Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

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エンジェルメイカー / ニック・ハーカウェイ 

4日は横浜の花火大会、ってことで、屋形船〜♪

屋形船なら浴衣でしょう!
だが、如何せん暑い、暑すぎる。無理すぎる…
そのむか〜し作った有松絞り、結構お高かったのに(←もう完全に流行遅れ!)出番ないなぁ。
もう永遠にないかも…。
KIMG0196.jpg

20150805131643.jpg

風情があるが、海風で揺れる揺れる。ビールも天麩羅も控えといて正解だった。
でも、海側からみる花火は迫力満点!

いやぁ、えがったえがった!と駅まで戻ってきたら、アナタ、JRがとまってる…!!!
今回の船は川崎から出航していたので、横浜に戻るには京浜急行に乗るしかないのだが、当然のことながら超激混み。
ようやく横浜まで帰ってきたら、横浜も大混雑中。タクシー乗り場も呆れるほどの長蛇の列。
大惨事ですよ…

JRさん、"エンジェルメイカー"でも発動したんですか?
結局、横浜駅からヒールで歩いて帰ったのだが、汗で1キロくらい痩せた気がするわ…



さて、ハーカウェイの『エンジェルメイカー』 をようやく読み終えた。
これね、コンベンションの時、杉江松恋さんが「今度のはちゃんとミステリー!」とおっしゃっていたのだが、どっちかというと冒険小説じゃないかな?
ちなみに、私はKindle版で読んだのだが、Kindle版には杉江さんの解説がありません!!!
ハヤカワはこういうパターン多いけど、電子書籍版差別はヤメテクダサイ…




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それはさておき、本書の主人公はジョー・スポーク、時計仕掛けの専門修理職人にして、マシュー・”トミーガン”・スポーク、金庫破りにして列車泥棒にして美術品強盗の、大ギャングの息子だ。

彼は父親ゆずりの”裏社会”との繋がりをほんの少し残しつつも、祖父同様に仕事場に引きこもる生活に深く沈潜していた。
しかし、ジョーの平和は謎の機械の出現によって脆くも崩れさる。
それは「ハコーテの書」という機械仕掛けの本とその付属品のようなものだ。ジョーのちょっとしたワルの友人、ビリー・フレンドを通じてある老婦人によってもたらされたのだった。その老婦人の名はイーディ・バニスター、引退した元女スパイだ。とても小柄で、針金のように痩せていて大英博物館より少しだけ年上に見える。
イーディはある決意を秘めてジョーにその品を託したのだ。それは、かつて彼女が愛した人が"世界を変える手段"として作り出したものの鍵だった。

ジョーが始動させてしまった装置をめぐり、複数の怪しげな組織が暗躍し始める。スコットランドの博物館からきたという怪しげな2人組の男たちに、頭から黒い布をかぶった”ラスキン主義者”たち。そして、ジョーの友人ビリー・フレンドが何者かによって拷問され殺されてしまう。
装置から出て来たのは黄金の機械蜜蜂たちだった。それらは、世界中に"過度の真実”をもたらした。
和平を結んでいた国と国の関係は悪化し、また南米では公人私人の秘密や非行を暴き立てる。かくして事態はどんどん大事になっていくのだが…



time-travel.jpg

ハーカウェイらしく饒舌で饒舌で饒舌
相変わらず、ハっちゃけていてぶっ飛んでいる。決して万人向きじゃない。読む人を選ぶ本だ。
だが、シンプルに解析してみると、これはハーカウェイ流の冒険小説なのじゃないだろうか。ミステリ的要素もあるし、SF的でもあるし、敵に挑むだけではなく、ちゃんと"おネエちゃん”というの彩りもある。

世界の真実を"過度に”暴くのがどうして金でできた機械の蜜蜂なのか?とか、そういうことに拘ってはいけない。だって、ハーカウェイの世界ではそう決まっているのだから。
ね、先ほど言った通り、読む人を選ぶでしょ?
それに、世界で量産される食料の3分の1は蜜蜂に依存しており、仮に蜜蜂が絶滅しようものなら、人間に恐ろしい影響をもたらすのは事実。大規模な人口移動、戦争、飢餓、それ以上のことがおこりうる。一応、蜜蜂が聖杯であることには、それなりの理由もあるというわけなのだ。

主人公はジョー・スポークだが、物語はこのジョーの現在進行形の話と、90歳を超えた老スパイ、イーディーの若かりし頃の回想が交互に展開されていく。このイーディーがまた魅力的なキャラで、男装したり、恋に落ちたり、宿敵と闘ったりするのだ。そしてこのイーディーの宿敵こそが…という繋がり。
前作『世界が終わってしまったあとの世界で』よりは、まとまりのある物語になっていると思う。
イーディーの愛犬バスチョンもまた重要なキャラで、飼い主並みに老齢なこのパグ犬は、目はガラスの義眼で、歯は一本しかないのだが、ある意味飼い主よりも活躍する。

また、この物語を語る上で、忘れてはいけないのがジョーとギャングの父親マシューとの父子関係である。これが余計な勘ぐりと言われればそうなのだろうが、どうしてもハーカウェイと彼の大物の父親ジョン・ル・カレのことを思い浮かべてしまう。
特に後半、ジョーがギャングだった父の真実を知るに至ったシーンや、時計仕掛け職人に過ぎなかったジョーが世界を救うため父の"トミー・ガン”を持ってクレイジー・ジョーとなるのには、父親と同じ作家の道を歩んでいるハーカウェイその人をつい連想してしまった。

結構いいとは思うのだけど、ただ、難なのは、、、
この本ボリューミーでお高いのだ…


エンジェルメイカー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ニック ハーカウェイ (著), 黒原 敏行 (翻訳)
早川書房 (2015/6/4)


Kindle版はこちら→ エンジェルメイカー







世界が終わってしまったあとの世界で(上)
世界が終わってしまったあとの世界で(下)

ニック ハーカウェイ (著), 黒原 敏行 (翻訳)
早川書房 (2014/4/24)



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category: ミステリ/エンタメ(海外)

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  SF  早川書房  ポケミス   
2015/08/05 Wed. 20:25 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re: 水分はこまめにとろう!

naoさん、こんばんは!
本当に暑いですね…

ご一緒した方は確かにセレブでしたが、船自体は割と庶民的でしたよ。
音と振動の臨場感は抜群で、遮るものがないので見応えがありました。
ただ、この花火大会は神奈川新聞社の一社主催なせいか、年々しょぼくなっているような…失礼!


>最近自分は『英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊 』というリストを参考に読書しております。

おおお、さすがnaoさん、
セレブな読書じゃないですか〜
しかも1000冊!!!
良かったものを是非教えてください。


>新刊でも、これは手堅いハズと選んだ『悪魔の羽根』が意外にもハズレであったのには驚きました・・意外感。

ああ、『悪魔の羽根』は好みが分かれそうですね。そしてウォルターズ作品の中では確かに抜きん出ているとは言い難い。
でも、私は割と好きでしたよ。
ウォルターズって他の女性作家と違って「いかにも女が書いた」という感じが皆無なのですが、『悪魔の羽根』にはそれを感じましたわ。ああ、こういう面もあるんだな〜という感じ。

『エンジェルメイカー』は割と苦労しました。そもそもが饒舌極まりなくストーリーに寄り道も多い上に、なまじ時間をかけたせいか忘れてしまって、読み直しせざるをえないところも多くありました。
ハーカウェイは独特の世界と語りを持っているのですが、読者に優しい作家ではないんですよね〜

今読んでいるのは、ハーパー文庫のダニエル・シルヴァの『亡者のゲーム』で、いわゆるスパイものなのですが、やはりこういうもののほうがスイスイ読めます。


Spenth@ #- | URL | 2015/08/08 Sat. 19:41 * edit *

水分はこまめにとろう!


屋形船で花火見物(鑑賞)とは、セレブリティな・・。
花火は近くで観るのが正解らしいですなぁ(伝播する音響・振動を体感)。

しかし『エンジェルメイカー』ですかぁ・・ふう。
こんな暑いときに、こんな二段組みの分厚を読破されるとは・・感心。
最近自分は『英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊 』というリストを参考に読書しております。
この暑いさなかに読んだものがハズレると心身にこたえるので。

新刊でも、これは手堅いハズと選んだ『悪魔の羽根』が意外にもハズレであったのには驚きました・・意外感。
デヴュー作以来著者のファンであるのにまさかの・・でした。

自分もSpenthさんのように、サクッと『クロニクル』4部作読破できる集中力(読書力?)欲しいなぁ。

ではまた!

nao #6gL8X1vM | URL | 2015/08/08 Sat. 18:35 * edit *

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