Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

03« 2017 / 04 »05
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.

喪失 / モー・ヘイダー 

あけましておめでとうございます!


matsu2-1.png    matsu2-1.png    matsu2-1.png

私は、毎年恒例、箱根駅伝を観ながらのお正月。
母校を応援しているのだけど、ここ何年か東洋大にかなわない…
柏原君が卒業した今年こそは!と思ってたら、とんだダークホースが…
来年こそは、優勝できるといいな!

さて、さて、本題のモー・ヘイダーの『喪失』。
本書は、今月の読書会の課題本なのだ。
エドガーといえば、昨年は東野圭吾の『容疑者Xの献身』が候補にあがり話題になっていた。
残念ながら受賞とはいかなかったのだが、かわりに受賞したのが、この本書『喪失』なのである。
ところで、このモー・ヘイダーという人はすごい美人なのだ。
なんと、日本でも働いていたことがあるそう!

santa-mask.jpgさて、舞台はイギリス西部地方のブリストル。11月のある日、フルール中心部のスーパーの駐車場でカージャックが起こる。サンタのマスクをつけた犯人は、買い物を終えた女性を襲って、車を奪い去るが、後部座席にはその女性娘マーサが乗ったままだったのだ。犯人は車とともに、11歳のマーサを連れ去ってしまったのだった。
捜査に乗り出したのは、重大犯罪隊を指揮するジャック・キャフェリー警部だ。彼はこの事件を、単純なカージャック事件とみていた。おそらく邪魔なマーサはすぐに開放されるだろうと思っていた。だが、マーサが両親の元に戻ってくることはなかったのだった。
一方、潜水捜査隊のフリー・マーリー巡査部長もこの事件に注目していた。彼女が以前携わった事件も、犯人はサンタのマスクをしており、車とともにマーサと同じ年頃の女の子が連れ去られていたのだ。ただ、その事件のときは、少女は無事に両親のもとに戻されていた。
出しゃばりだと思いつつ、フリーはキャフェリーに、犯人の狙いは少女だと進言するのだった。
マーサが帰らぬまま、時間だけが過ぎていき、キャフェリーは焦燥に駆られていた。そんなとき、犯人からおぞましい手紙が届けられる。その手紙は、マーサの下着にくるまれていた…

3659481699_68d4aee660_z.jpg実は、「喪失」は、ジャック・キャフェリーを主人公にしたシリーズものである。日本で刊行されているのは、『死を啼く鳥 』と続く『悪鬼(トロール)の檻』のに作品だが、読まなくても不都合はないと思う。

実は、キャフェリーとフリーは、一時期、恋愛関係になりそうになったという経緯があったのだ。
キャフェリーは幼い頃行方不明になった兄についてのトラウマを抱えており、そのためうまくいかなかったのであるが、マーサ事件とキャフェリーのトラウマは複雑に絡み合いつつ、物語は進行していく。
キャフェリーとフリーのほか、マーサ事件の解決には、もう一人重要な人物が登場する。かつては成功したビジネスマンであったが、娘を小児性愛者によって奪われた男ウォークマンである。

mohayder.jpg
モー・ヘイダーという人は見かけによらず、かなり血なまぐさいものを書くのだが、本書は全二作に比べると少しおとなしめかも。血糊や邪悪さといったものが好きな人には、インパクトのある『死を啼く鳥』をオススメする。

マーサを助けるための、タイムリミットサスペンスにもなっているためスリルもあるし、ちょっとしたレッドヘリングもありひねりも効いていると思う。騙される人は多いのではないだろうか。
キャフェリーや、娘を奪われたウォークマンの心情を丁寧に描いていることも評価できると思う。
キャフェリーのトラウマの克服はもちろん、フリーとの関係も気になるところだ。




喪失〔ハヤカワ・ミステリ1866〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)喪失〔ハヤカワ・ミステリ1866〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2012/12/07)
モー・ヘイダー

商品詳細を見る
関連記事

category: クライム・警察・探偵・リーガル

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  エドガー賞   
2013/01/03 Thu. 22:21 [edit]   TB: 0 | CM: 2

go page top

この記事に対するコメント

Re: 擁護者Spenth@さんの献身

naoさん、やっはー!
タイトルに笑ってしまいました。

私も年末Oさんから来年一発目はモー・ヘイダーの『喪失』にしましょう!といわれた時、
てっきりおっさん作家だとばかり思ってました。
まさか、こんな美女だとは!
しかし、なぜかポケミスの著者Phtoは眼鏡のだっさい姿...。

前々年の『ラスト・チャイルド』前年の『解錠師』から、この作品というのは、エドガー賞も、またガラっと嗜好を変えたもんだという感じです。

> 昨年の銃乱射事件なども連想・・もうウンザリ。

本当に、物騒な世の中ですよね。

ちなみにヘイダーさん、英国人で、作品も英国風なんです。
私がこの作家を評価するのは、例えば北欧ミステリ作家の多くは、「こんな酷い事件が起こるのは社会に問題があるからだ。もう駄目だぁ〜」みたいなニュアンスで物語を紡ぐじゃないですか?(しかしその実、北欧の社会は、崩壊しかけているのかもしれないけれど、それでも世界各国から羨望の目でみられているのに。)
でも、同じ欧州の英国人である彼女は、「個人の邪悪さを"社会”という曖昧で責めやすいもののせいにしていない」ように感じるんですよ。

インタビューなんかをチラ読みすると、かなりぶっ飛んだファンキー人なんですが、"人間の本質"といったものに真摯に向き合ってるような気もするんですよね。
「どうして血糊ばかり描くのかって?だって、200年前は、皆、絞首台に見物に出かけていたじゃない?」
ちょうど、年末読書会がお開きになった後に、ケッチャムなどの後味の悪い小説の話をしていたのですが、
彼女のこの言葉が内包するものと通じてるよなぁと思いました。

> ポケミスの課題図書というとですな、問題作「アイアンハウス」がまず浮かび、
> 当然その時の読書会のSpenth@さんの状況もまた連想されるワケですが・・大丈夫?
> 記事の内容から、本作もかなりな拒絶反応が(濃厚に)予想され、

今回はさてどうなるでしょうね?(笑)
でも、naoさん、私はアイアンハウス読書会には出てないんですよ。
あまりに横浜読書会で超〜評判の悪いと後で聞いたので、読んでみただけなんです。ジョン・ハートやらかしたんだ?と不思議に思ってたけど、読んでみたら、ジョン・ハートの傑作とはいかないまでも、通常運転じゃん!という。それを他の課題の時に話題にしちゃったんで、本来の時間をくってしまっただけなんですよ==(反省)

今回の『喪失』暴力描写も血糊もないし、『死を啼く鳥』に比べればかなりマイル〜ド〜で一般仕様に仕上がってるので、「気持ち悪くて駄目ぇ〜」ということはないんじゃないかな?
red herringも巧みですし。

それより、私は『喪失』naoさん評を知りたいです。
読まれましたら、是非!

Spenth@ #- | URL | 2013/01/04 Fri. 23:15 * edit *

擁護者Spenth@さんの献身


この本は横ミスの課題(?)図書ですね。
自分はもうすぐ読めそうなのでした(図書予約者数名待ちの状況)。
著者は女性でしたか・・その名前から、なぜかコナリー似の(?)よく肥えたオジサンの姿を想像していましたが・・ふーん。

サイコパス(そのどうしようもない歪)に関係するミステリ(他エンタメ)、
今更ながら言うのも何でありますが、アメリカは多いなぁ・・。
やはりかれらはそういう危機感に対し、日本人よりもより身近に相対する機会が多く、リアル(深刻)である様子。
昨年の銃乱射事件なども連想・・もうウンザリ。
相当なストレスをヒトも社会も抱え、精神科医の需要も多いのも納得。
アメリカに遅れること10年(数年?)、日本も似た状況になっていくのでしょうなぁ・・ふう。

まあ現実を映し出すのが小説(文学)の重要な主題であるのだから、それはそれとして・・
ポケミスの課題図書というとですな、問題作「アイアンハウス」がまず浮かび、
当然その時の読書会のSpenth@さんの状況もまた連想されるワケですが・・大丈夫?
記事の内容から、本作もかなりな拒絶反応が(濃厚に)予想され、
つまりは例の孤立状況の再現になりやしまいか心配なのでした。
(愉しい読書会レポートを期待しております)
ではまた!

nao #6gL8X1vM | URL | 2013/01/04 Fri. 19:33 * edit *

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://spenth.blog111.fc2.com/tb.php/235-2990a91c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top