Reading for pleasure

海外ミステリが多いですが、ノンフィクション、SF、なんでも。旬の面白そうなものを乱読してます。

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モンスターU子の嘘 / 越智月子 

越智月子という作家は知らなかった。書店の大きな手書きPOPには「白石一文 大絶賛!すごい小説だった!」とあったが、この白石という作家もよく知らない。
ただ、ただ、”悪女”というフレーズに惹かれて買ってしまった。
最近世間を騒がせている”悪女”といえば木嶋佳苗被告だが、”あの容姿”でこれまでずっと”男に貢いでもらって生活していた”というのだから驚く。だがしかし、エンタメフィクション的には悪女はイコール美女でなきゃ駄目でしょう。
本書はそういうセオリー通りの小説。石山詩子(うたこ)という一人の悪女の物語だ。小気味いいエンタメでありノワールである。女性ゴシップ誌的な匂いもする。

昭和最後の年。ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子は、常習賭博の現行犯で逮捕される。 フリー雑誌記者の蒲田は旧友の寺本から死の間際「あの人のことを頼む」と懇願されていた。「騙されやすい不器用な性格なんだ。」寺本は真面目な刑事だったが、その女に入れあげ家庭を壊し刑事という職までも失っていた。
詩子の娘音子からは、自分の父親が誰なのかを調べてくれるなら、引き換えに懇意にしている大物ヤクザの取材の橋渡しをしてやると持ちかけられる。
一方、元銀行員の根岸幸恵は男に貢いだ挙げ句、顧客の金に手を出し横領罪で服役していた。そんな幸恵の雑居房に詩子が入所してくる。色のない受刑服を着ていても、なお華やかで物騒な雰囲気を持つ詩子。彼女には刑務所の序列さえ関係なく、知らぬうちに看守まで手なずけている。気がつけば、幸恵はいつも詩子を目で追うようになっていた。

物語は、雑誌記者蒲田と、獄中の幸恵の二人の視点から交互に描かれ展開していく。そして次第にゆっくりと蒲田も幸恵も、読者すらも詩子に魅了されていくのだ。詩子が男にも女にも自分自身にまでもを欺く嘘は、それが嘘かどうかなのさえわからない。
「騙されている最中って幸せでしょ?奈落に落ちるのは騙されていたとわかる瞬間。だったらずっと騙し続けてあげればいいの。嘘も百回いえば真実になる。」
これを読んだ殆どの人は多かれ少なかれ詩子に魅せられるだろう。そういう私もやっぱりU子に魅了された。だからこそ、ラストの詩子の涙は信じない(笑)

また、40代以上の人にとってはこの時代設定が懐かしく感じられるはず。
XジャパンのToshiの洗脳や脱退劇、金丸信やハマコーを連想させる政治家たち、かつて六本木族といわれていた加賀真理子、ストーリーのそこかしこに実在の人物が見え隠れする。
もしかして、詩子のモデルも実在するのでは?とさえ思わせるが、あの時代こういう女がいたとしてもおかしくはない。


モンスターU子の嘘モンスターU子の嘘
(2012/01/25)
越智 月子

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一気読み必須。サクっと読めます。


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thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 越智月子  悪女  U子    騙す 
2012/02/23 Thu. 11:55 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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