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読書日記、ときどき食日記

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約束の道 / ワイリー・キャッシュ 

2012年のCWA賞作家の第二作目。
アマゾンでの評価が高かったこともあって読んでみたのだが、…私的にはイマイチ…

darkroadmercyhc.jpg一言でいうと”父と娘の絆の物語”である。

主人公は、イースターという少女。母親が薬物の過剰摂取で亡くなったために、妹のルビーとともに施設で暮らしている。そんな姉妹の元に父親のウェイドが尋ねてくる。亡くなった母親からは、ウェイドは負け犬だと聞いていた。"父さん"とか"パパ”と呼ばれるいふさわしいことを、ウェイドはしたためしがなく、そのためイースターは彼のことを"ウェイド”と呼んでいる。そのウェイドは、母が亡くなったことを聞いて自分たちに会いにやってきたのだ。
「手遅れかもしれないが、おれにはお前たちしかいないんだ」ウェイドはそういうが、彼は数年前に親権を放棄していたのだ。彼にイースターたちに会う法的権利はなかった。
身勝手なウィエドに反発するイースターだったが、ある夜、施設の部屋に忍び込んできたウィエドに、妹とともに付いていく決心をする。イースターには、妹と一緒にウェイドに付いていくことが、安全でいられる唯一の方法のように思えたのだった。
姉妹の後見人で元刑事のブレイディは、すぐさま彼女たちの行方を探すのだが、彼らを探しているのはブレイディだけではなかった。
ウェイドは「負け犬」なだけではなく「泥棒」でもあったのだ…


  
wiley cashミステリでもないし、サスペンスでもない。強いていうならドラマ系だろうか。
ところどころ、ジーンとさせるシーンはあれど、どこかで観たり読んだりしたようなもののような気がして、別段、目新しいものを感じなかった。ただ、こういう物語は好きな人はものすごく好きなんだろうなぁ…

イースター、ブレイディ、プルーイットの視点から物語が語られていくのだが、主体の交代に伴い、「私」が、例えばイースターからブレイディへと変化するのにちょっとした違和感を感じてしまった。13歳の少女も、中年の後見人も、凶悪な男も皆「私」なのだ。前のページまでの「私」はイースターなのに、次の章の「私」はブレイディだったりする。
語り部が変わるので当然といえば当然だが、なにか妙な感じでそれに慣れるのに少し時間がかかった。どういう効果を狙ったものなのかはわからないが、男性二人は三人称で書かれていたほうがわかりやすかったのではないか。

このワイリー・キャッシュという作家は、アメリカ南部出身で現在も妻とノース・カロライナに住んでいることから、南部の土地とそこに住む人々を繊細な筆致で書き出すことで注目されているという。
でも、正直私はそれほどの南部らしさを感じることはできなかった。強いていえば、プア・ホワイトと薬物くらいだろうか。それと野球かな。
南部色といえば『あの夏、エデン・ロードで』のほうが濃かったと思う。

どうせなら、CWA受賞作のほうを読みたかったかな。



>約束の道 (ハヤカワ・ミステリ文庫)<
/a>

ワイリー・キャッシュ (著), 友廣 純 (翻訳)
早川書房 (2014/5/9)






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category: 歴史・大河・ドラマ

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 早川書房 
2014/08/07 Thu. 21:43 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re: 人称

通りすがりさま

コメントありがとうございます。
最近過疎っていたので嬉しいです。

「人称問題」は…ちゃんと翻訳の方が書き分けてくださってたんですね!
私はこの本、全然好みじゃないせいもあって読み過ごしてましたよ。
こういうの、好きな人はとことんお好きなのでしょうねぇ…。

Spenth@ #N6kp4qTg | URL | 2014/08/18 Mon. 20:32 * edit *

人称

こんにちは。いつも面白い感想ありがとうございます。
私も「約束の道」読みました。
プロットが結構凝っているなと感じました。

それでイースター、ブレイディ、プルーイットの人称表現ですが、読み返したところ
イースター「わたし」
ブレイディ「私」
プルーイット「おれ」
となっていました。なので私としては結構繊細に訳されているのだなぁと感心していた部分でもありましたので、コメントさせていただきました。

これからも翻訳物の紹介よろしくお願いします!

通りすがり #X.Av9vec | URL | 2014/08/18 Mon. 19:29 * edit *

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