Reading For Pleasure

読書日記、ときどき食日記

04« 2017 / 05 »06
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.

ジャッカルの日 / フレデリック・フォーサイス 

またベルギーでテロが起きた。
今回は邦人も被害にあったという。
ちょうどこの連休に友人が渡仏したのだが、予算が許せば私も一緒に行こうと思っていたのだ。
結局、航空券の手配ができず諦めたのだが、他人事はない思いで今朝のニュースを見た。
被害にあわれた方のご回復を心よりお祈り申し上げます。

さて、たまたまWowで97年リメイク版の「ジャッカル」をやっていたので観たのだが、これにはがっかり。
おそらくブルース・ウィルスにリチャード・ギアという2大人気俳優を起用するということもあり、とにかくアメリカ人向けの脚本にしたのだろうが、スッカスカ。
ブルース・ウィルスの七変化は面白かったけど、「ジャッカル」という名は使ってはいけないでしょ。
Wowもどうせならリメイク版ではなく、「ジャッカルの日」のほうをやってくれればいいのに…
frederick forsyth

フォーサイスの「ジャッカルの日」の何が一番いいかといえば、これがドキュメンタリー・スリラーだということなのだ。
本書は、60年代始めのフランスを舞台に、シャルル・ド・ゴール大統領暗殺を企てる武装組織「秘密軍事組織(OAS)」が雇ったプロの暗殺者「ジャッカル」と、大統領暗殺を阻止しようとするフランス司法警察のルベルの攻防を描いたスリラーだ。これはフォーサイスがロイターの特派員時代「ドゴール番」だった頃に、実際に起こった”ドゴール暗殺未遂事件”を下敷きにした物語だという。

ドゴールほど、命を狙われたフランス大統領もないだろう。「フランスの名誉と伝統」に誇りを持ち、第二次世界大戦ではレジスタンスとともに大戦を戦い抜いた彼は、戦後、アルジェリア植民地の本国への反抗を抑えうる人物として支持を集めた。彼は、国民の直接選挙による巨大な権限を持った大統領制を提案し、成立させると、第5共和制の初代大統領に就任すると、フランス政局を安定させるとともに高度経済成長をとげ、国際的地位を大いに上昇させたのだ。
ただ、反面で「わが道を行く」という姿勢を強固に貫いたために敵も多く、実に31件もの暗殺未遂事件に遭遇したという。

エンタメでありながら、同時に史実でもある。そして、どこまでが事実でどこまでがフィクションなのかは、フォーサス自身にしかわからない。そこがいいのだ。読み手の想像をかきたてる。
ジャーナリストらしい緻密で丹念な筆致もいいし、追うものと追われるものの攻防もいい。ジャッカルとルベルが違いに敵同士でありながらも、プロとして違いを認めているというのも好き。
ハードな雰囲気も保ちつつも、牡鹿荘での男爵夫人との一件にみられるようなエンタメ性もあって、その投入量のバランスも好き。
最後の一文までが読ませるのだ。

オールタイムベストでいったら、ベスト3に入るな。なぜにこんな秀作をこれまで忘れていたのだろう…
今読んでもいいというか、今読むとなおさら良さが実感できる。
そうえば、「騙し屋」にはじまるマクレディ・シリーズとかも好きだったなぁ。なんでAmazonの扱いがないんだ!!!



ジャッカルの日 (角川文庫)

フレデリック・フォーサイス (著), 篠原 慎 (翻訳)
出版社: 角川書店 (1979/6/10)









オデッサ・ファイル (角川文庫)

フレデリック・フォーサイス (著), 篠原 慎 (翻訳)
出版社: 角川書店 (1980/05)









戦争の犬たち (上) (角川文庫)
戦争の犬たち (下) (角川文庫)


フレデリック・フォーサイス (著), 篠原 慎 (翻訳)
出版社: 角川書店 (1981/03)






関連記事

category: 歴史・大河・ドラマ

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag:   文庫  映画化 
2016/03/22 Tue. 21:36 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://spenth.blog111.fc2.com/tb.php/588-32fe2ce3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top