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読書日記、ときどき食日記

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赤の女王 性とヒトの進化 / マット・リドレー 

祝日は食べまくり・・・
私は、実は今年はまたランニングをやりたいと思っている。そして、そのために是が非でも体重を落したいと思っているのだ。その昔、20代で走っていたころはなんと42キロ!ええ、今から比べると嘘のように痩せていた。それでも元々膝関節などが弱いため痛めがちだったのだ。それが、今やね……(滝汗)
「でも、でも、Spenthさんは毎日ジムにも行ってるじゃない?」とよく言われるのだが、悲しいかな、行っててコレなのである…。まあ、ジム友のお腹まわりをみれば一目瞭然だし、エアロバイクをえっさかほっさか40分漕いだところで、食パン1枚やらおかき1枚分という厳しい現実もあるのだ。だいたいね、スリムな人は何もしてなくてもスリムだって。
おまけに、四十路も半ばも過ぎているので全然上手くいかない。
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なぜかって、食べちゃうからなんですけどね…。
この日誘ってくれた友人は、在ニューヨーク4年、在おパリ3年、日本に帰ってもフレンチ!フレンチ!フレンチ!スイーツ!の高カロリーバターまみれの生活をしてるくせに、鶏ガラのように細い。全く羨ましい遺伝子だわ。
人の世の、なんと不公平なことよ…。

red queenさて、タイトルの"赤の女王"とは何ぞや。
しかもサブタイは「性とヒトの進化」である。
往年の杉本彩やポルノちっくな連想をしてしまった人は残念でした。
本書は”性淘汰”にかかる科学啓蒙書であり、”赤の女王”とはあのルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に登場する女王のことなのである。あの女王は懸命に走り続けているが、風景もまた彼女に追いついてしまうため、永遠に同じ場所にとどまっている。この考え方は、進化の理論に大きな影響を及ぼし続けているのだ。速く走れば走るほどに世界もまた速度を増すために、進歩は少なくなる。
ま、いうなれば、運動すればするほどお腹がすいて食べちゃう私みたいなものですよ。

ところで、なぜヒトには、ほ乳類や地球上の生物の多くに、複数の性があるのだろうか。なぜクローンで繁殖しないのか?
本書では、地球に長く滞在し研究を行っていた架空の火星人ゾクが、母星の上司にそれを報告するという形で導かれる。なぜ、地球人はセックスをするのか?なぜ人一人をつくるのに、人が二人必要なのか?宇宙人がアメーバーのように、単為生殖をする存在ならばこれは大いなる疑問だろう。火星人ゾクは上司にこう報告するのだ。
「ある人々は病気を寄せ付けない方法だったからだといい、またある人々は変化に即応し進化を速めるためだといい、またまたある人々は傷ついた遺伝子を修復するためだというが、根本的には彼らには何もわかっていないのです。」と。

 peacock 本書では、様々な角度から性淘汰の謎が掘り下げられていくのだが、私が興味深かったのは、性嗜好は遺伝子によって影響を受けている可能性が多々あるということである。進化の世界では物事にはすべからく理由がある。ゲイの人たちの同性愛の性嗜好も、我々がいわゆる「美しい人」を魅力的だと思うことも、自然淘汰と性淘汰の結果なのだ。
そこで再び、冒頭の私の悩みに戻るのだが、現在ほど痩せた女性が好まれる時代はいまだかつてないのだという。いわれてみれば、今の若い女の子は細っそいもんなぁ…。昔、私の時代のアイドルが、例えば河合奈保子や小泉今日子が体重やウエストサイズをサバ読んでいたのは、確固たる周知の事実だったが今の女の子はリアルに細い。
かつて、シンプソン夫人は「女性は金持ちすぎたり、やせすぎたりすることはできない」と言ったが、今やそのあり得ない世界に突入している。
痩せているということは、食べられない第三世界を除けば、女性にとってのある種のステータスでもあるという。これをフィッシャーの性淘汰理論にあてはめると、男性は細身の女性を妻にむかえれば、やせた娘を持つことができ、彼女は良縁に恵まれやすい。良縁に恵まれれば、多くの子を産み立派に育てる経済的余裕ができる。したがってやせた女性を選んだ男性は、太った女性を選ぶ場合よりも、より多くの子孫を残せるということになる。
だが、著者はこの理論に納得しない。私もなにか妙だなと思う。それはまた、別の観点から掘り下げられていくのだが、その楽しみは読んでのお楽しみにしておくべきだろう。

本書は実は日本では95年に翔泳社から刊行された本であるという。この度早川から文庫として再出版されたのだ。刊行されて20年以上経ているということは、科学啓蒙書としてはちと古い。その間にも研究は進みこの問いの解答へ近づいているのかもしれないからだ。が、それを差し引いても名著だと思う。誰がどんな理論を発表し、それに対してどのような影響があったのか、性淘汰や進化の世界の歴史と同時にわかりやすく学ぶことができる。それとともに、自分たちの生命の不思議さに思いを馳せずにはいられない。



赤の女王 性とヒトの進化 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

マット・リドレー (著), 長谷川眞理子 (翻訳)
早川書房 (2014/10/24)



Kindle版はこちら→ 赤の女王 性とヒトの進化



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category: ポピュラーサイエンス

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 早川書房  英国  遺伝子   
2015/02/12 Thu. 12:33 [edit]   TB: 0 | CM: 4

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この記事に対するコメント

Re: ヒトの進化について

コメありがとうございます!

「腰の細い女性=自分以外の子供を妊娠していない説」
スルドイですね〜!さすがです。
本書でもその説には触れられており、細ければそれでよいというわけではなく、ウエストと臀部の差が大きいほど魅力があると感じる人が多いとのことでした。
でも、昨今の流行は明らかに「腰の細い女性=自分以外の子供を妊娠していない説」から逸脱しつつあるよう感じるのは私だけでしょうか?(笑)
洋服もスレンダーなつくりになってますしねぇ…。

効果のほどはともあれ、今日も頑張って運動してきましたよ(笑)
では、では!

Spenth@ #- | URL | 2015/02/23 Mon. 14:37 * edit *

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# |  | 2015/02/23 Mon. 11:40 * edit *

Re: ユニクロはやだ〜〜〜〜!!!

40過ぎてもユニクロは嫌です!(笑)
普段デニムばっかりなんですが、それでもユニクロはなぁ…。
まぁ、20代の体重に戻すのは遺伝的にもほぼ無理だと思うのですが、たぶんそれくらい軽くしないとジョギングなんかしたら、膝にくるんだろうなと思います。(これもまた遺伝だと思う)
美味しいものを食べ、ミステリを読んで過ごせるというのは幸せではありますが…。

naoさん水泳体型なんですね〜
それを維持できてるのはすごいです。

ドーキンスやリドレー系は結構好きです。
なんでしょうかねぇ??
この後、ピケティに行こうかと思ってましたが、ちょっと合間に小説を(しかも頭を使わないヤツ)にいってしまいました。


Spenth@ #- | URL | 2015/02/13 Fri. 23:44 * edit *

万能細胞はあります! byオボちゃん

人間、食べたい(美味しい)もの食べて呑んで、呑んで食べて、また食べて、
良いミステリ読んで一生過ごせればいいと思うな。

女性のスタイルの良さ、ファッションについて、それらは大体女性が同性の目を気にしてのことなので、オッサンの自分が口を挿むコトではないようにも思いますが(正直どうでもいい)、
40歳以上女性はもうみんなジャージかユニクロでいいじゃないですか。
関西の下町ではどこへ行くのにももうみんなそんな感じですよ(やや記述内容に語弊あり)。
自分が魅力的と思う女性はほとんどみんな小太り(重ねて失礼)。

(若い女の子はヘンですな。奴らは顔は小さいし、腰の位置は妙に高い・・高いからそこから地面までの間隔にある脚部パーツが異様に長い。
この地震国の日本にあんな不安定な体は必要ありません。
河合奈保子の太めの腕など健康的でありましたよ)。

自分の体形は凄いですよ、水泳やっていたし、
夏、指で胸やお腹押されます(堅い胸やお腹がめずらしい様子)。

Spenthさんはこうした進化論系や細胞系の理系本が好みなのですなぁ。
なんか割烹着を仕事着にしていたヒトが世間を騒がせておりましたが、
ドーキンス本と同様、自分はファンタジーとして愉しめそう。

非公開にしようかどうか迷いましたがこのままで・・
ではまた!

nao #6gL8X1vM | URL | 2015/02/13 Fri. 22:55 * edit *

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