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読書日記、ときどき食日記

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2312 太陽系動乱 / キム・スタンリー・ロビンソン 

ふぉッ、ふぉッ、ふぉッ!
なんか妙な笑いがでちゃうわ〜〜〜

夫、インフルでダウン…
なので私は一人で粛々と大掃除をし、合間に病院に連れて行き、オットの分の年賀状を刷り(←今頃???)買い物も済ませた。
ようやくのことで一段落し、我が唯一の含み損の株をみてみると、
暴騰してるぅ〜〜〜〜!!!
購入単価は約590円だというのに、買ってすぐに連続S安のナイアガラが続き、気がつくと370円にまで下がってしまっていた。この時点で長期覚悟の塩漬けの決定…。
さすがに年内は無理だろうと思っていたけど、なんとなんと土壇場で復活した!もちろん今度は利確しましたとも。
その反動なのか誰かさんのインフルがうつったのか、なんか熱があるんだけど、そんなことはどうでもいいや。
損切りしなくてよかったぁ〜〜〜!



2312 太陽系動乱〈上〉 (創元SF文庫)
2312 太陽系動乱〈下〉 (創元SF文庫)

キム・スタンリー・ロビンスン (著), 金子 浩 (翻訳)
東京創元社 (2014/9/20)





さて、本書は「あたぽん」のビブリオバトル頂上決戦で名古屋読書会の方が紹介してくださった本。(あ、「あたぽん」というのは、今年の秋に行われた熱海でポン!という名の名古屋、横浜、千葉読書会の合同合宿のことです)
舞台ではその方は既に泥酔状態だったため、どんな話なのかはさっぱりだったけど、ずっと読みたいと思っていた。いただいた本も含め積読本は何冊も溜まっているけど、これは年内になんとか間に合ったな。
タイトルからわかる通り、未来が舞台のバリバリのSF。著者はネビュラ賞などの常連さんで、本書で3度目のネビュラ賞を獲得している。

2312 01昨日だったか、ビートたけしの番組に17年間火星で暮らしていた!というキャプテン・Kという人が出ていたが、作品中の24世紀、人類はその生活範囲を太陽系にまで拡大している。
2014年の今現在も地球は人口爆発や環境破壊を引き起こしているが、近未来、人類はそれらの問題に対処すべく宇宙へと飛び出したのだ。長寿化技術とテラフォーミング技術の進歩によって、まずは火星、続いて水星、木星、土星への入植がすすんだ。大量に移民した人々は、わずか二世代で複数言語共同へと融合を遂げ、地球や他の星とは異なる独自の政治体として確立していった。
スペーサーと呼ばれる彼らが豊かな生活を満喫する一方で、地球は相変わらず100億人という人口に苦しみそのうちの30億人は日々の食料にさえ事欠き、段ボールで寝起きするという悲惨な生活を強いられている。革新的技術を享受し、発展を続けているスペーサーたちと地球人との間には深刻な政治的対立が生じていた。
そんな時、水星の大物政治家アレックスが急死する。アレックスは、水星木星土星の連合で、地球との関係改善のための"モンドラゴン協約”のリーダーでもあった。
惑星間警察の捜査官ジュネットと土星連盟の外交官ワーラムはアレックスの孫娘スワンを訪問する。アレックスは191歳だった。長寿化が進んだ時代にあっても高齢だ。彼らが訪問したのは、そんなアレックスが孫娘のスワンに何か遺言のようなものを残していないかを尋ねるためだった。
果たしてスワンはアレックスの遺言を見つける。スワンはキューブと呼ばれるAIを頭に埋め込んでいたが、アレックスはキューブに殊の外注意を払っていた。アレックスはスワンに封筒を木星の衛生イオのワンという人物に届けてほしいと残していた。
イオに赴き、地球を経て戻ってきたスワンは、水星の周囲を周回する移動都市ターミネーターで、土星連合の大使ワーラムとともに隕石の衝突に巻き込まれてしまう。
スワンとワーラムは辛くも命をとりとめるが、ターミネーターは壊滅状態。しかもそれはキューブによる偶然を装ったテロと疑われたのだった…!

これね、「あたぽん」のビブリオでは、
水星のテロというアクシデントに絡む一種の推理小説で、そのサイドストーリーとして女っぽい人と男っぽい人がムフムフなるというものと聞いていたのだが、なんとその通りなのである。
女っぽい人、男っぽい人というのは、ご想像の通りの両性具有。未来では特にスペーサーと呼ばれる人々はその多くが、長寿化とともに両性化の処置を受けている。
なので、アレックスの孫娘スワンもワーラムも両方持ってる。しかし、ロマンスかというとこれがかなり微妙。スワンはまぁ中国系のすらっとした美形らしいが、ワーラムはヒキガエルのような容姿だし、少々お下品なお話をすれば、「2つの鍵に2つの鍵穴」なんだもん…。ロマンチックを感じるのは難しい。
おまけにスワンもワーラムも共に100歳を超えており、お互い生物的に父親と母親の両方の経験さえある…。
kim stanley robinsonだが、本書の良さは、なんといっても太陽系に人類が生息範囲を伸ばしているという設定と現在の科学技術と齟齬ないそのディテールにあると思う。
まず中国が率先して太陽系に入植するかもしれないというのは、今から想像してもリアリティたっぷりだし、人々は長寿化処置を行うだろう。地球が今と相も変わらず人口過剰と環境破壊に苦しんでいるというのも想像にかたくない。
キューブ(AI)を埋め込んだ精密なロボットと、あれやこれや人口的な処置を施した人間の違いとは、一体何なのかも考えさせられた。
本書には、スワンやワーラムのストーリーのなかに「リスト」や「抜粋」と題された章が差し挟まれるという面白い構成になっている。「リスト」や「抜粋」は、作品内世界の数多の文献を引用することで、作品内で使用されている技術や歴史を解説するという役割を担っている。
これは解説者の方が指摘されているように、物語部分と説明部分を全く分けてしまうことで、SFの弱点である「説明的でありすぎて物語に入り込めない」という弱点を克服していると思う。
当初は、唐突に物語のなかにテラフォーミングやモザイク雌雄体というような言葉がでてきて、一切の説明がないのに戸惑ったが、展開が変わるタイミングである程度まとめて捕捉されるので、だんだんと深く理解できる仕組みになっているのだ。面白い試みだと思う。
設定やディテールもさることながら描写も素晴らしいので、読み終えれば太陽系を旅した気になれるのも魅力。


皆様、よい年の瀬をお過ごしくださいませ。
  


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category: SF ファンタジー

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: ネビュラ  SF  太陽系   
2014/12/29 Mon. 19:02 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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