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読書日記、ときどき食日記

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ドローン・コマンド 〜尖閣激突! / マイク・メイデン 

アメリカ大統領選は、なんだかんだいってトランプ氏とヒラリーさんの戦いになりそうだ。

誰もが「冗談でしょ?」と思っていたトランプ氏だが、あれよあれよと言う間にここまで来てしまった。
過激な発言で注目されるトランプ氏だが、佐藤優氏が現代ビジネスで「もしもトランプが大統領になったら世界はこう変わる」で面白い予測をしている。
トランプはアメリカ孤立主義者だから、アメリカ人の生活さえ良くなればそれでよい、と考えているというのだ。「金持ち喧嘩せず」で、これまでやっていた"世界の警察"としての役割もやめるだろうという。だって中東のことも、日本と中国とのこともアメリカには関係ないから。そもそも「なんでアメリカ軍が日本を守ってやらなきゃならないんだ?」というわけだ。
一方でアメリカの武器商人には「どうぞ、どうぞ、儲けてください」というスタンスだろうという。空白となった中東は戦争必至だろう。
そして、佐藤氏によれば、国内においては数パーセントの超富裕層が富を握る今の構造をひっくり返すだろうとも言っている。自らも金持ちのくせに金持ち嫌いらしい 。
中東戦争はともかくとして、この予想の通りだとすると、持たざる庶民にとってはトランプ大統領も悪くないのではないか 。日本もそうだが、アメリカはもっと階層が固定化されているから、ここらでガラガラポンもいいのかも…

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ただ、現時点ではもしも中国と日本の関係が悪化し、すわ戦争かという状況になれば、同盟国であるアメリカが味方をしてくれることになっている。建前上は。
そして、本日発表の内閣府の調査によれば、日本の対中感情はずっと悪化の一途を辿っており、その背景には、尖閣諸島をめぐる対立や、中国による南シナ海での人工島造成などがあるという。
本書は、まさにその日米中の戦争突入を描いた緊迫の国際政治サスペンスなのである。

舞台は超近未来の2017年。領土拡張政策を推し進める中国はついに尖閣諸島の領有を宣言し、海底油田の掘削を始めてしまう。
中国軍は”空母殺し”の異名をとるWu-14ミサイルを手に入れたことで強気になっている。世界最強といわれるアメリカ軍の戦略の中核は航空母艦にあるが、Wu-14はそれをたった一撃で屠ることができるのだ。世界のどの国も、アメリカですらもWu-14ほどの高速誘導ミサイルに対応できるものを持っていない。
中国の尖閣領有宣言に、日本国内は中国への反発が高まり一触即発の状態となっていた。
これに対応するため、アメリカのレイン大統領は元CIAの特殊部隊で今は民間のドローン開発企業を経営しているトロイ・ピアースと、元大統領のマイヤーズを日本に送り込む。
まず、日中戦はなんとしても回避しなければならないが、もしも中国のWu-14の開発成功が事実なら、第七艦隊を派遣するわけにはいかない。
ピアースとマイアーズの二人はWu-14の真偽を見定めるため、ある作戦に打ってでるのだが…

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主人公はトロイ・ピアースであり、著者もアメリカ人なのだが、日本の小説を読んでいるかのような気がするのだ。
この本、実は翻訳者の方からいただいた本なのだが、聞くところによると、著者に確認をとった上で、翻訳にかなり工夫を凝らしたのだという。日本人の登場人物の名には漢字があてがわれており、翻訳ものはちょっと…という方も違和感なく読めると思う。
私は、服部真澄氏の『龍の契り』 を思い出した。
古いなぁ〜〜〜ww

その国粋主義から戦争を画策する政治家や、それに絡むヤクザ、改革を断行したい中国国家主席、軍部と主席の対立を利用しようとする副主席など登場人物も多彩でリアルだ。真面目で、割とリアルな物語である一方で、エンタメ性も高い。
軍事オタク以外は、当初はミサイルの名や空母の名が羅列されてることにとまどいうかもしれないが、結局のところ、本書は国際策謀サスペンスであると同時に、トロイ・ピアースという男の物語でもある。
最後の最後の彼の行動は、映画版のほうの「ロング・グッドバイ」を思い出した。ま、それよりも数倍残酷ではあるけれども…



ドローン・コマンド 尖閣激突! (角川文庫)

マイク・メイデン (著), 鎌田 三平 (その他)
出版社: KADOKAWA/角川書店 (2016/2/25)

Kindle版 ドローン・コマンド 尖閣激突!






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category: ミステリ/エンタメ(海外)

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 角川  文庫  国際政治  サスペンス  中国 
2016/03/12 Sat. 20:53 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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