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読書日記、ときどき食日記

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ジョイランド / スタィーヴィン・キング 

熱戦続くリオネジャネイロ・オリンピック。
驚いたのは、ジョコビッチの初戦敗退。。。
えええーーーーー!!!
ナダルじゃなくてジョコが所詮敗退?!(←失礼!ナダルさんは一回戦は快勝デシタヨ!次も勝てますように!!!)

ま、しかし相手はデルポだしなぁ。ジョコさん、ドロー運悪すぎでしょ…
試合は見てなかったんだけど、スコア見ると7-6,7-6と、2セットともにタイブレークという接戦。デルポミサイル炸裂だったのかも。
今回こそはとジョコも金メダルを狙っていただろうし、ほとんど唯一持ってないタイトルだから悔しいだろうなぁ。
全仏後すぐにウィンブルドンとハードスケジュールで、本来トップ選手は今頃は全米に備えて調整している時期。疲れとかもあったのかな?
しかし、ここにきてようやくデルポも復活か。長かったけど、全米も面白くなりそうだわ。


さて、興奮しすぎてしまって前置きがメインみたいになってるけど、本題はキングの「ジョイランド」「ジョイランド」は今週末の読書会の課題本でもあるのだ。
キングには珍しく、文庫本一冊というお手頃なボリューム帯。キングは初めてという方にも手に取りやすいサイズ感だと思う。
また、キングといえば、「ホラーの帝王」のイメージが強いだろうが、今回は阿鼻叫喚のホラーは封印。なんと青春ミステリなのだ

Stephen-King-011.jpg 
物語の舞台は1973年のアメリカ、ニューハンプシャー大の学生である"ぼく”、デヴィン(デヴ)・ジョーンズは、ひょうんなことからその夏、ノースカロライナの海辺の町の遊園地でアルバイトをすることになる。
ことの起こりは、初めてのGFだったウェンディが、ボストンで女友達と一緒にアルバイトをすると言い出したたためだ。デヴとウィエディはともに大学内でバイトをしながら学ぶ苦学生で、2年もの間、"あれ”を除けば何をするにも一緒だったというのに…。
一人で大学に残るのもつまらないと思ったデヴは、偶然目にした広告で、その遊園地で働いてみようと思う。その広告の一行目には「天国の近くで働く!」とあり、彼女を失うかもしれないという恐怖にさいなまれていたデヴは、この上なく惹かれてしまったのだった。
面接に訪れたデヴは、ジョイランドの占い師マダム・フォルトゥナことロジーから「あんたの未来にいるのは女の子と男の子で、そのうちの一人は心眼を持っている」と言われる。その時は、ウェンディにしか頭になかったデヴだったが、60歳を超えた今、思い出してみると、マダム・フォルトゥナはこの日絶好調だった。
同じ下宿のバイト学生仲間、トムとエリンとも仲良くなり、本格的に遊園地での仕事がスタートする。
熱射病にかかりそうになりながらも、遊園地のマスコット犬ハウイーの着ぐるみを着て、幼い子供たちを喜ばせるのは、デヴにとっては楽しい仕事だった。
そんなある時、デヴは遊園地の幽霊屋敷(ホラーハウス)にまつわる恐ろしい噂を耳にする。過去にそこで、殺人事件があり、殺害された女の子の幽霊がでるというのだ。その女の子、リンダ・グレイは、歳の離れた男と一緒にホラーハウスに入ったのだが、喉をかき切られて殺され、男は一人で何食わぬ顔で出ていったのだという。その男とリンダ・グレイは一緒に写真をとっていたが、帽子に濃いサングラス、砂色の山羊髭をはやしていた男は、ブロンドでさえなければ誰でも当てはまる容貌だった。ただ一つ、手の甲にあった鳥のタトゥーを除いては。しかも、その男はリンダ・グレイの他にも何人もの女の子を殺害していた連続殺人犯だった。
デヴは、マダム・フォルトゥナから、「絶対にホラーハウスに近づくな」と警告を受けていたにもかかわらず、トムやエリンと一緒に、仕事が休みの日に肝試しとばかりにホラーハウスに入る。
そこで、トムが女の子の幽霊を見てしまい…

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ほろ苦いデヴの失恋、トムとエリンとの生涯にわたる友情、そして、マダム・フォルトゥナの予言に出てくる男の子…

キングの代名詞でもある「ホラーの革新者」はなりを潜めているものの、キング小説の良さを十二分に堪能できる。キングの良さとは、なんといっても「読みやすい文章」「生き生きと描かれる登場人物」「真実味ある創作」だ。「読みやすい文章」「生き生きと描かれる登場人物」というのには、誰も異論はないだろう。
編集部による解説でも言及しているが、子供の描写にかけてはちょっと他にない巧さだ。大抵、キング作品に出てくる子供は、よく考えてみるとその年齢よりも大人びていることが多く、本作でもそれは例外ではないのだが、ついつい知らず入れ込んでしまう。

プロットそのものよりもキャラクターに重きを置いているのもキングの特徴だろう。
どこで読んだのか忘れてしまったが、キングの編集者が「作家自身の人生を生きているように読者に思わせることができるなら、その作家は天才だ」と言っていた。それはまさしく、本書に当てはまるものだ。多少の年代や年齢、通っていた大学の違いはあるものの (キングはメイン州立大学卒)、デヴは、フィクション上のキングだといっていい。キング作品に触れたことのある方なら、きっと朴訥で善良な青年デヴにキングその人自身を感じるはず。

ホラー的要素はなりを潜めているものの、本書でも「不思議な現象」は物語の重要な役割を担っている。マダム・フォルトゥナの予言然り、後半に出てくる男の子の能力然り、意外な人物の行動然り…
これもまた、リアリティある「真実味のある創作」だと言ってもいいだろう。
そして、そこにはキングならではの優しさが溢れていたりもして、ちょっとほろりとさせられる。

本書はキング作品には珍しく(私が知らないだけなのかも。何しろ多作な作家でもあるので、全部は読んでないし、また読めない)、ミステリー仕立てになっているのも特筆すべきだろうか。昨年キングがエドガー賞を受賞したのには、それこそジョコビッチが初戦敗退したのと同じくらいのレベルで驚いたが、キングという人にジャンルの壁はないんだなぁ。
リンダ・グレイ殺しの真相は少しだけフーダニット的にも仕上がっており、そのヒントとなるのがマダム・フォルトゥナの言葉。どれくらいの人が犯人がわかったのか、週末の読書会がちょっと楽しみ。

また、キング作品というと、小説よりも映画のほうが馴染みが多い方も多いだろう。なにせあのボリューム。キング自らが自分自身を「ベストセラー・サウルス」と評し、クジラのような小説を書くと言っているくらいなのだから。
だが、読んでみると驚くほどスイスイと読めるし、それ自体がかなり映像的視覚的であることにも気づきはしないだろうか。そのため、読者は自分のなかに映像を作りあげつつ読み進むことができるのだ。
人によっては「超長編は贅肉まみれで、中短編のほうがいい」ともいうが、私はその贅肉の部分も含めて愛しているけどな。肉も大事なんだってば(笑)
話が横に逸れてしまったが、キング作品が映画に失敗しがちなのは、あまりに映像的視覚的なせいかもしれない。キングの読者が、そもそも時間にも予算にも限界のある映画に満足できるわけがないではないか。
キング自身、キューブリック監督の「シャイニング」はとりわけお気に召さなかったようだが、キング自身が脚本、メガホンを撮ったものの出来もイマイチであったというから、そもそもキング作品は映画化に向いてないのだろう(笑)
とはいえ、「ショーシャンクの空に」「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」などはなかなかよい出来だとも思うけど。


  


       


   


          



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category: ミステリ/エンタメ(海外)

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tag: 海外ミステリ  キング  文春  文庫 
2016/08/08 Mon. 18:23 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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