Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

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オー!ファーザー / 伊坂幸太郎 

本屋で待ち合わせをしていて、立ち読みし、結局買ってしまった本である。
伊坂作品は読みやすいので、これが立ち読みで結構読めたりもするのだが、私はそこまでずうずうしくないので…。

父親が4人いると子供はどうなるのか?本書は、そんなむちゃくちゃな設定の小説なのだ。

なにしろ、本書の主人公、由起夫の家は「母親と父親と俺の6人暮らし」なのだ。
これは由起夫が生まれたときからそうなのであって、つまりは母親は4人の男性と結婚し、生活をともにしているということだ。母親は結婚前4股をかけており、その4人の男性は誰も母親と別れることよりも、5人で暮らすことを選んだのだった。
由起夫の遺伝的父親は、この4人のうちの誰か一人なのだが、誰もDNA検査をしたがらないため、今でも誰なのかはわからない。そして父親たちは、誰もが自分であると信じている…。
そして、この4人は、それぞれに全く性格も職業も異なる男たちであるので、由起夫は4人それぞれの全く違った影響を受けて育った。
頭が良く博識な"悟"からは知性を、女にモテモテの"葵"からは女性の扱い方を、体育教師の”勲”からはバスケと格闘術を、ギャンブラーの”鷹”からは...なんだろう?実はこれが一番大切だったりして?

ストーリーはこの伊坂独特の設定とキャラというお得意のフィールドのなかで、トラブルが起き、それぞれのキャラの特性を活かして解決し、大団円で終わるというものである。

この終わり方は、「本格ミステリ宣言!」などしたアノ人がよくやったような「周到に伏線をはりめぐらし~」的でもあるので、ミステリとして楽しむこともできる。

が、しかし本書の良さはやっぱり「軽やかさ」だと思う。これほど「草食的な作家」も珍しいのではないか。
くどさがないから、何個でも食べられるという感じ。
若い人からの絶大な人気の秘訣は、このあたりにあるのかな?

これ、絶対ドラマ化されるだろうな。家族ドラマにぴったりだもの。
4人の父親を持つことになった由起夫も大変だが、なんといっても一番スゴいのは4股かけた挙げ句、4人全員と結婚した母親で、本書では終始留守がちなこの母親のストーリーも是非読んでみたいものだと思う。
多恵子といい、由起夫の母親といい、まさに女は強しなのである。


オー!ファーザーオー!ファーザー
(2010/03)
伊坂 幸太郎

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category: 文芸

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 伊坂幸太郎  第1期  家族愛 
2011/02/14 Mon. 14:26 [edit]   TB: 1 | CM: 4

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この記事に対するコメント

Re: タイトルなし

ありがとうござういます。

Spenth@ #- | URL | 2011/02/19 Sat. 16:27 * edit *

こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

藍色 #- | URL | 2011/02/19 Sat. 01:53 * edit *

Re: 語り口の軽妙!

お、naoさん、
こんばんは。お久しぶりですね。
風邪が流行っているようですし、また関東も雪らしいですから naoさんもお気をつけくださいませ。

> 第一期と二期を比べても、さほど作品の味に変化はないようにも思うのですが・・どうなのかなぁ。
第二期は...
幾分、伊坂氏的にテーマを重めに持ってきているような気がしますがどうでしょう?

> ただ「あるキング」で試みたような神話の手法(?)は、
> それまでのファンにはそっぽ向かれてしまったようですが、
> 自分は割合買っているのです。

うーん。これはご想像通り個人的には微妙ですかねぇ。
伊坂氏は伊坂氏のままで充分だと私は思っていますので、敢えて「挑戦」しなくていいと思うのですけれど。
きっと氏の目指す方向性というのは、もっと時間をかけて定まるものであるという気もするのです。
それまでは、得意なフィールドで書き散らかすくらいでもいいと思うのですが...。

Spenth@ #- | URL | 2011/02/14 Mon. 21:59 * edit *

語り口の軽妙!

伊坂第二期のものでは「バイバイブラックバード」などもよかったなぁ・・とはいえ、
第一期と二期を比べても、さほど作品の味に変化はないようにも思うのですが・・どうなのかなぁ。
ただ「あるキング」で試みたような神話の手法(?)は、
それまでのファンにはそっぽ向かれてしまったようですが、
自分は割合買っているのです。
(あの作品では大成功しているとは言いがたいですけれども・・)。
あの作風をもっとおしすすめたなら、どんな作品が現れた・読めただろうか・・と思います。
やっぱり不評かなぁ・・(Spenth@さんの首を傾げて苦笑しているであろう姿、頭をよぎりますが・・)。
というのも、そのためには伊坂の持ち味である、
あの魅力ある「軽やかさ」を、
手ばなさなければいけなくなるだろうし・・。

「オー!ファーザー」の牛蒡のエピソード、笑えました。
(おっ・・チョコいただき!
お返しはこれからの拙いコメントの投稿でお許しを・・
風邪からはもう恢復されましたか?)

nao #- | URL | 2011/02/14 Mon. 16:47 * edit *

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