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読書日記、ときどき食日記

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売れる作家の全技術 / 大沢在昌 

ついに角川書店という名前がなくなるそうだ。時代なんでしょうかねぇ…。
本って売れないっていうもんなぁ。
このヘタレな私でさえ、今時出版オンリーな会社には投資はしない。ま、上場してる会社は殆どないけども。
KADOKAWA・DOWANGOにすらも手を出さないと思う。

芥川賞作家・柳美里の新著貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記なんかもなんだか切実そう…(読んでないけど)文学系だと特に厳しいんだろうなぁ。

そんななか、なぜかDLしてしまったのが、大沢在昌の『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』なのである。
いやね、作家になろうなどと大それたことは、
これっぽっちも考えてないから。


読むの専門。だけど、書くほうの人はどういうふうにしているのかしらね、とふと思ったのだ。

4年くらい前の「小説 野生時代」に連載していたものの書籍化なので、情報はちと古いかも。
一昔前から「作家一本で食べている人は数えられるくらい」とは言われていたが、ご存知のように出版業界は日々縮小している。
大沢在昌も開口一番うたっているのは、「作家として食っていくことの大変さ」である。デビューするのも容易ではないが、生き残っていくのはもっと難しいという。
半年から1年かけてウンウン唸って苦しんで書き上げても、初版の印税はたったの70万。それも単行本だからの数字で、文庫なら40万。今はもっと相場が下がっているかも。セブンイレブンででもバイトするほうがお金になるだろう。

重版がなければ、とてもとても生活なんてしていける金額ではない。そして新人作家で重版に恵まれる人なんてそうそういない。これほど不安定で効率の悪い職業もないだろう。

そして、最初から「貧乏でもいいんです。」という人は駄目だともいう。二軍じゃなく一軍を目指せと。自分がこれから教える講座は、二軍をめざす人のためじゃなく、一軍養成のためにあるのだと。
こういうところは、私たちの世代特有のイケイケ感なのかもしれないなぁと少し思う。関係ないけど、そのせいなのか、30代の日本人作家の小説は概して私は駄目ですわ。

受講生の習作を使って具体的に説明してあるので、エンタメ系の作家を目指す人の入門書としてはとても良いと思う。大沢在昌的売れるエンタメのメソッドが詰まっている。カタルシスを感じさせるにはどうするか、などは先の読書会での"おてもと論"とほぼ同じ。読み手が主人公に共感することが必要で、そのために魅力ある人物造形をしなければないないなどなど。当たリ前じゃん!という人もいるだろうが、知ってることとできるということは違う。
人称の定め方を含め、書くためのテクニックこそ惜しげもなく披露してくれるが、オリジナリティだけは教えようがないともいう。作家にとって最も大切なのが、このオリジナリティであることは言うまでもない。
そして、繰り返しのように言うのが「楽をするな」という言葉である。
「作家とは「持続」です。中略ー 気力、体力を振り絞り、自分のベストを問い続け、限界を超える努力を続けること、それしかない。」
と言っている。
大沢在昌の作家道は苦しく険しい。誰にでも真似できるものじゃない。たぶん彼と同じくらい才能があったとしても、この不断の努力というヤツができない人は多いだろう。実は後者のほうが得難い才能だったりするのだ。私にはそのどちらもないので、こうしてのんべんとしている( 税金は払っているので、皆さん私を責めないように)
でも、そういう姿勢はちゃんと作品に現れるし、読者にも伝わったりもするのだ。
大沢さん…ナダルみたいだわ(涙)だから大沢在昌って人は私は嫌いじゃないのかもしれないな。サイン会とかあったら、尻尾振って行っちゃう。

確かに手垢のついたトリックや手法、言い回しをそのまま使うのは楽かもしれないが、読み手にしてみれば面白くもなんともない。どっかで読んだことのあるような本に、今時2,000円も払うのは私は嫌だもん。
だから、『○イン・ド○ゴン』を読んだ時は、もうね、言いようのない嫌悪感を感じてしまった。この大御所作家について、しばしば私が悪態をつくのはそのせいです。





小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない

角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/8/1)



Kindle版はこちら 小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない









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category: エッセイその他

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2015/04/16 Thu. 16:06 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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