Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

05« 2017 / 06 »07
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.

サザーン・リーチシリーズ 全滅領域&監視機構 / ジェフ・ヴァンダミア 

もうすぐ全豪オープンテニス。
最近株にかまけてナダルチェックをしてないのでコンディションもわからないが、今年の私は高望みはしない。
怪我さえなければそれでOK。
全豪はだいたい相性もよくないし、ナダルは全仏を頑張ればそれでよし!
是非、全仏10勝を成し遂げてほしいわ。
ただ、今年の全仏は昨年以上に厳しいものになるだろうなぁ…。

さて、『全滅領域 (サザーン・リーチ1)』『監視機構 (サザーン・リーチ2)』
とまらなくなって一気に2まで読んでしまった。
これね、何がなんだかさっぱりわからない
そういうのって悔しいではないか。その一心で二冊立て続けに読んだのだが、しかし三作目の『世界受容』の発売は23日…。
なので、現在、絶賛消化不良中!
『ピルグリム』みたいに全部出そろってから読めばよかったわ。

さてさて、どんな話かというと…SFだが、かなり精神面の比重も重く、現段階では正直何とも言えない。

southreachi.jpg32年前、アメリカ南部の忘れられた海岸とし知られる地域に、突如としてある"事象”が発生した。それはその土地を変容させると同時に、周囲に見えない境界を作り出した。この特異な領域は<エリアX>と名付けられ、<サザーン・リーチ>と呼ばれる政府の監視機関によって極秘に、その実態を究明する試みなされている。
物語は、一人の生物学者が<エリアX>への第12次調査隊の一員として領域に侵入するところからはじまる。
この調査隊のメンバーは全員女性だ。リーダーの心理学者、主人公の生物学者、元軍人の測量技師に、人類学者の4人だ。『全滅領域』は全編、この生物学者の日記という形で語られていく。
<エリアX>への立ち入りは、肉眼では見ることのできない<境界>を越えなければならない。<境界)を越える際は、自分自身の精神に惑わされないよう催眠状態におかれた。目覚めると全員フル装備で領域の中にいた。
調査隊は、ベースキャンプへとむかう途中で<塔>を発見する。<塔>というより縦坑といったほうがふさわしいかもしれない。その螺旋階段を下った先で、生物学者は壁面に書かれた文字を発見する。筆記体の文字を形作っているのは真菌類の一種のようだった。顔を近づけた瞬間、胞子がはじけ彼女はそれを吸い込んでしまう。だが、それによって彼女はある力を得ることになる。心理学者による暗示にかからなくなったのだ。そして、心理学者に不信感を抱きはじめる。
そんな矢先、人類学者が姿を消し、残されたメンバーも容易ならぬ事態に陥いってしまうのだが…

続く『監視機構』では、主人公は<サザーン・リーチ>の新局長にバトンタッチされる。
第12調査隊の調査は失敗。隊員たちは記憶を失った状態で帰還した。ただ一人心理学者を除いては。実は彼女こそ前任の局長だったのだ。
新任の局長<コントロール>は、生物学者だけは何かを知っているとにらみ彼女への聴取を開始する。
局長補佐の女性からはあからさまな敵意を向けられ、組織内の足元は危うく、<声>と呼ばれる上官が期待するような報告はできない。だが、次第に彼は生物学者に対して好意を抱くようになっていく。
なぜなら、<コントロール>自身も<サザーン・リーチ>の状況を見極めるために送りこまれた”調査隊”だということに気づいたからだ。<中央>で高い地位にある母親によって「最後のチャンス」だと言われて与えられた職だったが、何も知らされていないという点においても調査隊と同じだった。
一体、何が起ころうとしているのか?
行方不明の前局長が残したものを手掛かりに探り始めた<コントロール>だったが、<サザーン・リーチ>は得体の知れないものに今にも飲み込まれようとしていた…。

Jeff VanderMeer 『全滅領域』は私はやや読みにくかった。なぜって、生物学者って暗くてヤな女なのだ。彼女の日記という形をとっていることもあり、なかなか入り込めなかった。生物学者はガードの堅い孤独な人物だが、読者に対してでさえもガードが堅い。
<エリアX>については殆ど説明らしい説明がない。なぜ出現したのか?それは誰が創りだしたものなのかもさっぱり…。生物学者の持つ雰囲気と相まって不穏さが色濃く漂う。
人はよくわからないものに怯え、わからないがゆえに惹かれるのかもしれない。
続く『監視機関』では、主人公が変わるためかぐっと読みやすくなる。
生物学者も<コントロール>も、共に複雑な家庭環境に育ち、コンプレックスとトラウマを持っているという共通点があるが、<コントロール>のほうがより共感しやすいキャラクターとして造形されているように思う。それは<コントロール>のほうが生物学者よりもある種”弱い”せいかもしれない。
ただ、<エリアX>や<境界>の謎は据え置かれたままで、その謎は物語全体に浸潤していく。<コントロール>の目を通して語られるのが、現実なのか悪夢なのかよくわからなくなっていくのだ。問題がより精神的なものに変容していくというべきか。わからないがゆえの緊張感緊迫感に溢れている。
そして、わからないがゆえに頭の中で色々なヴァージョンを考えてみたりする。宇宙人の仕業なのか、パラレルワールドの決壊なのか、それとも「マトリックス」のように現実だと思ていることは現実ではく夢にすぎないのか…etc
生物学者との間に、愛情のようなものが芽生えることは想像がつくが、物語の行く先がどこに向かっているのか私にはわからない。
大方の見方の通り、おそらく<エリアX>にかかる謎は、三作目でも何の説明もなされないままなのではないだろうかと思う。
ここまできたら、私が著者ならばそんな愚はおかさないだろう。それ抜きでも物語として十二分に成り立っているのだから。誰もを納得させるのは至難の業だし、そこに何であれひとたび説明を加えれば、全体のバランスを崩してしまいかねない。
そんな感じであるから、好みは大きく分かれるだろう。駄目な人はとことん駄目かもしれないし嵌る人は嵌ると思う。

ピルグリムも映画化が決まってるというが、本書もパラマウントで映画化が決まっているそうである。
本書は、役者の次第でかなり超低予算でできそうな感じもする。ゼロ・グラビティの手法がまんま使えそうだというか…。
さて、どうなるのだろうか。



全滅領域 (サザーン・リーチ1)

ジェフ・ヴァンダミア (著), 酒井昭伸 (翻訳)
早川書房 (2014/10/24)

Kindle版→ 全滅領域 サザーン・リーチ①







監視機構 (サザーン・リーチ2)

ジェフ・ヴァンダミア (著), 酒井昭伸 (翻訳)
早川書房 (2014/11/21)


Kindle版→ 監視機構 サザーン・リーチ




******* お知らせ ****************

2月7日(土曜日)ハードボイルドミニ読書会をやります!

場所は横浜駅近くの飲食店
時間は17:30〜
会費はフリードリンク込みで5000円
課題本は『黒い瞳のブロンド』 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)です。

5名程度の少人数でお酒を飲みながらゆるゆるとやりたいと思っています。
という私もまだ読んでいないのですが…。
2月はスピンオフとあわせて二つあるし、よ、読めるかな…(汗)

現時点での残りは2席
fc2reading4pleasure☆gmail.com(☆→@)にてお問い合わせください。
折り返し、詳細をご連絡させていただきます。
ハードボイルド、冒険小説、スパイ小説がお好きな方を是非お待ちしています。


 













関連記事

category: SF ファンタジー

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

2015/01/15 Thu. 21:40 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://spenth.blog111.fc2.com/tb.php/435-f9af93b2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top