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読書日記、ときどき食日記

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闇に浮かぶ絵 / ロバート・ゴダード 

まずは錦織君、準優勝おめでと〜
”銀の皿”でもユニクロウェアはバカ売れで、Wowow加入者激増でウハウハ、関連株で儲けた人も。修造に至っては応援ではりきりすぎて腰を痛めたとか。まぁ大変な騒ぎですわ。
フェデジョコ敗退のせいかアーサーアッシュは空席も目立ってたけど、日本経済は潤ったのかな。

painting the darknessさてさて、江戸川乱歩賞受賞作が本書のパクリじゃないかというので読んでみたのけど、
やっぱりゴダードはイイ!
複雑な、たたみかけるかのようなプロットと意外性のある展開。"過去の因縁が復讐する"というゴダードお得意のスキームなのだが、これがまたさすが。ダークでありながらどこか優美な雰囲気もまさにゴダード。こういうのは真似しようと思ってできるものでもないだろうな。上下巻を一気に読んでしまった。

舞台は19世紀のロンドン。一人の男が突然トレンチャードを尋ねてくるところから物語は始まる。黒いシルクハットにフロックコート、銀のステッキといった上品な身なりのその男は、自分はトレンチャードの妻コンスタンスと11年前結婚する約束をしていたジェイムズ・ダヴェノールだと名乗る。
コンスタンスは、確かに11年前准男爵の長男ジェイムズと婚約していた。が、結婚を目前にしてジェイムズは自殺をほのめかす手紙を残し失踪してしまったのだ。トレンチャードは悲嘆にくれるコンスタンスを支え、二人は結婚したのだった。
ジェイムズを名乗る男は、元婚約者のコンスタンスに自分をジェイムズ・ダヴェノール本人であると支持して欲しいという。准男爵の未亡人と爵位を継いだ次男のヒューゴーは彼を偽物だとして拒絶しているのだ。
コンスタンスは動揺し、トレンチャードは幸福な結婚生活を揺るがしつつあるこの男に強い憎悪を抱く。
だが、その男は、あまりに多くの、ジェイムズ・ダヴェノール本人でなければ知り得ないことを知っていた。彼は関係者を「不安にさせるほど完璧」だった…。
やがて彼は、ダヴェノール准男爵家の莫大な財産の継承権を求め訴えを起こすのだが…。

Tichibone.jpg本書の下敷きになっているのは19世紀、実際に起きたティチボーン訴訟事件である。1854年、ロジャー・ティチボーンが太平洋上で遭難し、死亡認定がされたが、1866年になってから自分こそがティチボーンであり、准男爵家の莫大な財産の継承者であると訴えでた事件である。実際起こったこの事件では、息子を溺愛していた母親は”帰って来た息子”を本人だと信じるのだが、当然知っていなければならないはずのことを知らないということが多く、その正体は肉屋のオートンであることが暴かれる。

だが、ゴダードはそこにダヴェノール家の忌まわしい血の歴史を混ぜ込み、一筋縄ではいかないミステリに仕立てた。
ティチボーンの母親にように、彼を愛していた人間ほど、彼に生きていてほしいと願うもので、願望は人に見たいものを見せる。だが、ジェイムズの母レディ・ダヴェノールは頑として彼を認めようとしない。それはなぜなのか? 彼は本当は何者なのか?
人々の不安と疑惑は膨らむ中、やがて忌まわしい家族の過去が浮かび上がってくる…。

タイトルも秀逸。このダークで物悲しい物語をこれ以上なくあらわしていると思う。
翻弄される人々の造形と、ストーリー・テーリングの巧さに唸らされる。



闇に浮かぶ絵〈上〉 (文春文庫)
闇に浮かぶ絵〈下〉 (文春文庫)


ロバート ゴダード (著), 加地 美知子 (翻訳)
文藝春秋 (1998/02)




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category: 歴史・大河・ドラマ

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  英国 
2014/09/10 Wed. 20:39 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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