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読書日記、ときどき食日記

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人工知能と経済の未来 2013年雇用大崩壊 / 井上智洋 

リオ・オリンピックもついに終わってしまった。
閉会式の阿倍マリオも小池都知事の和服姿もよかったですね(*^_^*)
都知事の着付けに物言いもついているようだけど、お着物自体も自前らしいし、品もいい私はよく似合ってたと思うけどな。着付けも自分でやったらしいし、ちょっとくらいはご愛嬌。
私なんか自分でやったら目もあてられないもん(笑)
呉服屋さんたちも喜んでいるのでは?

さて、本書はベストセラーになっている文春新書。
「人口知能」というワードに惹かれて購入してみた。


内容は、アマゾンなどの紹介そのままで、
「AI(汎用性AI)の開発がすすめば、2030年頃には人間の仕事はAIに奪われてしまう。雇用が確保されるのは1割程度しかなくなるだろう。だから、失われた収入はBI(ベーシックインカム)の導入によって賄えばよいのだ。」というもの。

artificial-intelligence.jpg 
私の頭が悪いせいなのか、この著者の論理にはどうも納得がいかなかった。
考慮すべき要因がスポっと抜けている気がする。

AIの進化とともに、雇用が奪われるというのはわかる。
ところで、「でも、今のロボットの限界なんてさー、二足歩行がやっとなんだよ!」とかおっしゃる方もいるのだが、ここで言っているAIというのは、今世の中に存在している「◯◯ができるロボット」というような特化型人工知能のことではなく、人間のように様々な知的作業をこなす汎用型人工知能のことである。
お掃除ロボとか空港にいるマスコット的なやつじゃなく、グーグルとかが躍起になって開発しようとしているやつね。
P4140297.jpg 

この汎用型AIについては、本書では軽く流されているだけだが、この説明は『人工知能 人類最悪にして最後の発明』に詳しい。
その登場はだいたい2030年頃だといわれているのだそうだ。
その雇用破壊は、ホワイトカラーに起こるだろうという。オフィスで必要とされる事務作業などは、AIがやったほうが間違いがなくはるかに早いからだ。

AIのほうが能力が高くミスもないのだから、人間が生き残れる職業は極めて少ない。詳細は割愛するが、1割しか生き残れないだろうという。
となると、その1割を除く9割が生活の糧を失うわけで、著者はそれをBI(ベーシックインカム)で賄えばよいと提唱しているのだ。

BIの財源は国の財源なわけで、それは税収しかない。1割の裕福な人から税金を徴収し、残り9割の人を養うということになるのだが、1割の人はそれを受け入れられるのだろうか。そこが私には疑問だった。
著者の案は性善説に立って展開されているのだろうけど、9割失業状態でBI導入となると、1割の裕福な人の税負担は今の比ではなくなるだろう。言い換えれば、1割の人(とAI)が、9割を養うということだ。

ちょうどこの本の後に読んだのが、『税金亡命』という脱税を目論む富裕層と国税とのバトルを描いた本だったので、余計にそう思ってしまった。
今の税水準ですら脱税に躍起になっているというのに、稼ぎのほとんどを持っていかれるとなると…
間違いなくタックスヘイヴンに逃げたり、あらゆる手段を使って納税額を減らそうとするだろうと思う。
AIは経済を根本から変えてしまうというが、資本主義自体も変わらざるを得ないのではないか。とすると、1割(とAI)が9割を支えるよりも、国(とAI)が国民全員を支えるほうが現実味があると思うのだけど…?

加えて、著者の論理は終始一貫「AIは人間の統制下にある」ということを前提としているのだが、これも私は疑問に思う。この問題は『人工知能 人類最悪にして最後の発明』に詳しいが、AIにシンギュラリティが訪れ、知能爆発が起きれば、合理性を追求するAIは「人間は不要」とみなしてしまうのは必然だと思うからだ。
実際、グーグル社はAIが人間のコントロールを拒否し、害をなすのを抑止するための「非常ボタン」を開発した。必要だからこそ、そのボタンは開発されたのだ。
ただ、シンギュラリティの時点で、AIは大抵の人間よりも賢くなっており、それが加速化されていくわけだから、そんなボタンを回避することなんてAIにとっては簡単かもしれない。


もしも、それら2点の問題をクリアできたとしても、BIという概念は特に、「働かざるもの食うべからず」という働き蜂な日本人には馴染みにくい気もする。
これに関して著者は最後に、「人間の価値というものは、人の役に立っているか、お金を稼いでいるか、社会貢献できているかはどうでもよいことで、人間の生そのものに価値が有るのです。」と言っている。
私のようなダメ人間にとっては、大変にありがたい言葉ではある(笑)
著者が提唱するAIとBIの社会の実現には、我々の意識は変わることもまた前提条件なのだ。



  
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category: ノンフィクション・新書

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

2016/08/24 Wed. 18:15 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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