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読書日記、ときどき食日記

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2666 / ロベルト・ボラーニョ 

私の今年の抱負は「重厚長大」なのである。
何もマツコのようになりたいわけではない。逆になってはいけないと思う(笑)
大作に挑戦しようということである。

そして、年末から少しずつ読みすすめていた『2666』をついに読了した!
とても持ち歩ける重さではないので、夜寝る前に読んだのだ。
roberto-bolano.jpg
二段組み、フォント小さめ、実に855ページ。測ってみると重量1.2キロ。チワワよりは軽かったが、ダンベルより重い。
本書は2003年にその才能を惜しまれつつ亡くなったロベルト・ボラーニョの未完の遺作である。

作中、登場人物に語らせているそのままに、「未完の、奔流のごとき大作」であり「未知なるものへ道をひらいてくれる作品」でもある。


この不思議な魅力の圧倒的な本の日本語版の装丁は、ジュール・デ・バランクール
『野生の探偵たち』にもバランクールの別の絵を使っている。白水社はどうやらボラーニョはバランクールでいこうと決めているようだが、これがぴったりなのだ。夜でもなく昼でもなく。カラフルで賑やかで、しかし闇につつまれ、たくさんの人生の秘密が見え隠れする。
  JDB_Neither_Day_Or_Night_2011.jpg

この圧倒的な物語は、5部構成から成っている。批評家たちの部アマルタフィーノの部フェイトの部犯罪の部アルチンボルティの部である。ちなみに、アマルタフィーノ、フェイト、アルチンボルティというのは、登場人物の名前だ。
死に際して、ボラーニョは残された家族のことを考え、これを5巻の独立した小説として出版してほしいと望んだという。そのほうが、印税が多く家族に入るからだろう。しかし、この内容からやはり一冊の本として出版するのが望ましいということになったのだという。
それで、5冊分の本は分厚い一冊になってしまったそうなのだ。

さて、第一部の舞台はヨーロッパである。これは、謎のドイツ人作家アルチンボルティを研究する4人の批評家たちの物語なのだ。イタリア人、スペイン人、フランス人の大学教授に、紅一点のイギリス人の女性研究家が登場する。彼女は若く魅力があり、彼らは不思議な4角関係を織りなしている。
彼らはアルティンボルティの足跡をたどって、メキシコ国境近くのサンタテレサへとやってくる。ちなみにこのサンタテレサは、ボラーニョがつくった架空の町らしい。批評家たちの案内役を務めるのが、二部の主役であるアマルタフィーノなのである。アマルタフィーノはチリ人の哲学者だ。
二部の甘ルタフィーノの部では、彼がなぜこの町にやってきたのかという経緯と、この町での彼の不思議な生活の様子が描かれている。
三部は、ボクシングの試合の取材のために、サンタテレサにやってきた 黒人記者フェイトの物語だ。彼はこの町で連続女性殺人事件が起きていることを知る。
そして、四部は、その連続殺人事件の被害者たちが、どういう人物で、どういう仕事をしており、どうレイプされたのかが延々と羅列されている。
五部になって、ようやく謎だったアルティンボルティの正体が明かされる。


生前、ボラーニョの名刺には"詩人及び放浪者"と刷られていたという。その作風は、なんというか独特だ。
読者をぴしゃりと追い返すほど不親切でありながら、作家自身の夢に入り込むような感覚に陥らせる力を持っている。
登場人物は膨大な数だし、彼らのエピソードは、濃密で、マニアックで、偏執的でもある。
しかし、この次々と展開していく物語の行く先は全く見えないままなのだ。
どうして「2666」というタイトルなのか?
アルティンボルティという謎の作家の正体はわかったが、それまでの物語は何を意味しているのか?
正直、私にはわからなかった。
ただ、わかったのは、アルティンボルティは、きっとボラーニョの化身なのだろうなぁということだけだった。

誰かに解説してほしいなぁ…

2666
2666
(2012/09/26)
ロベルト ボラーニョ

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category: 文芸

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: ロベルト・ボラーニョ  ラテンアメリカ文学   
2013/01/10 Thu. 23:01 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re:Deluxにはなりたくない(笑)

naoさん、こんばんは!

いや、『2666』は濃かった〜!
よくわからないけど、でも面白いんです。なんだろう? 語彙が貧困で言い表せない。
これに比べれば、ボリュームといい内容といい、『ソロモン〜』なんかはお茶漬けみたいなものですよ。
是非、本作の感想をnaoさんに伺いたかったな。
sそうですか、図書館の蔵書にないとな。駄目ですよね、こういう本こそ図書館は蔵書してくれなくちゃ。
『野生の探偵たち』は私も未読なので、読まなくちゃなぁと思っていたところ。
でもちょっとインターバルが必要かな(笑) 『野生〜』のほうが手強いと聞きますし。
ほったらかしにしている『逆光』もなんとかせねばならないし、『百年の孤独』も再読したい。ミステリーもじゃんじゃか出版されるだろうしで、超えなきゃいけない山がたくさん。
滑落しないように、気をつけねば!

しかし、何はともあれ、自分自身はDeluxになりたくないものです。。。

Spenth@ #- | URL | 2013/01/12 Sat. 06:33 * edit *

Spenth@Deluxe!


なんかわからんけれども凄そうな世界観(!?)を窺わせる大作ですなぁ。
「重厚長大」(!)・・Spenth@さんの読書傾向は今でもかなりな重量感(作品の質と量)があると思うのですが、まだその上をいかれますか・・。
(「ソロモンの偽証」イッキ読みできてしまうヒトだからなぁ・・)。
未読のままの『深い疵』『THE500』・・はやく読まないと置いてかれますな。

さて、ボラーニョの本作、当然田舎町の図書館は所蔵しているはずもなく、
しかし(なぜか)『野生の探偵たち』『通話』はあるのですよ、
なのでそちらの方を読んでみようと思います。
自分も今年は「重厚長大」・・とまではいきませんが、
バルザックの人間喜劇のシリーズの読破が目標です(たぶん無理・・弱音)。
明日の横ミス会、『喪失』をめぐる熱い展開を期待しております・・ではまた!

nao #6gL8X1vM | URL | 2013/01/11 Fri. 21:07 * edit *

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