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読書日記、ときどき食日記

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キング・オブ・クール / ドン・ウィンズロウ 

kings of coolやっぱりウィンズロウはいいなぁ!!!

本書は『野蛮なやつら 』の前日譚である。
私はこれを待っていた!
Amazonの星をみる限り、思ったほど日本受けしなかったらしいが、私はこれが大好きだった。
この危険な感じ、疾走感、スピード、グルーヴ感にヒリヒリ、ジリジリする感覚。やっぱりウィンズロウでなければ!!!


とにかく、Oことオフィーリアとチョン、ベンのイカした三人組『野蛮なやつら 』たった1作だけにとどめておくのはもったいなさ過ぎる。

訳者のあとがきによると、『野蛮なやつら 』の映画製作スタッフもそう思ったらしく、製作段階から既に"続編"の企画が持ち上がっていたそうだ。だが、ワケあって続編は難しい。というより不可能なのだ。ゆえに、トレヴィニアンの『シブミ』 の続編を書くにあたってとった手法を再び使ったということらしい。

ただ、前作のほうが刺激的な出来だったかな。この二作品には、まさに"麻薬"のような刺激と常習性があるが、最初の刺激にまさるものはない。

paku.jpgさて、本書がどれくらい前のお話なのかというのは、Oの継父が何号かでわかる。
『野蛮なやつら』では、亜米利加的金満美女のパクの夫は第6号だったが、本書では第4号。つまりそんなに前の話ではない。
チョンはイラクから戻ったばかりで、ベンが第三国でのボランティアに精を出す前のことだ。ところで、チョンにパク、なんだかお隣の国を想像してしまうが、全然全くかの国は関係ない。
パクというのは、Oが母親につけた渾名で、Passive Aggressive Queen of the Universeの略。そしてチョンの本名はジョンである。みんなアメリカ人である。
精神分析医を両親に持つ平和主義者のベンと、高校中退で特殊部隊で鍛えられた"凶状”持ちのチョンは、すでに大麻ビジネスで成功している。ベン&チョニーが扱うのは、チョンがアフガニスタンから持ち帰った"白い貴婦人”という極上の種子を何世代か掛け合わせ、成分を高めることに成功した極上品だ。上得意客の心をがっちりつかんでいるこの商売は、『野蛮なやつら』以前にも、実はちょっとした"トラブル”に巻き込まれていた…というわけなのだった。
そこには、Oやベン、チョンの親世代の因業が大きく関与している。
そして、パクの意外な生い立ちが描かれ、Oは自分の生物学的父親を探しだそうと奮闘するのだ。


『犬の力』 とこれらの物語は、しっかりと繋がっている。描き方こそ異なれど、テーマは同じだといっていいかもしれない。
因業は根深い。
麻薬をめぐる抗争が途切れることはない。いかに、金も若さも女も思いのままの"キング"でも、それはつかの間のことなのだ。

おなじみの悪徳DEA捜査官デニスに、バハカルテルの女帝エレナボビーZ(本物のほうだけど)に、あのフランキー・マシーンとゴージャスなフルキャストなので、ウィンズロウファンにはたまらない。
これを読んで、なつかしき『ボビーZの気怠く優雅な人生 』を開いたら、とまらなくなってしまった。


キング・オブ・クール (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ (著), 東江 一紀 (翻訳)
角川書店 (2013/8/24)

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category: クライム・警察・探偵・リーガル

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 映画化  角川書店  このミス  麻薬 
2013/10/01 Tue. 20:33 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re: お久しぶり!

アラフォー親爺さん、おひさしぶり〜!

おやじ→親爺にヴァージョンアップ?

いやぁ、実はフランキー・マシーンの出演は、ほんのちょっとなんですよ。ボビーZもだけど(笑)
なので、フランキーの世界よりももっと落ち着きはないかな...。
読むのなら『野蛮なやつら』からがオススメ。

『シンドロームE』は、そうなんですよ。ものすごくハリウッド的ですよね。
フランスものとは思えない。
『GATACA』もそれに負けず劣らずいいんですよ。
『GATACA』は私の今年のミステリベスト10に入ります。

『ショック・ドクトリン』面白そうですね!
「大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」かぁ。
知らなかったなぁ。この本の存在は。岩波もチェックしなきゃ駄目ですね。
これは是非読まなくちゃ!情報サンキュです。

では、では〜。

Spenth@ #- | URL | 2013/10/02 Wed. 09:10 * edit *

ご無沙汰してます。

ウィンズロウはファンなんだけど
『夜明けのパトロール』以降、読んでないな
フランキーマシンが出るんだったら、これは読まなきゃね

ところで、1年余り放置していた
『シンドロームE』をようやく読んだんですけど
これが実に面白い、フランス人もやるね
どちらかというとハリウッド的なんだよね

作中のCIAが行った実験『MKウルトラ』が知りたくて
今、ナオミ・クライン著『ショック・ドクトリン』読んでるんですけど
これは興味深い内容ですは
経済的ジェノサイト史みたいな感じですね
今、日本がこの当事者になってるような話
次はシンドロームの続編『GATACA』予定してるけど
これもおもしろそうだね

アラフォー親爺 #- | URL | 2013/10/02 Wed. 07:03 * edit *

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