の捜査ファイルを送ってきたのだった。
動機は不明で被害者二人は身元もわからないほどの暴行を受けていた。事件当初、寄宿学校の生徒のグループに容疑がかけられていたが、彼らの父親はデンマークの経済界を牛耳っている有名人ばかりだった。しかし、事件はすでに解決済みだった。寄宿学校の生徒のグループの一人が自首し刑に服している。
当時の寄宿学校のグループのメンバーはクレスチャン、ディトリウ、トーステン、ウルレク、ビャーネ、キミー(♀)の6人。自首し刑に服しているのは、仲間の中で唯一家庭が裕福ではない奨学生だったビャーネだった。
リーダ格のクレスチャンは事故死、キミーは行方不明。しかしディトリウ、トーステン、ウルレクの三人はそれぞれの道で今では父親を凌ぐほどの成功をおさめている。
誰が既に解決しているはずの事件の資料を送ってきたのかを知りたいがために、調査に乗り出すカールとアサドだったが、調査をすればするほど、おかしな点が明らかになってくる。
一方、既に親が築き上げた以上の成功を手にしているディトリウ、トーステン、ウルレクの三人は、ある趣味に没頭していた。タイトルの「キジ殺し」は彼らのこの貴族的な趣味を指すものだ。同じ頃ホームレスとなっていたキミーは、頭の中の”声”に操られるようにある行動を起こし始める...。

このシリーズのいいところは、シリアスで陰惨な事件を中和させるユーモア。今回メンバーに加わったローセが期待ほどではなかったのは少々残念。(でも、実は次からは活躍するのですが…)
このローセちゃん、一体どんな子かというと、警察学校を最優秀の成績で卒業したが、自動車運転免許の試験に落ちてしまって、どうしても警察で働きたいがために秘書として雇ってもらったという経歴の持ち主。洋服もメイクも髪も真っ黒で不揃いのベリーショートヘア。見かけはまるでピアスのないリスベット(ミレニアム三部作の)じゃない??
しかも、「強情であけすけで大口叩きで、時にものすごく不機嫌になる」そして、「決して酒を飲ませてはいけない」ときた。しかし、酒の失敗については、訳者は「ブラックユーモアがお好きなら」と言っていたが、期待するほどブラックでもなかった・・・。

小説全体にもテーマをあれもこれもと盛り込みすぎかな?第一作に比べるとやや散らかった印象を受けるかも。
あと、この作品だけちょっと評価が落ちるのは、日本では「雉狩り」という言葉が持つ貴族的でスノッブな響きが知られていないせいもあるのじゃないかと思った。


特捜部Q ―キジ殺し―― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1853)特捜部Q ―キジ殺し―― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1853)
(2011/11/10)
ユッシ・エーズラ・オールスン

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続く第三弾では北欧最高峰の「ガラスの鍵」賞を受賞したそうだ。

そうえいば今日はバレンタインか。
みなさま、Happy Valentine!
 
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tag: 海外ミステリ  北欧ミステリ  特捜部Q  早川書房  デンマーク 
2012/02/14 Tue. 19:25 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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