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読書日記、ときどき食日記

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真山仁10『売国』トークショーに行ってきた! 

『ハゲタカ』真山仁さんのトークショー&サイン会に行ってきた!
なんと、今年でデビュー10周年なのだそうだ。
てっきりもっとベテランだとばかり・・・

場所は八重洲ブックセンター8Fホール
昨年言った『極北』トークショーのときは、女性ばっかりだったけど、今回はほぼ中年男性!
八重洲ブックセンターという会場にふさわしくビジネスマンがメインだった。

   lHFuumz9-mosaic.jpg
   20141201.jpg
真山センセ、八重洲ブックセンターの担当者の方、有り難うございます
今度から東京駅に用があるときは、八重洲ブックセンターで本買います


えーとまずは、10周年の区切りとなる作品『売国』の裏話から。
この作品は、週刊文春で連載していたものの単行本化だけど、かなり加筆修正をしているので連載時とは違う作品に仕上がっているそうですよ。

◆ 東京地検特捜部
まず、今回は「東京地検特捜部」を是非やりたいと思っていたのだそうだ。
しかし、如何せん「特捜」はガードが堅く簡単には取材に応じてくれない。
週刊文春を通じて申し込んだのが悪かった(笑)のか、
結局見学すらさせてもらえなかったとか。
そこで、ヤメ検で特捜を経験したことのある人を個別に取材したそうなのだが、これが、時代によって手続きとかも変わっているので苦労したという。
テレビドラマなどでは、結構簡単に大臣を呼んだりしているが、実際はまず官庁に門前払いをくらい、その後後侃々諤々の議論をして、首も覚悟の上で呼ぶのだそうだ。
いわば、権力と権力の衝突だが、その際、最も大切なのは当たり前だが、「充分な裏付け」だという。
でも、その割に、尋問の記録を一切残さないという昔の特高のような面もあるらしい。

次にその特捜に誰を逮捕させるかで随分悩んだという。
固有名詞は使えないし、でもインパクトのある人でなくてはならない。
アメリカ大統領とか、国連総長とか、色々考えた挙げ句、思いついたのが、「固有名詞がでてこなくても充分インパクトの感じられるもの」だという。
読んでみると、割とこれは漠然としててかえって良かったのかもという感じ。

◆ 宇宙開発
物語のテーマはタイトルの通りずばり『売国』で、「悪い集団がいて、日本が大事にしている技術を売ろうとしている」というものにしようと考えていたそうだが、では、その日本が誇る技術とはどういうものか?
最初は飛行機にしようかとも思ったそうなのだが、航空産業ではこの構図が当てはまらない。
そこで、出て来たのが「宇宙」だったという。
たまたま事務所の調査スタッフの東大生が、宇宙オタクだったことも幸いしたようだ。



この「宇宙開発」に対するイメージは、本書を読むとガラっと変わると思う。
「はやぶさ」などは確かに夢はあるが、反面私も「金食い虫」というイメージを持っていた。
それに、「はやぶさ」とかよりも、若田さんなど宇宙飛行士を載せてNASAが大々的に打ち上げられるロケットのほうが華やかで格好いい。なんで日本は有人やらないのかと思っていた。
そもそも、ロケットには、NASAが打ち上げるような液体燃料を使用する大型の有人ロケットと、「はやぶさ」などに代表される固形燃料の小型の無人探査機がある。日本が凄いのは後者の固形燃料のほうで、その軌道の正確性は鹿児島で打ち上げてブラジルの蝶蝶を打ち抜けるほどなんだとか。さすがは日本!
これだけだと、日本ってやっぱり凄いよね、で終わってしまうのだが、問題なのは、この技術が核ミサイルに使えるということだ。
日本にはそもそも核がないんだから関係ないと思いがちだが、実は六ヶ所村には8,000本のプルトニウムが眠っている。半導体技術だってある。メイドインジャパンの核ミサイルを作るのは割と簡単。
そうすると、お話は全く違ってくる。
特に米国は喉から手がでるほど日本の技術が欲しいだろうし、日本はずばり脅威になりうる。
私たちは日本は絶対戦争なんてしないと思っているが、そう思っているのは世界中で日本だけなのだそうだ。
そんなに警戒しなくてもしないと思うけどね。そういう理屈は通用しないらしい。

この宇宙開発の話と特捜部が、実はなかなか繋がらなかったのだという。
連載していた時も、かなり長い間平行線状態で、編集さんからいつ繋がるんですか?と言われたそうだが、
かなり加筆修正を加えたという単行本でも繋がるのはかなり後半になってから。
私もアマゾンであらすじを読んで、なんで「特捜部と宇宙」なの?と不思議に思っていた。
でも、面白いんですよ、これが。

◆ 10年を経て
最後に、10年たって変わったことと変わってないことについて。
変わった部分は、ずばり「ページ数が減った」ことなのだそうだ。
もしもデビュー当時『売国』を書いていたとしたら、上中下巻になっていたかもしれないとかww
作家になって時間を経るごとに、全てを書かないことの面白さを実感するようになったという。
本書はそういう本である。終わり方もまさにそうでそれに納得できない方もいるかもしれない。
私もこの「秘すれば花」的な考え方が好きである。
例の『ゴーストマン』だって、馬鹿でもかわるように仕上げてあるハリウッド映画みたいに、全部が懇切丁寧に書いてあったら今年のベストに挙げたりはしなかったと思う。
書かなくても、ちゃんと読者には伝わるし、説明が少なければ少ないなりに補完しながら読み、想像もまた膨らむのだ。
それが小説を読むということの醍醐味だとも思う。
反面、キングみたいに丁寧に進んでいくやたらと長〜〜〜い小説も好きなんだけども。。。

変わらない部分は、強い正義感を持つ強い男と、女が描けないことなのだそう。
何があろうとも、恋愛小説と官能小説はゼッタイ書かないと言い切っていらっしゃった。
会場が、ほぼ男性だったのはそういうことも関係している?

読者には喜んでもらいたいが、喜ばせるために書くことはしない。」
「伝えたいメッセージを小説にしていきたい。」

と言われたいたのが印象的だった。


ところで、上のサイン本と投げ込みチラシの写真がどこかオカシイのにお気づきだろうか?
そう、本は文藝春秋社のものだが、チラシは角川のものなのだ。
これは10周年ということで特別なことやろうと、出版社9社が合同で企画したものなのだそうだ。
文春の『売国』に、今月25日に角川から刊行される『ダブルギアリング 連鎖破綻 』の投げ込みを入れ、角川の本には1月に幻冬社から出る本のチラシというふうに。
幻冬社のは一人称のハードボイルドに挑戦しており、なぜハードボイルド作家が尊敬されるのかよ〜くわかったそうだ。ハードボイルドも楽しみ!


『売国』</strong>

真山 仁 (著)
文藝春秋 (2014/10/30)


Kindkle版はこちら→ 売国



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category: 雑談その他

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

2014/12/01 Mon. 16:07 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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