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読書日記、ときどき食日記

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明日と明日 / トマス・スウェターリッチ 

全豪は案の定ジョコビッチの優勝。

ジョコが強すぎて、テニスがつまらないのです… (-д-;)

調子もランキングも落としているナダルが強かった頃の彼に完全復活したとしても、今のジョコビッチには勝てないだろう。ナダルファンとしては認めたくはないけど、それくらい突き抜けている。フェデラーは経験上そんなに(よい状態は)続かないといってるけど、言ってるそばからこれだもんなぁ…
そんなことを思いつつ試合をみていたら、悪酔いしてしまった。

またもやファルネーゼのカザーレ・ベッキオ
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さて、さて、年末DLしておいた『明日と明日』 をやっと読んだのだ。
Amazonの内容紹介では「近未来ノワール」とあり、確かにかなり暴力的でもあるが探偵小説の情趣もある。
ピッツバーグで起こったテロで妻を亡くした男の物語なのだが、テロと聞くと、「また911のネタね…」という気分になってしまう方も安心してほしい。印象を完全に裏切り、あなたの想像するものとは全く違う展開になるから。
フィリップ・K・ディック、チャンドラーなど、少々ツギハギ的なきらいはあるが、印象に残る作品。含みあるタイトルも私は結構好き。
さらに、これがデビュー作というのにも驚いた。

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舞台は近未来のアメリカで、人々は「アドウェア」という端末を脳に直接埋め込み、拡張現実感を得ている。人々は今よりもさらにメディア化された世界に生きているのだ。
それは、まさに頭の中にスマホがあるようなものだ。例えば、私がある人をみるとしよう。その人がプロフィールを公開していれば、その公開プロフィールが視界の端に出る。物をみれば、関連づけられるものの企業広告やロゴがポップで出てくるのだ。映像も脳にダイレクトに入ってくるので、現実感がある。
そして、偶然にも監視カメラや網膜カメラに捉えられたら最後、「忘れられない権利の法」で、その人たちの情報は<市>のアーカイヴに収められることになる。

本書の主人公は、10年前、大都市ピッツバーグを消滅させたテロで妻を亡くしたドミニクという男だ。
ドミニクは、死んだ妻、テレサ・マリーに会うためにアーカイヴに没入していた。そこでもう一度妻と生きるために。
彼は、<市>のアーカイヴで保険調査を行う調査員だったが、ある時、薬物乱用で逮捕されてしまう。薬物は彼の古い「アドウェア」の現実感をより増してくれるために、常用者になっていたのだ。
彼は矯正リハビリプログラムに送られるが、そこで知り合った医師のティモシーから仕事のオファーを受ける。
その仕事の依頼主は、ウェイヴァリーという有力者で、もしその依頼を受ければ、セラピーを受ける必要もなく、前科をもみ消すことさえできるというのだ。
一も二もなく申し出を受けるドミニクだったが、ウェイヴァリーによれば、亡くなった彼の娘アビニオンが突如としてアーカイヴから消えてしまったのだという。
確かにアルビオンは存在していたのだ。そう言ってウェイヴァリーが差し出す写真には、深紅の髪にエメラルドの瞳の美しい女性がいた。
誰が彼女を消たのかと突き止め、アーカイブに復元してほしいというのだ。

だが、ドミニクのいとこのガブリルは、その依頼そのものに疑問を呈する。なぜならウェイヴァリーはあの「アドウェア」の開発者なのだ。ドミニクは優秀な調査員かもしれないが、彼ほど裕福な人間なら、調査会社丸ごとだって買えるはずなのだ。なぜ、わざわざリハビリプログラムから引き抜いてまでドミニクに仕事をさせたかったのか…?
そして、ドミニクがアーカイブを訪問している最中、謎の男が現れる…



上記は、あとがきで訳者が紹介してくれている映像作品で、これを参考にして、著者はメディアが飽和状態となった世界を描いたのだという。

そしてまた、本書の世界ではアーカイブを訪問することで、過去の世界に生きることもできる。
主人公のドミニクはまさにそれに取り憑かれているといっていい。この世界では、死者を忘れなくても良いのだ。そんなドミニクの様子は、テロの犠牲のような理不尽な理由で、大切な人を失った人は胸に迫るものがあるだろう。
だが、それを悪用するものも当然でてくる。例えば、幼児のレイプシーンを頻繁に訪問するペドのような倒錯者も多くいるだろう。彼らのような被害者は、一度ならず、終わりない蹂躙を受け続けることになってしまうのだ。
物語の中では、「忘れられない権利の法」が施行されているが、前述のような幼児やその関係者の権利はどうなるのだろう。
この種のテクノロジーは、近い将来実現可能であるがゆえに考えさせられる。

訳者の方も指摘しているが、ペプシ、ホーホーズ、ナイキ、セルジオ・タッキー等々、数多く登場する現実世界の固有名詞は、さながら情報の渦だ。
さらに、原文にはやたらとー「ダッシュ」が多用されているそうなのだが、それもまたメディアの飽和状態の効果を狙ったものなのかもしれない。(ただし、日本語版は読みやすい配慮がなされているのでご安心を)

そういえば、ジョコビッチはユニクロの前はセルジオ・タッキーにだったなぁ…。

ラストも余韻を残す終わり方。映画化権も売れたそうだが、映像でもみてみたい作品だ。




明日と明日 (ハヤカワ文庫SF)

トマス スウェターリッチ (著), 日暮 雅通 (翻訳)
出版社: 早川書房 (2015/8/21)

Kindle版 明日と明日 (ハヤカワ文庫SF)









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category: SF ファンタジー

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 早川書房  映画化  SF  文庫 
2016/02/02 Tue. 15:54 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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