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読書日記、ときどき食日記

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アリアドネの弾丸 / 海堂 尊 

この本が出たのは、確か昨年秋で、厚労省の村木さんのニュースで大騒ぎの時ではなかっただろうか?
あの担当検事は当然刑に処されるのだろうが、一人の無実の人間に冤罪を着せようとした罪は懲役にしてどれくらいのものなのだろうか。もちろん、彼、個人だけの責任ではないことは明らかだ。
ところで、日本の検察の有罪率は98%にものぼるという。これは、起訴されれば、すなわち有罪ということだ。一昔前までは、それは日本の司法の優秀さとして褒めそやされたことであるが、今日では全く笑えない冗談みたいである。

本書のテーマはまさにその警察(司法)への挑戦状といっていいと思う。
ずっと専門分野の医療ミステリを書いてきた著者だが、かねてからのAI(死後画像診断)導入というモチーフはそのままに、今回は警察という組織の闇に焦点を当ててきた。
著者のAI(死後画像診断)への一貫した思いも充分すぎるほど伝わってきて、本書で繰り広げられる警察の横やりもあながちフィクションではないのかもしれないなぁという気さえした。確かに、もしもAIの導入が確立してしまえば、死因究明は司法ではなく医師の主導になってしまうからなぁ…。


さて、登場人物の核をなすのは、ご存知、愚痴外来の担当医師にして、東城医大リスクマネジメント委員会委員長の田口公平医師と、厚生労働省のはぐれ技官・白鳥圭輔の二人である。
東城大がAI(死後画像診断)センターを立ち上げることになり、例によって田口先生が高階病院長に、センター長を押し付けられるところから物語は始まる。
そして、今度はなんとあの高階病院長が殺人犯にされてしまう。
被害者は元刑事局長で、コロンブスエッグと呼ばれる縦型MRIのそばで、左目を打ち抜かれて殺されていた。銃声に驚いた白鳥と田口が駆けつけると、高階院長が宇佐見警視に取り押さえられて気絶しており、その手には銃が握られていたのだ。
高階院長が起訴されるようなことになれば、エーアイセンターはおろか東城大はもはや一巻の終わりだ。
白鳥田口コンビは、絶対絶命のこのピンチをどう切り抜けるのだろうか…

いつもながらのトリッキーなミステリ。至る所に伏線がはられているので、鋭い人ならこのトリックも白鳥並に見破ることも可能かな?

この宇佐見警視のキャラがまたいいのだ。元々、海堂作品のキャラは漫画的で、いささか過剰すぎるくらいなのだが、この宇佐見警視、極端な斜視で、どこの地方がわからないほどの強い方言でしゃべるのだ。そしていきなり白鳥に絞め落としをかけたりもする。
他の登場人物も、これまでの海堂作品の脇役から主人公までそれこそ総動員という感じで、一体誰がどこででてきたのかさえもはや不明確だ。
海堂作品はその全てが繋がっているが、他の作品が未読でも充分に楽しめると思う。
まぁ、本書を手にとろうという人で、他のどの作品も未読という人は殆どいないだろうけども。


アリアドネの弾丸アリアドネの弾丸
(2010/09/10)
海堂 尊

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category: ミステリ/エンタメ(国内)

thread: 推理小説・ミステリー - janre: 本・雑誌

tag: 海堂尊  白鳥シリーズ  東城大 
2011/02/12 Sat. 09:46 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re: タイトルなし

お、zakさん、こんにちは。

> チームバチスタはドラマで楽しく見てました。(2も)

私も観てました!小説のほうを先に読んでいたのですがあれ以来すっかり田口のイメージは”ちびノリダー”に。
はまり役ですよね。


Spenth@ #- | URL | 2011/02/16 Wed. 14:32 * edit *

こんばんは!
チームバチスタはドラマで楽しく見てました。(2も)
海堂尊さん、とくダネ!にたまに
コメンテーターとして出てますね。

アリアドネの糸、図書館で捜してみます!

zak #- | URL | 2011/02/15 Tue. 19:59 * edit *

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