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読書日記、ときどき食日記

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もう年はとれない / ダニエル・フリードマン 

東京創元社さんからいただいた本。その節はありがとうございました!
dniel friedmanさて、「もう年はとれない」
って、私もそうなんだけど…
もうこれ以上困ったことになるのはカンベンなんだけど…
本書の主人公はもっと切実。なんと86歳(
しかも本書でまたひとつ年をとる)なのである!

そしてさらに驚くことに、
フリードマンさんはなんとあと4作品くらい書くつもりらしい。
主人公のじいちゃん、90超えちゃうんですけど……(汗)

次作からは絶対自分で買わせていただきます。
だってこれ、超〜〜〜〜面白いんだもの。
さすがは桑野さん!

『ハリー・クバート』と並ぶ今年の東京創元の目玉だと思う。
2013年のエドガー長編処女賞ノミネートか…。
ええっ?『ルクセンブルグの迷宮』よか断然こっちでしょうよ〜!

357 SW Magnumさて、主人公はバック(バルーク)・シャッツ。ユダヤ人でナチの捕虜収容所の生き残りの元警官だ。御年86歳。
そんなバックが軍隊時代からの知り合いの見舞いに赴くところから、物語ははじまる。
ジム・ウォルシュはICUで死にかけていた。その彼が死ぬ前に是非バックに言いたいことがあるという。
どうせ葬儀でたっぷり会えるさと思いつつ病院にいったバックだったが、ジムは思いもかけないことを言い残してこの世を去ってしまう。
「ジーグラーを見た。」彼はそう言ったのだ。
ハインリヒ・ジーグラーはナチのSSだった。バックがいた捕虜収容所の責任者で数多の同胞を虐待して殺し、バックに瀕死の重傷を負わせた。バックの背中には盛り上がった傷跡がある。
ジムはジーグラーを目撃しただけでなく、ドイツの検問所を通してやったと告白したのだ。ジムは金の延べ棒すなわち賄賂に負けたのだ。ジーグラーのベンツは後部が重そうにたわんでいたという。
しかし、今更ジーグラーが生きているかもしれないと知ったところでどうなるというのか。バックは確かに30年間警官だったが、退職したのは35年も昔のことだ。
軽度の認識障害もあるし、耳も遠い。耳の穴にはゴワゴワとした毛も生えているのだ。おまけに昨今のIT技術にもとんと疎い。だが、孫のテキーラ(ビリー)はこの話に食いつく。おまけに、死んだジムの娘婿やジムの葬式をした牧師までもが金塊の話を知っていて、一枚かませろとバックをせっつく。
テキーラの調べで、ジーグラーがまだ生きていてセントルイスの老人ホームにいることが判明するが、周囲では次々に血なまぐさい殺人事件が起きていた……。

Lucky Strikeもうなんといっても
バック・シャッツというキャラがいい。

三行に一回ペースの悪態、◯◯すべきでなかったという後悔…
『ストリート・キッズ 』ニール・ケアリーを超ジジイ化して、タフガイにしたらこんな感じだろうか。

そんなバックがとにかくカッコいいのだ。
面白いから気難しく暮らしていて、これまで会った最高の女と結婚したといって憚らない。
女性ファンも多く獲得したことだろう。
あとがきでは訳者の野口百合子さんも開口一番に「こんなかっこいいジジイになりたい!」とおっしゃっている。
いや、さすがに女性がジジイになるのは難しいんじゃないの?と思ったら、

野口百合子さんって

オトコ?!

というのは、私の勘違いでした・・・。スミマセン。


しかし、私もバック・シャッツの年まで生きられるのであれば、是非彼のようでありたいと願う。ま、悪態をつくイヤミなところは今でも充分真似可能だろう。

ユダヤ人とナチという「あ〜またソレね」的なテーマなのだが、全く異なる魅せ方で魅せてくれているのも好感が持てた。でもナチものならではの重さもウェット感もないわけではない。
とにかく老人力というか、意表をつく爆発力がある。それに割と本格的なフーダニットが絶妙に組合わさっているのだ。これなんで

またひとつ年をとったといって、含み損がでているからといってそれが何なんだ?という気分にしてくれる一冊。(どうやら例の株は窮地を脱したみたいだけども)
ヨコミスの締め切りの前に読んでいたら、これが2位か3位だったかも!


もう年はとれない (創元推理文庫)

ダニエル・フリードマン (著), 野口 百合子 (翻訳)
東京創元社 (2014/8/21)









ジジイものといえば、コレ↓も面白かったけど、なぜかあまり話題にならなかった非常にモッタイナイ作品。
続編も出てるみたいだから読んでみようかな。

ぼくを忘れたスパイ〈上〉 (新潮文庫)
ぼくを忘れたスパイ〈下〉 (新潮文庫)



キース トムスン (著), 熊谷 千寿 (翻訳)
新潮社 (2010/9/29)






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category: スパイ・冒険・ハードボイルド

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  東京創元  MWA   
2014/12/10 Wed. 14:36 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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