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読書日記、ときどき食日記

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ロスマク読書会&祝ナダル全仏V8! 

そろそろここらでハードボイルドなんかもやってみようということで、6月の読書会はロス・マクドナルドの「さむけ」なのだ。

土曜日開催ということもあって、今回はなんと過去最高の参加人数23人!
ロスマクというせいもあってか、いつもより男性参加者も多かった。
なにせ大人数なので、グループ分けは必須だ
。今回はアキレス班と亀班の二つにわけられた。グループ名をアキレスと亀にしたのは、レティシアとブラッドショーの年齢差にひっかけたのだろうか?
進行は、通常通り最初の一時間はグループトークをして、休憩を挟んでまとめをするという流れである。(上の青字がアキレスで、下の赤字が亀のまとめ)
201368acilles.jpg
201368 turtle
私はアキレスだった。
ちょっと補足すると、ロスマクのこの「さむけ」の最大の特徴は、三つの殺人事件が最後の最後ひとつに収斂していく複雑なプロットにあるのだが、これに感服したという人と、複雑すぎてちょっとついていくのに大変だったという人に分かれた。
あとは、やはりエンタメ性が低く、物語の語りやリュウ・アーチャー自体のキャラも淡々としているため、感情移入できなかったという意見も。
ハードボイルドにしては"静"的だし、ハードボイルドなのに?お姉ちゃんとのそういうシーンもない。実は初期作品にはそういうのもなくはないのだとか。
また、『さむけ 』『ウィチャリー家の女』 のアーチャーからは想像できないが、当初ロスマクはチャンドラーの模倣をしていたらしい。
ロスマクが単なる模倣から、一皮むけた作家としての真価を発揮しだしたのは後期作品からで、アーチャーのイメージもそれとともに確立した感もあるのだろう。ロスマクフリークの方にいわせると、「そんなのは、俺の知ってるアーチャーじゃない!」というほどに違和感はあるらしいが(笑)

ロスマクの暗くて陰惨な世界観は、喩えるなら、よく裏庭なんかにある大きな石をひっくり返してみたら、ジメジメとしてムカデなんかが張り付いてたりする"あの感じ"なのだそうだ。これは言い得て妙で、エンタメ好みの人には、やっぱりちょっと暗くて重かっただろうか。
しかし、あの暗さと諦観が最後のサプライズ・エンディングを引き立て、チャンドラーを上回るといわれる筆致がいき、より文学的に仕上がりになっているのかもしれない。

それから、ロスマクのタイトルは『ギャルトン事件 』とか『ウィチャリー家の女 』とか割とその事件にかかる名称をまんまシンプルにもってきているものも多いが、この『さむけ 』だけは特殊で、ラスト一行がこのタイトルを決定づけている感がある。この原文ってどうなっているんだろうね?と話題になっていたのだが、参加者のお一人だった東京読書会の方が調べてくださった。
“No more guns for you,” I said. No more anything, Letitia.
読書会でも名訳と評されていた小笠原訳だが、ここだけは、私はまんま直訳っぽく訳したほうがより「さむけ」と共鳴したんじゃないかと思った。
皆さんはどうでだろうか?

実は、ちょうど前日に全仏オープンテニスの今年のハイライトである準決勝ジョコビッチVSナダルの試合があり、4時間37分という激闘をナダルが制したことで、血圧も上昇していた私。
なんかもう5分に一回くらいナダルの話をしていたような…

そして、この読書会の翌日がフェレールとの決勝だったわけだが、
ナダル、優勝しました〜〜〜〜!!!!



さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)
ロス・マクドナルド (著), 小笠原 豊樹 (翻訳)
早川書房 (1976/09)


詳細をみる



Ross MacDonald: A Biography
Tom Nolan
Scribner (2008/5/22)









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category: 読書会

thread: 本に関すること - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  ナダル  読書会 
2013/06/10 Mon. 20:25 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re: 私も直訳が・・

Hanyaさん〜!コメありがとう

うっほぉーナダル優勝しましたよ〜〜〜〜〜!!!!
これで一ヶ月くらい上機嫌でいられます(笑)


あ、この疑問はHanyaさんでしたか?!さすが!

まんまのほうが意味が通じやすいし、タイトルと共鳴するよね。
"あげるもの"ちゅーか、あげる対象を殺しちゃってるんだし。
この原文でシンプルに締めくくるほうが、かっちょいいと思うけどなぁ。

概して、小笠原訳は名訳といえるほどロスマクにぴったりの名文なんですけどねぇ...。
なんか私もラストのこの一文だけは「う〜ん?」という感じでした。


Spenth@ #- | URL | 2013/06/11 Tue. 18:32 * edit *

私も直訳が・・

こんにちはー。先日はお疲れ様でした!実に盛況でしたねー。

で、最後の1文。

何だかこの文がちょっとしっくりしないなーって思って、英語では何て言ってるんだろうって言及したの、ワタクシでした。「あげるもの」ってどーゆーこと?って思ったりしてたので。

この英文ならもう何もかも終わりだよって感じでしっくりしますし、英語らしい〆って感じがしますね。でも、私もこれは直訳が良いと思うなぁー。

〆をかっこ良くするのは確かにハードボイルドで必須なのでしょうねぇ。もう終わりとかもう何も(残って)ないよ、じゃ身も蓋もないんですかねぇ~(笑)。

同じ感想でいらしたので思わず書き込んじゃいました!お邪魔致しました。

ではでは、また~♪♪

p.s. ナダル優勝おめでとうございました!! w

Hanya #EBUSheBA | URL | 2013/06/11 Tue. 15:58 * edit *

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