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読書日記、ときどき食日記

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写楽 閉じた国の幻/島田 荘司 

第一回目のエントリは、ミス第2位 島田荘司の「写楽 閉じた国の幻」にしてみようと思う。

実は、なんとうちのターミナル駅の本屋ではミステリコーナーになかったのだ...。
今回は乱歩路線じゃない。ミステリコーナーになかったのはこのせいなの?

初期の「占星術殺人事件」や「奇想天を動かす」みたいなのではなく、ひたすら「写楽は誰か」というミステリー。これに徹したのは結果として大成功だと思う。

突如として現れ10ヶ月だけ活躍して忽然と消えたという写楽という人物は、日本美術史上最大の謎でファンタジー。
週刊新潮の連載ものだっただけに、ミステリ小説としてのまとまりには欠けるとこもあるかもしれないが、そんなものはなんてことない。
そもそもこの方に計画性なんていうものは期待してはいけない。
ご本人も後書きで言っているように本作で解決しなかった諸々の事は、次作での課題にすればよい。問題はその次というのがいつになるかということだけども。

島田荘司だからこそできた写楽探しの旅は、鮮やかな視点で誰もが想像しなかった意外な結末へと誘う。
このことのみが、久しぶりの「このミス」入賞という結果をもたらした。
他にも写楽研究本はあまたあれど、一番読んで楽しい写楽本だと思う。
600ページなどなんのその。ぐんぐん引き込む筆力は健在で、あっという間だ。

ただ、ダンベル並みに重いからAmazonさんでぽちったほうがいいかも。


写楽 閉じた国の幻写楽 閉じた国の幻
(2010/06)
島田 荘司

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写楽の謎とともに気になったのは、単純な数のミステリーで、1文はどこに消えた?というもの。

物語中、写楽の版元の蔦屋さんが友達2人と団子屋にいくのね。

団子を食べて、まぁだいたい一人10文だろうと見当をつけ、それぞれが10文づつ出し合うことにした。
ところが、会計をしてみると3人で25文だったとさ。
その30文のなかから25文を団子屋に支払いをして、5文残った。
その5文のなかからそれぞれ1文を取り、残りの2文は団子屋へのチップとすることにした。

蔦屋さんはふっと思った。
あっしらは一人 10文出して1文バックしたので10-1=9で9文支払ったことになる。
3人で9文づつだから、3×9=27 で全員で27文。
手元に残っている小銭(団子屋へのチップ)は2文
最初に皆がお金を出したときは30文あったはずなのに、あれ?27+2=29 で1文どっかに消えてるぞと。

数学的に正しい計算の仕方は、

団子屋に渡したのは25(団子代)+2(チップ)=27文、
30-27=3文は3人で分けた。
よって、一人が払ったお金は10-1=9文となる

ということなんだけど、考え方を変えると1文は消えなくなる。

私も蔦屋さん同様なんだか腑に落ちないかもよぉ~(笑)

ミステリ小説というものは、この1文銭みたいなものかもしれないね。



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category: ミステリ/エンタメ(国内)

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tag: 島田荘司  写楽  このミス 
2010/12/28 Tue. 13:09 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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