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読書日記、ときどき食日記

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拾った女 / チャールズ・ウィルフォード 

週末の読書会の課題本はチャールズ・ウィルフォードの「拾った女」なのだ。
戦後のサンフランシスコを舞台にしたノワール(?)ということで、私もお初。
いよいよ時間がなくなったので、慌てて読んだ。

ところで、サンフランシスコといえば、Huluでやっているアメリカのリアリティショー「ミリオンダラー・リスティング」にはまっている。
高級物件の仲介人の番組で、人気があるらしくニューヨーク編、LA編に加えてサンフランシスコ編がある。彼らが扱うのはどれも普通に500万ドルを超えるような高額物件ばかり。美しくゴージャスな邸宅はもちろん、仲介人たちの手腕と野心、エゴが見どころとなっている。
N.Y.やLAはいざしらず、サンフランシスコ?と思いきや、シリコンバレー効果で不動産市場も加熱しているらしい。何にせよ、景気が良さそうなのは羨ましいかぎり。


San-Francisco1.jpg 
さて、話は大幅にそれてしまったが、本書の舞台となっているのは、バブルに沸くサンフランシスコではなく、戦後のまだウエット感漂うそれである。
主人公はハリー・ジョーダン。ハリーは、仕事をしている時以外はアルコールに溺れている。
ある夜、彼が働いているカフェに、小柄でブロンドの美しい女がやってくる。名前はヘレンといい、ハンドバッグをなくしたため一文無しだという。しかもかなりきこしめしていた。
ハリーは、彼女のコーヒー代を払ってやり一晩ホテルに泊まらせてやる。自分と同じアル中らしいとみてとったハリーは、彼女のような女には寄り付かないのが一番だと決めていた。
ところが、翌日ハンドバッグを見つけたヘレンが、ハリーに会いにカフェにやってくる。その場で衝動的に仕事を辞めたハリーは、彼女と同棲を始めるのだが…

ざっと読み終えた時、「これってノワールなのかな?」と思ってしまった。
印象としてはどちらかというと、ジョーダンの冗談のような話というか(笑)
で、も、なーんか妙なのだ。違和感ありありで、どうにも収まりが悪い。
物語途中でも、妙だな…という箇所がいくつもある。
何かが気に障るのだ。
そのうちのひとつについてはラスト2行で納得したものの、しかし完全に収まりのよい小説というわけでもない。
終始語りはハリーの一人称というのも気になる。そう勘ぐるのはとりもなおさず、自分自身の中にも善良になりきれないものがあるからなのだろうか。
いずれにせよ、全体に漂うウエットな雰囲気もさることながら、この心地の悪さが本書の最大の魅力といっていいだろう。

ところで、これがハリーとヘレンの純粋な恋愛小説なのかといわれると、これまた回答に詰まってしまう。解説の杉江氏や多くの読者のレビューをみると、肯定派が大多数なようだが、正直私にはよくわからなかった。
やっぱり何かが、気になってしまうのだ。

同じパルプフィクションならば、もっとわかりやすいジム・トンプスンのほうが私は好みでした…

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category: ノワール・ホラー・サスペンス

thread: 最近読んだ本 - janre: 本・雑誌

tag: 文庫  読書会 
2016/09/07 Wed. 19:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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