Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

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『皇帝のかぎ煙草入れ』読書会 

月に一度ペースで開催されている横浜の翻訳ミステリ"スピンオフ読書会"。
たいてい読書会はどこかの会議室を借りて行われることが多いが、スピンオフはもっとざっくばらん。人数も7〜8名と雑談するにちょうどよい人数で、横浜駅近くの居酒屋でカジュアルに行われる。

皇帝のかぎ煙草入れRG1実は前回インドリダスンの『湿地』とカーの『皇帝のかぎ煙草入れ』で課題図書を争ったが、僅差で『湿地』に決まった経緯があった。
しかし『かぎ煙草入れ』もいい題材だ。新訳も刊行されたばかり。
翻訳ミステリと冠がつくからには、古典は絶対にやっておくべきだろう。ということで、今回満を持しての古典読書会とあいなった。
今回のスピンオフ。何がすごいって資料がすごい。

このジョン・ディクスン・カーの資料を作成してくれたのは、このスピンオフ読書会の幹事でもあるおてもとさん。
自他ともに認める古典ファンで、曰く、カーを肴にお酒が飲めるほどである。実際、隣でみていたら、殆ど食べずともビールはがんがん減ってゆく(笑)大丈夫。彼が食べてない分は私が片付けといた。勝手にたいらげたともいうが。

お次は、クリスティの全著作リストと各シリーズのおすすめと寸評。
mtkdさんが寝不足になりながら作成してくれた。う〜ん。クリスティ文庫を全部読破するには数年はかかるな。時間の都合上プレゼンしきれなかった分は、次回古典読書会の時に是非!
IMG_0594.jpg

さて、この作品はカーに騙されてなんぼのもんだが、皆、大絶賛だったようだ。
           
実は新旧訳で、多少表現が新しくなっている箇所や読みやすくなっている箇所はあるものの、雰囲気自体はそれほど変わらない。今回のメンバーは新旧訳半々といったところで、どちらも読んだという人も多かった。
ちょっと気になったのは、脳震盪が脳挫傷に変わった点だろうか。「脳震盪で死ぬことはないだろうから、これで結末に納得がいった」という人も。原文はconcussionではなくcontusionだったのだろうか?
しかし、実は脳震盪でも場合によっては死に至ることもあるらしいので、井上訳もあながち間違いとも言えないようだ。
それにしても、みんな細かいところまでよく読んでるなぁ。
私なんて、例のzizi-pompomくらいしか意識しなかったし…

実はカーキチと呼ばれる一部熱狂的なカーのファンには、『かぎ煙草入れ』はイマイチという人も多いと聞くが、今回否定的な意見は殆どなかった。
他のカー作品に比べ癖がないというのも、受け入れやすいせいかもしれない。
美男美女のロマンス的結末にも概ね好意的。
「全くよくやるよ」と思ったのは私だけみたいだ。

そして古典については、さすがに翻訳ミステリ好きとあって、みんな結構読んでいて本格のファンも結構多い。「本格はあんまり好きじゃない」とか大きな声ではいえないわ…。


さて、スピンオフではお酒が入るということもあり(そればかりでもないけど)、たいてい本題から脱線する。
この日もっとも大きな脱線は、『アイアン・ハウス』ネタ。ちなみにこの作品は、スピンオフ読書会#1で取り上げた作品で、(私は不参加だったのだが)かなり不評だったらしい。既に終わっているこの話題をふったのは何を隠そうこの私で、そのせいで時間が押してしまった。ごめんなさい!

ところで古典作品はクリスティの「ミス・マープル」や「ポアロ」のようにシリーズで映像化されているものも多い。
ドラマは邪道!としかられそうだが、それもまた時代を超えて愛されている作品ならではといえよう。
そして最近の話題といえば、何といっても7月末にNHKBSでも放映されたBBCのドラマ『SHERLOCK』だろう。ご存知の方も多いと思うが、これは我が横浜読書会"映像担当嬢"のお墨付きでもあるので軽く紹介を。
           SherlockBBC2.jpg
舞台を21世紀のイギリスに置き換え、自称「コンサルタント探偵」であるシャーロック・ホームズが、スマフォやネットを駆使して事件を解決する様を描いているのだが、各エピソードはコナン・ドイルの原作を下敷きにしている。
シーズン1は既にツタヤなどでレンタル開始になっているので、見逃した方は是非!
        
シーズン2ではさらに面白さアップ!シャーロックが「あの女性」と呼ぶアイリーン・アドラーが刺激的に登場する。


次回、私はUSオープン観戦のため、残念ながら参加できまません。ナダルは欠場だけど.(-﹏-。)
なので、涼しくなった頃にまたお会いしましょう。
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category: 古典・本格

2012/08/18 Sat. 13:59 [edit]   TB: 1 | CM: 4

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この記事に対するコメント

Re: タイトルなし

おてもとさん、こんにちは。
毎度、お疲れさまです。
どうぞ、お好きに使ってくださいまし。

Spenth@ #- | URL | 2012/08/19 Sun. 14:50 * edit *

こんにちは、横浜のおてもとです。
いつもブログを楽しく拝見させていただいております!
読書会お疲れ様でした。当日はビールとカーのせいでハイになってしまいました(笑)
もしよろしければ、今回のレポートを公式サイトにリンクさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

おてもと #- | URL | 2012/08/19 Sun. 13:27 * edit *

Re:SHERLOCK

naoさん、こんにちは。

読書会はアメリカでは主婦層に人気で、キュレーター役の人の家でお茶とクッキーをお供に、ということが多いようです。
しかし、会場は居酒屋に限りますね(笑)

「SHEROCL」naoさんもご覧になっていましたか!
シーズン1が最初に放映されたとき、関東は確か豪雨というか嵐で、映像が乱れるところがあったので、今回シーズン1,2を一気に放送してくれて助かりました。本当に良く出来ていますよね!待望のシーズン3は、2013年から撮影開始らしいです。

私も「ポアロ」も観ているはずなんですが、どうにも記憶にない(笑)
「オリエント急行」は再放送されたら録画しておかなきゃ。

> インフォメーショニスト」・・。
> その予約してあった図書が遅く届いて、今自分は読んでいるところなのでした。
私は、ジョン・ハートよりも「インフォメーショニスト」のほうがテイストにあうというか...。
ハートも悪いとは思わないですけれどね。
この「インフォメーショニスト」は、多分かなり編集者の手が入っている作品だと思うのですが、楽しめました。

> USオープン観戦ですか!・・もしや渡米(!?)
なのですが、
ナダル欠場なんですよね...。
今回の怪我はいつもと違うみたいで心配です。
ピンチを凌いで凌いで逆転した時の彼の「Vamos!!!!」というガッツポーズが好きなんですが、
Vamosのないグランドスラムなんて!!!

Spenth@ #- | URL | 2012/08/19 Sun. 06:55 * edit *

愉しい横浜読書会レポート!

今回Spenth@さん参加の(噂の?)横浜読書会の様子が窺え、
愉しい記事でありました。
おお・・熱の入った資料の数々。

先頃、NHK-BSで放映された『シャーロック 2』は3作とも観ました。
(勿論、前シリーズの3作品も観ております)。
このシリーズは、自国のホームズ像に果敢に挑戦(対決!)したもので、
ドラマ製作者の意気込みというか、その姿勢が素晴らしいと思いました。

また同局のポワロ・シリーズも観ておりますが、
特に記憶に残った回は「オリエント急行の殺人」でした。
(最近原作を読み返したのだけれど、つまらかったなぁ・・失礼)。
TV番組では原作とラストが異なり・・原作以上の到達点かと思う。
ポワロは自身のモラルを捻じ曲げ、虚偽報告をする破目になるのですが、
そのゆらぎに耐える姿は敗北者のそれでした・・見事な結末。
(ちなみに映画は原作と同内容・・終幕は祝祭的で、傑作!)。

そう・・記事にも触れられてありますが「アイアン・ハウス」(!)
・・次に読む予定にしておりましたが、
それより以前にSpenth@さんが紹介された「インフォメーショニスト」・・。
その予約してあった図書が遅く届いて、今自分は読んでいるところなのでした。

USオープン観戦ですか!・・もしや渡米(!?)
愉しんできてください!
では。

nao #6gL8X1vM | URL | 2012/08/18 Sat. 20:36 * edit *

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