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読書日記、ときどき食日記

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カウントダウン・シティ / ベン・H・ウィンタース 

関東はピーカンのお天気だけど、日本海側はこの冬は異常な雪なのだとか。
北国の方々にはお見舞い申し上げます。

首都圏では年に一度くらいしか積もらないので雪が降るともう半分パニック。電車は間違いなくとまるし、バスも通常通りにはこない。タクシーも少なくなる。残雪が凍ったりしたら、またこれがやっかいなのだ。
今は亡き我が家のお犬様の、そういう日の散歩はまさに命がけだった。大型犬だったし。滑って転んだりしたら間違いなく病院行き…。おまけに犬も滑ったりするから始末が悪い。足も冷たくなるし、やめときゃいいのに…。
だが、彼にはパトロール&電信柱チェックという崇高な使命があった。
雨が降ろうが雪が降ろうが、飼い主が病院送りになろうが関係ない。

我が愛すべき馬鹿犬も無駄な使命に燃えていたが、本書の主人公もなんだかわからない使命感に突き動かされている。

81JVzAA1500.jpg本書は『地上最後の刑事』 の続編である。実はこれ三部作で、一作目がそれほどツボというわけでもなかったため迷ったのだが、この際ついでだと思って読んでみた。

『地上最後の刑事』は、地球にあと6ヶ月で巨大隕石が衝突するという設定で描かれた刑事を主人公にしたSFミステリである。この設定にして、ちょっとズルくない?と思ってしまう三部構成で、前作は、確か隕石衝突まで残すところ3ヶ月というとこで終わっていた。
なので、本書は人類滅亡まであと77日というところから始まっている。
主人公のヘンリー・パレスは、前は刑事だったが今は元刑事だ。隕石衝突が目前に迫った今、連邦政府によってもはや警察に捜査部門は不要と判断されたため解雇されたのだ。
とまぁ前作までの流れはこんなところ。
そんな折り、パレスはマーサから「夫を探してほしい」と頼まれる。マーサはピザ・レストランを自分の父親とともに経営している。その昔パレスとその妹ニコの面倒を見てくれたものだった。ピザ・レストランはメユーの数を減らしてはいるが、まだ営業を続けていた。
マーサの夫、ブレッドはマーサの父の右腕として働いていたが、きのうの朝出て行ったきり帰ってこなくなったのだという。自分はもはや警察官でもなく、こんな状況下にあってはブレッドを探し出せる見込みは薄い。だが、沈痛な面持ちのマーサを前にしパレスは出来るだけのことをしようと決心する。
そして十段変則の自転車で、ブレッド探しをはじめる…。

Bichon Frise隕石衝突まで残すところ三ヶ月とあって、さすがに今回は終末的な雰囲気も濃くなってきている。物資は不足、治安も悪化し、至るところで強奪も起こり、インフラも停止。学生たちは大学を占拠し自分たちだけの国をつくり、来るべき日に"救済”するというカルト商法も蔓延している。学生たちの国が、自由を標榜しているのにもかかわらず、傍からみるとディストピアになってしまっているところなどは面白い。
今回のパレスはもはや刑事ではないので、物語は失踪人探しをする探偵小説の赴きがある。
相棒もいる。前作にでてきた麻薬ディーラーの犬のフーディーニだ。ビジョン・フリーゼという種類の犬なのだが、これがいい味を出している。
そして引き続き、パレスは「何があなたをそんなにさせるの?」的な強い使命感を持っている。前作では、「刑事」という職業へのかねてからの憧憬もみられたので、崇高さも感じたのだが、今回は全く状況が異なる。刑事はおろか警察ですらないしそれに対する対価もないのだから。ま、貨幣経済は崩壊しているだろうし、見返りは重要ではないかもしれないが。
解説者はそれに「狂気」という言葉を使っていたが、確かにちょっとここまでくるとどうかしてるのではないかという気がしなくもない。
その情熱の源となる出来事やなにかが少しでも書き込まれていれば、もっと共感できたかもしれないとも思った。

とにかく読み始めた日が悪かった。日経平均が大きく下げ地合い最悪の日だったのだ。当然、保有株も下落…。そのせいか、なかなか本に入り込めなかった。加えてウィリアム・K・クルーガーの『ありふれた祈り』の余韻も濃く残っている。なので、個人的にはまあまあかな。
しかしながら、世間の評価は概して高くて、フィリップ・K・ディック賞を受賞しており、いくつかあるミステリランキングにランクインもしていた。





カウントダウン・シティ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ベン・H. ウィンタース (著), 上野 元美 (翻訳)
早川書房 (2014/11/7)


Kindle版はこちら→ カウントダウン・シティ








地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ベン・H. ウィンタース (著), 上野 元美 (翻訳)
早川書房 (2013/12/6)


Kindle版はこちら→地上最後の刑事




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category: SF ファンタジー

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2015/01/08 Thu. 22:49 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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