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読書日記、ときどき食日記

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近づいてきた。村上春樹は今度こそノーベル賞がとれる? 

ノーベル賞の発表が近づいてきた!
今年もブックメーカーのオッズは、村上春樹が一番だ。現在のオッズは、春樹が3/1で、次がジョイス・キャロル・オーツ。3/1のオッズっていうのは、1ドル払うと、勝ったときに支払われるのは、3ドル+払った1ドルで4ドル儲かるということだ。分子が小さいほどオッズは低く儲けも少ない。

このオッズ、テニスのグランドスラムの優勝者予想は結構当たるのだが、ノーベル賞予想はそうでもないらしい。去年は、シードでもない中国の莫言にさらわれてしまった。

そもそも、ノーベル文学賞には言語という壁がある。英語で書かれたものとその他の言語で書かれた小説とを、全くフェアに評価することはできないから、明確に地域性が設けられている。今年はアジアからだそうとか、スペイン語圏からにしようとか、なんだかオリンピック候補地みたいである。
昨年は明らかにアジアだった。今年もう1回、アジアにくれるのか、また何年か待たないといけないのか…

タイムリーにも、先日横浜市立大学のエクステンション講座に『村上春樹はノーベル賞に価するのか?』というのがあったので、小雨の降る中行ってきた。

講師は春樹研究ではおなじみの助川幸逸郎氏だ。ついに最近、プレジデントでこつこつと連載してたものも本にしたらしい。
受講者は、春樹ものだと大抵は比較的若い女性が多いのだが、今回は年配の男性が多かった。小説を読むのは圧倒的に女性だとばかり思っていたけれど、そうでもないのかも。

講義の内容は、なぜ村上春樹は日本国内よりも海外での評価が高いのか?ということから彼のノーベル賞受賞の可能性までに言及した。

春樹の小説は、文学的にはスリップストリームに分類されるとされているという。
このスリップストリームという言葉は、89年にブルース・スターリングがジャンルとして定めたものなのだそうだ。
彼曰く "...this is a kind of writing which simply makes you feel very strange; the way that living in the twentieth century makes you feel, if you are a person of a certain sensibility."ーー これは、あなたをたちまちのうちに非常に奇妙な感覚に陥らせるタイプの作品だ。もしあなたがまともな感受性を持った人なら、20世紀の生活があなたを奇妙な感覚に陥らせるのと同様に」
このジャンルの作家には、錚々たる名前が並んでいる。ガルシア・マルケス、マーガレット・アトウッド、アリス・セボールド、ちょっと前に遡れば、F.カフカや安部公房も。
「オーストラリア移住後」のJ.M.クッツェーも、これだといっていいのだろうか。

日本では、春樹がどのジャンルに属する作家なのかはものすごく曖昧だ。けれども世界からみれば、ものすごい作家と同列に扱われているのがわかる。
ミステリ界をみてもそうだが、日本人は古いものに固執する傾向が強い。そのせいなのかどうなのか、日本人作家はスリップストリームの流れに乗りそこなった感がある。春樹を除いては。そして、これは今や文学界のトレンドなのだそうだ。

haruki.jpgところで、日本人作家でノーベル文学賞を受賞したのは、川端康成と大江健三郎の二人だけ。
でも実はこの二人は、谷崎潤一郎や三島由紀夫、安部公房といったもっと有力な候補が死んだために選ばれたという経緯があるのだという。
とりわけ安部公房は、その非リアリズムな手法が東西どちらの側にも高く評価された、最も有力な候補だったらしい。

そして今、ノーベル賞に推薦される日本人作家は、村上春樹くらいしかいない。
助川先生の予想は「いつか獲ると思うけど、残念ながら今回ではないのじゃないか」ということだった。私も今年はないような気が…
去年の莫言氏の受賞は何かとトラブルを招いたので、今年は素直に春樹にという可能性もあるが、アジアを避けることも考えられる。
もちろんとれたらこんなに嬉しいことはない。

もしも、今年また逃したら、アジアの番が廻ってくるのはまた数年先になるだろう。
そうなると、大切になってくるのは、とにかく長生きすることだ。
死じゃったら、もらえないから。
その点、春樹はマラソンもしていることだし、身体も丈夫そうで安心である。昔の小説家のように薬物も深酒も、自殺も心配ない。ご祝儀としてくれそうな2020年の東京オリンピックの時だって、まだ全然余裕で大丈夫だろう。

結局、人間、最後にものを言うのはやっぱり体力だったりするのだ!
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tag: ノーベル文学賞  村上春樹   
2013/10/06 Sun. 23:20 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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