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読書日記、ときどき食日記

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7は秘密 〜ニューヨーク最初の警官 / リンジー・フェイ 

週明けから株価はセリング・クライマックスの様相を呈していた。
会う人会う人に「大丈夫?」と心配されたが、
大丈夫じゃないけど、大丈夫です…。

ま、あれだけ下げれば、含み損はそりゃすごいものさね。(←どこの人だ?)
しかし、あのナイアガラの最中にパニック売りしたって大損するだけだし、残すは業績と配当のいいところばかりなので、ハラをくくって放置していたのだ。現物だし。
下落しまくった市場は、中国利下げとNY連銀総裁発言のおかげか、少し落ち着いてきたかな。
ま、ダイエットでも急激にやると絶対リバウンドするけど、あれと一緒。
まだまだ乱高下はあるだろうなぁ。
もう、なるようになるさ。
KIMG0276.jpg

セリクラの最中は、中華のお料理教室にも行ったりしてたのよ(←現実逃避)
例のセレブなやつ…。


さて、本書『7は秘密』は、『ゴッサムの神々』の続編である。
のだが、実は私は第1作目は読んでいない。

去年だったかな?面白いよ〜とは聞いていたのだが、表紙が漫画チックなイラストだったので、勝手に内容を早合点してしまって買い控えたのだ。
『7は秘密』はその続編とは知らずに、Amazonでポチった。読み始めてそれに気づき、失敗したなと思ったのだが、これが意に反して面白い。読み終わる前に、『ゴッサム〜』のほうも購入した。
順番は違えど、こっちも読まなきゃでしょう!
しっかし、あの手の漫画表紙もうやめようよ〜
若い読者をゲットしたい気持ちはわからんでもないけど、どうせ彼らは中身も漫画じゃないと買わないと思うけどな。
イラストレーターさんには悪いけど、そのせいで本の単価があがるのもチョットね…



lydsay faye

というわけで、本書は警察小説である。が、いつもの様式美的「中年のくたびれた警官もの」ではない。そして著者もおっさんではなく若くて美人!
水戸黄門のようなそれを期待している方はここで「さよ〜なら〜」だろうが、ミステリ読みとしては、ここでバイバイするのはもったいなさすぎると思う。
それはさておき、主人公のティムはまだ27歳だし、同じく警官で署長のティムの兄、ヴァレンタインもまだ34歳だ。お決まりの"くたびれた中年"ではないが、実は年齢はどうだっていい。本書の妙味は、舞台が19世紀半ばのN.Y.であり、彼らが発足したばかりのニューヨーク市警で働く警官であることなのだ。
著者リンジー・フェイによる「歴史についてのあとがき」では「ニューヨーク市警は、厳しい社会的変動と政治的憎悪の渦中にあった1845年に創設された。市民は"常備軍”ができることを公然と非難し、制服がなかったのにもかかわらず、警官たちは敵意と不信で迎えられた。」とある。
主人公ティム(ティモシー)・ワイルドら警官を取り巻く環境は、今日のそれとは大いに異なる。

そして1846年のある冬の日、ティムは黒人の血が入った女性から助けを求められる。ちょうどティムは上司から命じられたさる金持ちの家の絵画窃盗事件を解決したばかりだった。
ルーシー・アンダーソンと名乗るその女性は、黄金に輝く肌と灰色がかった緑色の瞳を持つ、誰もが振り返らずにはいられない美人だった。聞けば、彼女の妹と7歳になる息子が奴隷捕獲人に連れ去られてしまったという。
彼女に流れている黒人の血は、おおよそ8分の一くらいのものだろう。しかし、法律では黒人はあくまで黒人なのだ。
彼女が他でもないティムに助けを求めてきたのは、黒人の友人のアドバイスによるものだった。警官の半分は悪党だし、逃亡奴隷の捕獲はまぎれもなく合法であり、法の執行なのだ。だが、ティムは奴隷制度を快く思ってはいないし、自分の良識に従う。
彼女がいうには、自分たちは正式な証明書を持つ”自由黒人”だが、奴隷業者たちはそんなことは気にもとめないという。狙われたらお終いなのだ。
豪胆な兄ヴァレンタインの助けを得て、ティムはルーシーの妹デリアと息子ジョナスを救出し、当面の安全のため三人をヴァレンタインの家に匿う。
ルーシーは白人のチャールズ・アダムズと異人種間の婚姻が許されているマサチューセッツ州で結婚していた。ミスターアダムズは、あいにく仕事で留守にしており、彼が戻ってくるまでは自宅は安全ではないとティムは判断したのだ。
しかし、その後訪れた兄ヴァルの家でティムはルーシーの遺体を発見する。彼女はヴァレンタインのローブの紐で首を絞められていた。そして、妹のデリアと息子のジョナスは姿を消していた。
兄ヴァルが犯人であることはあり得ない。だが、このままだと兄にいらぬ嫌疑がかけられると判断したティムは、ルーシーの遺体を黒人街へと移動させる。
果たしてルーシーを殺したのは誰なのか?デリアとジョナスの行方は…?


テーマは「黒人奴隷問題」である。しかし、凡庸だと思うなかれ。これがなかなか読ませるのだ。
タイトルの『7は秘密』は見たカラスを数える古い数え歌の歌詞だが、黒い鳥(ブラックバード)は、黒人奴隷誘拐者(ブラックバーダー)という残酷な隠語にひっかけてある。
1は悲しみ、2は喜び、3は少女で、4は少年、5は銀(しろがね)で、6は黄金、7は秘密で絶対もらすな。
なぜ秘密かというのと謎が実にうまくマッチしている。
ところで、警官にアイルランド移民が多いのは、ルヘインの『運命の日』</a>などで知っていたが、本書では時代も場所も違うせいか、また違った感じを受けた。まあ、はっきり言ってアイリッシュの警官は、本書では「悪役」だ。
しかし、本書でもそうだが、こうした邪悪な警官よりも、どうしようもなく利己的な人間のほうが結果的には遥かにタチが悪いものなのである。

ハル・ベリーを連想させるルーシーを殺したのは誰か、という謎解きもさることながら登場人物も個性的でいい。この黒人奴隷捕獲人の事件のいく先々で絡んでくるシルキー・マーシュという女性は、どことなくあのアイリーン・アドラーを思わせるが、ティムは絶対シルキーのことを「あの女性」などとは言ったりしないだろう。
聞けば著者はシャーロキアンらしいが、しかし、ティムはシャーロックとは全く違う。もっと私たちが感情移入できる普通の人間で、人情味にあふれた若者だ。そして、小柄なティムを三割増しにしたような兄のヴァレンタインもティムとはいいコンビだが、ワトソンではない。もっとワイルドで豪胆だ。
シルキーは売春宿のマダムであり、兄ヴァルの元カノであり、どうやら前作でかなりワイルド兄弟と険悪な関係になったらしい。この
シリーズが続くかぎり、彼らの前に立ちはだかるのだろう。
私のお気に入りは、ヴァルの友人のジムである。英国人のピアニストで、同性愛者。
無力感にかられ「ここでは一人ぼっちだという気がする」とつぶやくティムに、ジムはこういう。
「落胆して、自分を無力に感じるときは、ほかの大勢の人々も同じように感じているし、腹がたつときは、無数の人々も自分と一緒に思い悩んでいる。楽しいときも同じだ。オーケストラにちょっと似ているよ。だから決して一人ぼっちになることはない」

ね、ジムってチョットいいでしょ。
お〜、株価下落で落胆している身にしみるわ〜〜〜〜!!!






7は秘密 ニューヨーク最初の警官 (創元推理文庫)

リンジー・フェイ (著), 野口 百合子 (翻訳)
出版社: 東京創元社 (2015/7/21)


Kidle版はこちら
7は秘密 ニューヨーク最初の警官









ゴッサムの神々 上 ニューヨーク最初の警官
ゴッサムの神々<下> (ニューヨーク最初の警官)
リンジー・フェイ (著), 野口 百合子 (翻訳)
出版社: 東京創元社 (2013/8/10)

Kindle版はこちら
ゴッサムの神々 上 ニューヨーク最初の警官
ゴッサムの神々 下 ニューヨーク最初の警官








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category: クライム・警察・探偵・リーガル

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ    創元推理文庫  文庫  シリーズ  警察 
2015/08/27 Thu. 16:50 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

Re: タイトルなし

naoさん、おはようございます!

もう朝起きたら即ダウをチェックするのが習慣に(苦笑)
よしよし。ダウちゃん頑張った!
今日も小幅高かな?(だといいな)

底値で買って、上がったら即撤退が一番賢いですね。
しかし、新たな資金をつぎ込む気ももはやなく…
ま、落ち着くところに落ち着くだろうし、第二のリーマンになったらなったで10年くらい放置しておくかという感じです。
この局面で大儲けした人もいるでしょうが、強制決済で退場した人も相当いるんでしょうねぇ。
それにしても、空売り比率39パーセント超えって…こんなのはじめてみましたよ!


クイーンのイラスト表紙は、翻訳の越前氏も「売れればなんでもいい」とおしゃっていました。
ただ、クイーンなら若年層が一度はたどる道なのでしょうが、こういうのはどうなんでしょうかね。
私はとにかく、イラストレーターに頼むことで単価があがってしまうのが嫌だわ(笑)

Spenth@ #- | URL | 2015/08/28 Fri. 07:59 * edit *

今回の下げ局面はキツかったですな(もう落ち着いたという判断は尚早か)。
こうした急落局面は年に数回あるものですが、
下げ局面はチャートで見る限り、どれも短期間で終息(そして回復)しているので、
早くSpenthさんの保有株も、少なくとも買い値位置まで戻り、
一安心できることを祈っておりますよ。

株は安い(下がった)時買おう!
年中ホールドしていても高値位置じゃ利幅期待できないからね。
自分は一昨日底値圏(?)で買った株、昨日利確・・チキンな奴なのでした。
(もう一銘柄しか保有株残っておらず)。

中華料理学んでそして食べて気分転換!・・いいですなぁ。
案外中華料理はカロリー高め要注意?

今回のコメントもほぼ株関係のハナシで終始してしまいました。

『ゴッサム』はじめ、偏りを生む表紙は、ホント作品(イメージ)を損なうものとなりますなぁ。
そう、ちと騒がれた(?)角川文庫版越前訳のエラリー・クイーン国名シリーズ。
自分としてはあの表紙(イラスト)はアリなのですが(理由:売れそうだから)。
ではまた!

nao #6gL8X1vM | URL | 2015/08/28 Fri. 07:46 * edit *

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