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読書日記、ときどき食日記

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闇の記憶 / ウィリアム・K・クルーガー 

全仏オープンが始まった!
2日目にして早くも雨サス。ジョコの試合も二回くらい中断。
その間ボールボーイと相合い傘したり、ジュースでカンパイしたり。ジョコ余裕すぎ…

ところで、ナダルはNo.1シードで昨年の優勝者なのに、なぜセンターコートを追い出されてるの?




それはさておき、ついに
ウィリアム・K・クルーガーがエドガー賞に輝いた。
あのトマス・H・クックやイアン・ランキンといった大御所を抑えての価値ある受賞だ。

受賞作の『ORDINARY GRACE』はこの秋に早川書房から刊行予定なのだそうだ。

なぜかエドガー賞受賞作は、決まって早川から出ることになっているらしいけど
これは講談社から出して欲しかったなぁ
講談社文庫とポケミスとでは1,000円くらい違ってくるのだ…
これが大きいんだわ(笑)


william kent kruegerとりあえずクルーガーを読んだことがなかったので、Amaで探してポチったのが本書『闇の記憶 』である。
この本はコーク・オコナーを主人公にした人気のハードボイルドシリーズで、実は第5作目。人気だけでなく評価も高く、アンソニー賞も受賞している。
どうせなら1作目のアンソニー賞とバリー賞をダブル受賞したという『凍りつく心臓』を、と思ったのだが、既に絶版で入手できなかった。(図書館か古本なら大丈夫かも)



さて、本書の主人公は先住民族のオジブワの血をひくコーコラン(コーク)・オコナーである。
彼はシカゴ市警を経て、生まれ故郷のミネソタ州の田舎町オーロラで保安官をしている。一旦は保安官の職を辞し、のんびりとハンバーガー店の店主をしていたのだが、委員会に頼まれて三ヶ月前に復帰したばかりだった。

ある時、オコナーは家庭内暴力の通報を受け、保安官助手のマーシャとともにインディアン保留地に向かう。ところが、その家について車から降りようとした時、マーシャが何者かに狙撃されてしまう。通報したきたティボドー夫妻は昔から諍いが耐えなかった。しかし、いつもは小柄な夫のイーライのほうが保護を求めて通報してくるのに、この日に限っては妻からの通報だった。
ほどなく帰宅した夫婦はそんな通報はしていないという。何者かがティボドー婦人に成り済ましオコナーに罠を仕掛けたのだ。女性にしては大柄なマーシャは、彼と間違えられて撃たれた可能性が高かった。しかし、一体誰が何のために…?

息をつく暇もなく、凄惨な殺人事件が起こる。被害者は、エディ・ジャコビ。オコナーの妻ジョーの仕事相手だった。何カ所も刺された挙げ句に去勢されており、太腿と陰部は血のバケツをひっくり返したような有様だった。エディ・ジャコビはインディアン保留地のカジノと契約を結ぼうとしており、弁護士のジョーは保留地側の代理人をつとめていたのだ。エディには女性に暴力をふるう癖があったが、それが原因で誰かの恨みを買ったのだろうか?

ジャコビ家はシカゴでも有数の資産家だった。そして、エディの異母兄のベンはジョーと過去に付き合いがあったらしい。
ろくでなしの次男エディを溺愛していた父、ルイス・ジャコビは、捜査を監視させるため女性セキュリティコンサルタントのダイナをオーロラの町に送り込む。
そんな矢先、オコナー家の車に爆弾が仕掛けられているのが見つかる。もはやオコナーだけの問題ではなくなっていた。家族の安全のため、オコナーはシカゴにいるジョーの妹夫妻のもとへ妻子を避難させるのだが…



falls.jpgクルーガーの作品はどれも質が高くハズレがないと言われているが、本書も期待を裏切ることはない。
ミスディレクションが張り巡らされた緻密なプロットに、ミネソタの雄大な自然そのものをあらわすようなオコナーというキャラクターは何とも魅力的だ。
彼は、オジブワの血をひいている白人であるため、白人とオブジワ族双方から敵視されるという複雑な立ち位置にいる。そして、男としてー父親、夫、保安官としてとにかくベストを尽くす、というポリシーを持っているのだ。

そんなオコナーとジョーをめぐり対照的に描かれているのがベン・ジャコビである。「愛からは遠ざかることができるが、家族はそうはいかない」といったベンはこの物語で最も不幸な人物で、強く印象に残る。

実はこの小説はこれ一作で完結しない。この物語はこの後『希望の記憶』 に繋がっていき、そこでまた新たな事件が起こるらしい。対をなしているかのようなこれらの二冊は上下巻的位置づけでもあり、同時に別ののエピソードでもあるわけだ。

本書のラストで我らがコーク・オコナーは絶対絶命の窮地に立たされるのだが、どうなるのかは次回へと持ち越される。この種のミステリには禁じ手といっていいやり方には賛否あるだろう。
けれども物語が余韻を残し後をひくため、次回作に対する期待もより高まるのだ。



闇の記憶 (講談社文庫)

ウィリアム・K.クルーガー (著), 野口 百合子 (翻訳)
講談社 (2011/6/15)





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category: スパイ・冒険・ハードボイルド

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: エドガー賞  クルーガー  ハードボイルド 
2014/05/27 Tue. 16:22 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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