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読書日記、ときどき食日記

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埋葬された夏 / キャシー・アンズワース 

確か、春の翻訳ミステリー大賞コンベンションの版元対抗ビブリオバトルで優勝したのが本書だった。
何しろエルロイの新刊や、ロスマクS・ハンターを差し置いて優勝したのだ。一応、読んでおかなきゃというので、読んでみたのだけど、、、、

う〜ん、よくできているとは思しこれという瑕疵もないのだけど、正直私はあまり…かな。
というのも、デジャブ感が…。解説の霜月氏も言及していたけど、雰囲気は「邪悪な少女たち」にソックリ。確かに見せ方は違うし小技も効いてはいるけれど、英国の閉鎖的な田舎町、貧しい少女と裕福な家庭の少女、貧しい少女にかけられる冤罪、と設定はほとんど同じなのだ。材料が同じだとほぼ似たような料理になっちゃうアレ。

個人的には「邪悪な少女たち」のほうが上で、読み応えもあった。「邪悪な少女たち」は日本あまり話題にはならなかったけども、ゴールドダガーを獲っていてもおかしくないかなぁという出来。実際もしもその冠があったら、もっと評価は高かったのかな(笑)
でも、この「埋葬された夏」も好きな人は好きなんだろうなぁ。
いかにも東京創元という感じだし。

amusement_park.jpg 

さて、舞台はイギリスの海辺の田舎町アマーネス。その町に、元警官で今は私立探偵をしているショーンがやってくるところから物語は始まる。
1984年の夏、この町で10代の少女コリーン・ウッドロウは忌まわしい事件を起こし、終身判決刑を言い渡された。コリーン・ウッドロウは、アマーネスの町の異分子だった。黒髪の一部を剃り上げ、残りは派手に逆毛を立てたゴスメイクのウィアードウ(異形者)。彼女が有罪であるのは誰の目にも疑いのない共通認識だった。
しかし今、彼女の新しい勅撰弁護人により「新しい証拠」が発見された。被害者の衣服に付着していたその証拠、”第三者のDNA"は、コリーンの単独犯説に大いに疑問を投げかけるものだったのだ。
つまり、ショーンはコリーンの弁護士に雇われ、その事件の再調査のためアマーネスにやってきたのだ。

物語は20年前のコリーンを取り巻く当時の様子と、現在のショーンの調査状況とを行き来しながら進行していく。
コリーンが12歳の頃から売春を強要した母親、彼女の惨めな家庭環境、彼女を取り巻く友人たち。そこに突如割って入った町の有力者の孫娘サマンサ…
一方のショーンの調査には、事件を掘り起こされたくない人間が立ちはだかる。アマーネスのような田舎町の人々にとって、コリーンの起こした事件は耐えられないものだった。20年前に生き贄を差し出したのだから、構わないでもらいたがっているのだ。唯一の協力者はロンドンからやってきた地元紙の女編集長だった…

Cathi-Unsworth.jpg 
面白いのは、コリーンが起こした事件がどのようなものだったのか、被害者が誰かということが、読者には伏せられていることだろう。それとともに、過去の登場人物と現在のそれのつながりを推理させるような作りにもなっている。
無駄なコマは一切なし。真相が明かされるラストも綺麗で無題のない仕上がり。ね、いかにも東京創元が好きそうでしょ?(笑)

原題は「WEIRDO」霜月氏によると、異様な、気味が悪い、といった形容詞のweirdにoをつけることで、気味悪いやつ、キモいやつという意味なのだそうだ。
というか、写真をみるに、著者のおばちゃん自身もきっとそういうファッションにはまっていた少女だったんだろうな。
コリーンのしていたゴスなファッションもさることながら、コリーンは苦境から逃れるために友人と白魔術か呪いのようなこともしており、それが後に、黒魔術という誤解を招いてしまうのだ。

閉鎖的な田舎町、その田舎を仕切る有力者、呪い、よそ者の探偵役とくれば、「邪悪な少女たち」というよりは横溝正史の世界に近いのかも。


いい加減にエルロイを読まなくては・・・

     

     

        
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category: ミステリ/エンタメ(海外)

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 海外ミステリ  英国  東京創元 
2016/07/16 Sat. 10:14 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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