Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

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ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 / ダヴィド・ラーゲルクランツ  

誰だぁ〜〜!
今年は2万3000円いくといっていたのは!!!

あ、私か… (´-ω-`)

日経ちゃんはこれで6日連続大出血バーゲン状態。
バカ安なので、以前から優待目当てで欲しかった株を買いたいけど、落ちるナイフを掴むような…
もうすでに他の株は死に体だしなぁ… (´•̥̥̥ω•̥̥̥` )


そんなシケた話はさておき、、、
ようやくリスベットが帰ってきたのだ!

ミレニアム三部作の著者スティーグ・ラーソンが急逝し、もう続きは読むことができないかと思っていたが、ようやくリスベットが、ミレニアムが復活した!

多くのミレニアムファン同様、日本ではあまり馴染みのない作家であるデヴィド・ラーゲルクランツが続編を引き受けたと聞いて、「やめておいた方がいいのでは?」とさえ思っていたのだが、私は非常に面白く読めた。
北欧色は薄れた感はあるが、いや、これ、かなり良いのではないだろうか!
もしかして、ラーソンのPCに残されていたものよりも良い出来かもしれない!

かつての登場人物はほぼ勢揃い。ラーゲルクライツは本書執筆にあたって、三部作を丹念に読み込んだというだけはある。
わざわざおさらいをしなくてもいいように、それぞれについて丁寧な説明も添えてもある。欲を言えば、やや説明的な嫌いもなきにしもあらずではあるが。
何よりファンにとって喜ばしいのは、本書にはミレニアムファンが最も会いたかった人物が登場するのだ。
その人物のキャラクターも、ミレニアムファンが「そうあるべき」と思っている姿そのままではないだろうか。
もう、ほとんどパーフェクトな滑り出しと言っていいと思う。

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Elmau.png

物語の舞台は、『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』衝撃のラストから数年後。
雑誌ミレニアムは例の「ザラチェンコ事件」以降、パッとしたネタを掴めず、危機的状況から脱するため大手メディアの傘下に入っていた。親会社からの突き上げに加えて、ミカエル個人へのバッシングが始まり、「ミカエル・プルムクヴィストはもう終わった」という者まで現れる始末だった。
そんな折、ミカエルは人工知能(AI )の権威フランス・バルデル教授の以前のアシスタントから、教授と会って欲しいと打診される。

フランスは、一言でいえば天才であり、今日の”技術的特異点”シンギュラリティーの世界的権威とみなされていた。技術的特異点(シンギュラリティー)とは、AIが人間の知能を凌駕する時点を指す仮設上の概念だ。

そのフランスは、先ほどアメリカの大企業ソリフォン社を辞し、スウェーデンに帰ってきたばかりだ。元アシスタントの話では、極端に怯え、引きこもって暮らしているという。
フランスが雇った女ハッカーによれば、彼はハッキングされていたらしい。"ガリガリに痩せていてタトゥーとピアスだらけ"。元アシスタントがそう表現したその女ハッカーは、十中八九リスベットに違いなかった。
一旦はこの依頼を断ろうと思っていたミカエルだったが、フランスの依頼にリスベットが応じたのなら自分も探ってみるべきだと考え直す。
そして、かつてリスベットに連絡していた方法でこうメッセージを送ったのだった。
「フランス・バンデルの人工知能についてはどう考えるべきだろう?」

危機を感じていたフランスはミカエルにすべてを公表する決心するのだが、一足違いで殺されてしまう…
フランスはソリフォンで革命をもたらす発見をし、その成果を持ち出してしまったと言われていた。アメリカのNSAは、そのせいでロシアの犯罪組織も動き出しているとスウェーデン公安に注意を促してもいた矢先のことだった。

その一部始終を見ていたのは、フランスの息子で自閉症児のアウグストだけ。生まれてから一言も言葉を発したことのないアウグストだったが、実は彼は「サヴァン」だったのだ。
アウグストには、映像記憶力と、数学的ともいえる緻密さで線描画を描くことができる才能があったのだが…


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ラーソンによる「ミレニアム三部作」とラーゲルクランツによる新・ミレニアムの違いは、ずばりリスベットが先んじて攻撃に転じていることだと思う。これまでは、国、世間、父親に虐げられたことへの復讐をなしてきたのだが、今回は自らが信じる正義のため先んじて手を打っている。

また、リスベットは自らのことを「他人に共感できない、極めて暴力的」(上巻位置番号4298)と言ってはいるが、十二分に共感も示している。
その最たるものが、フランス・バルデルの息子で自閉症児のアウグストだろう。
アウグストはまたリスベット以上の天才でもあり、今後も彼女にとって頼りになる存在なのかもしれない。というのは、本書ではとりあえずの決着をみたが、まだフランスの開発したAIの問題は解決していないのではないのかと私は思っているからだ。

フランスは殺される直前に自らが開発したAIを消去したが、もしも彼が"AGI"開発に成功し、”シンギュラリティー”を起こしていたのだとしたら、"AGI"がやすやすと消去されるわけがない
ちなみに、ミカエルがリスベットに送った問いかけに対して、彼女はこうミカエルに返している。

「人間が自分たちより少しだけ賢い機械をつくり出したら、どんなことができると思う?」
もしもそうなったら、リスベット・サランデルさえ威張れなくなる世界がやってくる…
コントロール不能な知性の爆発状態がやってくるだろう…


そんな"AGI"には、世界一のハッカー、リスベットの手におえるものではないだろう。だが、彼女と同様に映像記憶力を備え、数学と芸術の才能をも併せ持つアウグストの助力があれば?
ただ、そんな漫画みたいな安い展開は私も期待していないが、さて、さて、どうなるのだろうか?想像が膨らんでしまう。
ラーゲルクライツは、5部、6部も視野に入れ、作品にとりかかっているというから、冒頭触れたファン待望の"ある人物"の行方もさることながら、今後の展開が大いに楽しみだ。

最後にもうひとつだけ。
リスベットがフランスのかつての弟子とチェスしやり負かすシーンがあるのだが(上巻後半)、ここでラーゲルクランツは、リスベットにクイーンを犠牲にして相手にリザインさせて勝つという、かのボビー・フィッシャーがロバート・バーンに勝ったのと同じ戦法を披露してもいる。
ボビー・フィッシャーは、世紀の対局といわれるそのゲームで、やすやすとクイーンを相手に与え、誰しもがフィッシャーの敗北は確実だと思っているなか、バーン教授に敗北を宣言させたのだ。駒も戦術も捨ててしまったと思われたフィッシャーだったが、実は壊滅的な猛攻に出ていたのだ。バーン教授はそのことに気づくこともできなかったという。
こういったディテールは、憎たらしいほど…
言われてみれば、常に苦戦しているようでありながらも、猛攻を仕掛ける。それこそがリスベットなのである。



ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)
ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (下)
ダヴィド ラーゲルクランツ (著),
ヘレンハルメ 美穂 (翻訳), 羽根 由 (翻訳)
出版社: 早川書房 (2015/12/18)

Kindle版
ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上
ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 下

ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女【拡大お試し版】




人工知能 人類最悪にして最後の発明

ジェイムズ・バラット (著), 水谷 淳 (翻訳)
出版社: ダイヤモンド社 (2015/6/19)


Kindle版
人工知能 人類最悪にして最後の発明





ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版)

スティーグ・ラーソン (著),
ヘレンハルメ 美穂 (訳), 岩澤 雅利 (訳)
出版社: 早川書房 (2011/9/8)







ミレニアム2 火と戯れる女(上・下合本版)

スティーグ・ラーソン (著),
ヘレンハルメ 美穂 (訳), 山田 美明 (訳),
出版社: 早川書房 (2011/11/10)








ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上・下合本版)

スティーグ・ラーソン (著),
ヘレンハルメ 美穂 (訳), 岩澤 雅利 (訳)
出版社: 早川書房 (2011/12/5)


















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category: ミステリ/エンタメ(海外)

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  早川書房    北欧  人口知能 
2016/01/12 Tue. 18:40 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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